三泊四日熊本発東京静岡ツアーオモコロ合宿添え
オモコロ合宿という行事がある。
オモコロというウェブメディアに所属するライターや、オモコロの運営会社バーグハンバーグバーグの人々がゾロゾロと集まって一泊二日の愉快な合宿を行うという催しだ。
知っているかもしれないが、俺もオモコロライターの端くれなので参加資格がある。これまでも誘いは来ていたが、なかなか参加できずにいた。
だって、遠いもん。熊本から参加しようと思うとなんやかんやでPS5買えるくらいお金かかるんだもの。あと数ヶ月後の自分がどうなっているのか全然わからない生活をずっと送っていたのでスケジュールが合わせられなかったのもある。
しかし去年の参加者の楽しそうなレポートを見ているうちに「参加資格があるなら参加する方がどう考えても得では」と気がついたので、思い切って今年は全てをなんとかして参加することにした。
そのレポートを書く。こういう行為がダサいという価値観もわかるけど、去年行ってもないのに皆のレポートを楽しんだので書かないわけにはいかない。写真はあんまり撮ってない。あと他人の話も「まあ勝手に言ってもいいだろ」って程度にしか書かないぞ。
合宿前日
前日から向かわないとどう考えても間に合わないので、仕事を終えてから熊本空港まで車をぶっ飛ばした。(車をぶっ飛ばすってかなり古い表現かもしれない)
熊本空港がいつの間にかめちゃめちゃ綺麗で快適になっていた。ロビーで揚げたてのでかい油揚げに甘辛いタレをかけたなんか知らん料理とビールをしこたま飲んで、完全に良い気分で飛行機に乗り込んだ。
俺は飛行機に乗るたびに耳がめちゃめちゃ痛くなる。今回もバッチリ痛くなりながら羽田空港に降り立った。
明日の集合場所付近でカプセルホテルを予約していた。カプセルホテルに向かうまでに2人くらい人が倒れていた。熊本だとたぬきの死体があるペースで東京だと人が倒れている。いずれも近くに身内らしき人がいて大丈夫そうなので放っておいた。大丈夫でしたか?
カプセルホテルは値段だけ見て決めた宿だった。カプセルホテルの淀んだ空気はあまり嫌いではない。近くにイビキをかく客さえいなければ快適に過ごせる。
この宿に泊まるまではそう思っていたが、俺のカプセルの布団が異常に臭くて憂鬱な夜を過ごした。布団の洗濯ではもはやどうにもならない、蓄積された何人ものおっさんの臭いだ。
合宿初日:行きの車
臭いカプセルから這い出て1日が始まった。布団の臭さが俺に染み付いていないか気が気ではなかったのでボディシートや消臭ジェルや香水などあらゆる消臭手段を使ったが、かなり不安なまま集合場所へ向かった。後々臭いとか言われなかったので多分大丈夫だったのだろう。それかみんなが優しいか。
ポツリポツリと人が集まってきた。インターネットで見たことがある人がいっぱいいる。全員ちゃんと肉体がある人間なんだな〜と思った。きっとみんなも俺を見てそう思っていたことだろう。
なんやかんやあって行きの車に乗り込んだ。オモコロ合宿は複数の班に分かれてレンタカーで目的地へ向かう。俺は運転手を買って出た。運転が好きなので。あと運転手は「なんか喋らなきゃ」みたいな義務感から逃れられるし。
特に知らない道を運転するのは楽しくて仕方ない。生まれたての赤子が見るもの全部を新鮮に感じるように、俺も「うわー! 知らないものがいっぱいある!」と内心感動しながら運転していた。関東も高速道路沿いにラブホがいっぱいあるんだ。九州もだよ。
後ろの席にいたありふれた平凡なドラマティックさんとラブライブやアイマスの話を始めた途端に俺がナビの指示をうっかり無視したので運転中に二次元アイドルの話をしない方がいいことがわかった。
道中同じ車だったヤスミノさんに昼飯を奢ってもらった。なんていい人なんだろう。幸せなお金持ちになって欲しい。そしてまた奢ってほしい。
買い出し班だったので合宿所に行く前に近くのスーパーへ向かった。先についていたもう一つの買い出し班がすでにものすごい量のカートをゾロゾロ押していた。無茶苦茶な量の買い物でみくのしんさんが鬱になりかけていた。助けたいと思った。
合宿初日:合宿開始
「本当にこの道で合ってる?」と10回くらい言いながら宿についた。誰かが撮っていた写真を勝手に借りさせていただく。
この妙にくねっとしたポーズのアロハシャツのロン毛が俺だ。他の連中もどうせ黒いリュックサックばかりだろうなと思ったので目印のため樋口円香をぶら下げていた。合宿所に先についた全員がセックスをしていたので画像を加工して隠している。(わかると思いますが、嘘です)
中をうろうろしていたら鎧坂さんがなぜかVジャンプの付録の摩美々カードをくれた。あり凡さんから貰ったらしい。静岡の山奥で摩美々カードをもらえるなんて思ってなかったな。
参考文献
うろうろしていたらバーベキューがはじまった。なんか、たくさん人と話をした気がする。ほとんど全員初めましてだけどインターネットで一方的に知っている人ばかりなのでさほど緊張しなかった。インターネットで一方的に知っているなと思っている人同士の会話は答え合わせのようで楽しい。アルコールの力も借りたし。
あまり他の人とつるまないライターだと思われているかもしれないが、物理的に距離があってつるめないだけで、つるめるもんならつるみたいと常々思っていたから嬉しい。
色々な人に近況を心配された。常にXで泣き言を言っているからだと思う。会ったことも喋ったこともない俺のことを心配してくれている人が本当に多くてなんだか申し訳ない気持ちになった。
「いやまあ、働きたくないんですよ……」みたいなことを言ったと思う。
ミスったな。「本当に労働が辛くてしょうがないんです、みんなが当たり前にやっている労働が俺にはものすごい苦痛なんです助けてください、200万円ください」って全員に言ったら一人か二人くらい本当にくれたかもしれない。助けて。
オモコロで7年くらい書かせてもらってるのにバーグの人に会ったのはMOIW2023の時に恐山さんに会った一回きりなのはなんかあんまり健全な状態ではないなと思っていたので、だいぶ勇気を出して永田さんに挨拶をしてきた。本人は「全然偉くないっすよ」みたいなことを仰っているけどね!! 内部から見たらそうかもしれないけど!! 外部から見たら全然そんなことないからね!!
最終的にひざまずいて手の甲にキスしてきたので忠誠心は伝わったと思う。伝わってますか?
待って、7年? は? 嘘でしょ。そんなにやってんの? 俺は本気の本気でまだ自分のこと新人ライターだと思っていたが、合宿に行って初めて「どうやらそうでもないな」と気がつくことができた。「あんまり覚えてないけどこの人と同じくらいの時期がデビューじゃないっけ」と思ったライターが今調べたら全員自分の3年後くらいのデビューだった。嘘だろ。
俺はオモコロ杯デビューじゃないから同期みたいなのがいなくて、その辺の感覚がわからなくなっている。
新人でもないけどベテランでもなくない? じゃあ、俺はなんだ……ただ長いだけの人? みんなどこへ行ったの?
合宿初日:アロハ事件
つぶやきを借ります。
カッコ良すぎて痺れた。
合宿初日:みくのしんさんとカレー
みくのしんさん。本当に感謝しています。今回の合宿で誰よりも働き、誰よりも叫んでいたみくのしんさんを本当に尊敬しています。お会いできて本当に嬉しかった。もっとじっくりお話ししたかったな。
ただあの、一つだけ……一つだけいいですか……わざわざ言うほどのことでもないんですけど……
ナ月さんって言ってる? 俺は……俺はカレーの列に並んでない……甲殻類アレルギーだから……食べられないから……
いや、カレーじゃないタイミングでちょっとお話をできたので全然記憶が混ざってるってだけの話なので本当に言うほどのことではないんですけど。「ナ月さんみくのしんさんのカレー食ったの?」って聞かれた時に困るから……。いや、多分誰にもそんなこと聞かれないけど。
みくのしんさんのカレーはアレルギーで食べられなかったけどじっくり鑑賞してきた。「これが本物の……」という感動があった。ルーブル美術館でモナリザ見たらこの時と同じ「これが本物の……」という感想を持つのだと思う。
カレーの匂いは本当に美味そうだった。
普段聴いてるかまみくから自分の名前が出てくるの興奮する。かまどさんとも話してみたかった。
合宿初日:夜
天野アマゾネスさんが持ってきていたSwitchに何人かで群がってぷよテトをやっていた。ぷよテト、面白い……年一くらいの周期で「やっぱりアルルって可愛いな」と思う時期が来る。それがこのタイミングでまたきた。アルルって可愛い。
途中から俺のSwitchに差し替えてスマブラをやっていた。ロボットって可愛い。
宿には入り放題の風呂があったので適当なタイミングで入りに行った。俺はメガネをかけないと何も見えないので誰と喋ってるのかよくわからないまま何人かと話した。俺は誰と喋っていたんだ。ARuFaさんだけは名乗ってくれた。あと多分インターネット性善説ドラゴンさんと会話した。多分。
俺はメガネがないので誰のちんちんもよく見えなかったが、みんなは俺のちんちんを見たのだろうか。不公平だ。いや、見たいわけではないけど。
宿備え付けのドライヤーが赤子のため息みたいな風力だったので髪が全然乾かなくて苦労した。次があればマイドライヤーを持っていこう。
いつの間にかスマブラゾーンがカラオケゾーンになっていた。りきすいさんがめちゃめちゃ歌がうまかった。最終的に何人かで檄!帝国華撃団を熱唱した。本当に楽しかった。オタクと合唱する檄!帝国華撃団は最高。
夜中、キショ松さんが作ったアナログゲームのテストプレイに参加した。今後ビッグビジネスになるかもしれないのであまり詳しいことは書かないでおこう。陰茎は出てくる。楽しかった。
合宿初日:他印象的だったこと
・会話のタイミングがないかなと思って恐山さんを見てたらフラフラ一人でどこかに行っていたのでついて行ってみたら何かのバルブがめっちゃあるところに着いた。めちゃめちゃに操作したらどうなるんだろうと思ったけど実行せずに会話だけにとどめておいた。
・鎧坂さんが栓抜きがあるタイプのジュースに苦戦していた。
たまたまこのバックルを身につけていたので開けてやろうと目の前でベルトを外したらちんちんを出すのではないかと恐れられた。
ジュースは無事に開いたが、このジュースは鬼谷さんが楽しみにしていたものだったらしい。犯罪の片棒を担いでしまった。せめて俺も飲めばよかった。
・敬愛するニャロメロンさんとお会いできた。普通にサインとか貰えばよかったな。九州在住なので近いと言えば近いけど熊本と大分の間にはクソでかい山があってそれほど気軽に行き来できないっすよねというような話をした。
・たかやさんが常に何かと戦っていた。何と戦っているのか知らないが、最終的に勝ってほしい。応援している。応援したくなる顔と声をしていると思った。
・この俺超可愛い。この並びの写真撮ればよかった。あいたさんはかなりいい性格をしていた。売れてほしい。
・逆襲さんとサイコ・ゴアマンの話ができてよかった。全員見て欲しい。勝手に上映会すればよかった。
・目を離している間に俺の帽子を天井の照明の上に乗せたやつ誰だ。
・誰かの布団の上で殺虫スプレーでゴキブリを殺した。誰の布団だったのかはわからない。生きたゴキブリが布団に潜んでいるよりマシだと思って許してほしい。
・靴の乱雑さがよかった。子供の頃友達の家にみんなで遊びに行った時のスーパー大規模バージョンで良かった。
・もっと色々な人と話してみたかったので後悔している。60人くらいいたので全員と話すなんて無理なことだけど、もっと多くの人を羽交い締めにして「お前の記事が好きだよ」と言いまくればよかった。
そうでなくても普通に記事の話もっとすればよかったな。
・田中三友さんと「記事に宝鐘マリン船長のフィギュアをそれとなく出す」という話はした。後日この記事が公開されて「これか〜!」と思った。
俺はこの記事で出してる。
・俺が風呂に忘れていった洗顔を玄関に置いてくれた人ありがとうございます。
・異常に解像度が高い原宿さんの顔が皆を見守っていた。本人は欠席。
合宿二日目:秘宝館
みくのしんさんが絶叫しながら人々を起こして回っていた。アニメキャラの喋る目覚まし時計みたいだと思った。あれって今もあるんだろうか。
二日目は班に分かれて行きたいところに行く日だ。キショ松さん、加味條さん、シュゴウさんらと共に熱海の秘宝館へ向かった。国内に残された最後の秘宝館、精通の本を出した男としても一度行ってみたかった。
本当に楽しかった。ちんこまんこおっぱいおしりセックスを昭和ギャグセンスで絡めて和えてギッシリ敷き詰めた遊園地のような空間だった。
鏡の前に座ると鏡に映像が写って俺がエッチな妄想をしているように見えるアトラクションがかなり面白かった。俺の横でめちゃめちゃ勃起したランプの魔人が何やらずっと暴れていた。映像は何パターンもあり、キショ松さんが座るとアフロのかつらを頭に被せる映像が映し出された。面白すぎる。
とにかく「ちんこまんこで人を楽しませるぞ」ということに全力で「ちょっとした装飾がよくみたら陰茎」みたいなのがたくさんあって最高だった。エロと昭和ギャグセンスがきつい人にはきついかもしれない。
おじさん四人で行く観光地として最高だったな秘宝館。
あまりにも良くてお金を落としたくなったので色々買った。ピアス穴なんかないのにピアスを買ってしまった。改造しようかな。
とりあえず今ヘアピンに改造した。こめかみがチャラチャラして付け心地は良くない。改良の余地あり。イヤーフックとかがいいのかも。
ポスターが超かっこいい。
中で引いたおみくじ。中穴だった。遊園地でセックスをするな。
秘宝館と街並みをちょっと眺めただけで熱海が大好きになってしまった。また行きたい。それどころかかなり住みたい。
二日目のインターネットおじさん四人のパーティは昨日会ったばかりのはずが、そこそこの付き合いの友と旅行しているかのような居心地のよさだった。車内の会話もかなり面白かった。
二日目:解散後
レンタカー屋でインターネットおじさんたちと解散した後、池袋のクソでかいポケモンセンターへ向かった。一度行ってみたかった。
外国人の子供がドオーのぬいぐるみを抱きしめて個体差を確かめていたのがよかった。よつばと!みたいで。
ヤバソチャを買った。好きだから。
一人で315プロにも行った。
本棚がいい。『最強に面白い!!数学パズル』が特にいい。数学を楽しんで学んでほしい男が買う本じゃん。メキシコもいい。
同じバンダイナムコが支配しているフロアでプレバン限定の仮面ライダー第0号の変身ベルトが普通に売っていたので衝動買いしそうになった。今思えば買えばよかったな。
ゲーセンで麻雀ファイトガールをやるなどして時間を潰していると、鎧坂さんがこれから何かする人を集め始めたという連絡があった。狂っているのか。疲れ知らずだ。でもこんな機会でもないとライター仲間と遊べないので俺も行くことにした。
鎧坂さん、インターネット性善説ドラゴンさん、愛のサダさん、あと俺というメンバーだった。その結果がこれだ。
オタクカラオケの後再び臭いカプセルホテルに宿泊した。もう予約していたので変えようがなかった。
最終日
もうあとは俺が帰るだけだからあんまり面白い話はないよ。
臭いカプセルホテルから出て熊本に帰る日を迎えた。いやだ、帰りたくない……。
東京に行くついでに時間があったら見たいと思っていた伊藤潤二展も上野動物園も岡本太郎美術館も全部休みだったのでぶらぶらと一人で観光していた。
昨日のオタクカラオケでドラゴンさんが言ってた秋葉原のシュタゲのなんかを見に来た。でかい絵がいっぱいあってよかった。科学アドベンチャーシリーズ好き。
秋葉原に来たらそのままお茶の水へ歩いて楽器屋を見たくなるし、お茶の水を見ていたらそのまま神保町へ行って古書を見たくなる。東京、なんて都合がいい街なんだ。
お茶の水を冷やかしていたらギブソンモダーンの実物があって興奮した。そういう珍しいギターが存在する。欲しい。
古書店でなんとなくタイトルに惹かれて買った本。
『歌集 貧乏の歌』大正から昭和にかけて活動していた歌人の渡辺順三という方の歌集、らしい。パラパラめくったら「労働はクソ」「金が欲しい」みたいな短歌がいっぱい書いてあって面白い。帰りの飛行機の中で全部読んだが最高だった。ちょっと紹介したい。
左、わかる〜。
右、わかる〜。
わかる〜。特に右。俺のツイートかと思った。
右、こんなに短歌に共感したの初めて。
本当に良い買い物をしたな。時々読み返そう。「労働はクソ」「金が欲しい」みたいなことでも本になるだけ束ねるとめちゃめちゃ面白くなるな。俺もいっぱい「労働はクソ」「金が欲しい」って言っていこうかな。まあそれだけの本じゃないけど。
誰か宛のサイン本だった。
楽しかったな〜オモコロ合宿も東京うろついたのも。また行けるといいな〜。