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【ウォーハンマーRPG第4版】呪われし道キャンペーン回顧録「ミドンヘイムの灰塵」#3

ケイオス・スポーンに変異してしまったオドー神父を数の暴力で難なく討った一行。飲み水に人を混沌のばけもんに変えてしまう毒(ワープストーン)が混ざっていたことで、ウルリック大神殿は大混乱。ここで密かに邪神コーンを信奉するウルリック教の大僧正代理、クラウス・リーベニッツが初登場する。ポートレートが強面すぎて、多分顔画像を見せた瞬間に黒幕ってバレたと思う。この冒険は場面場面にどんな意図があるのか、明記されて読者にイメージしやすくさせる書き方がなされており、黒幕と冒険者パーティの初コンタクトなんて特に気をつかうので、このような指標は回している最中含めて本当に助かった。かつての功績からPCたちは毒の在り処を秘密裏に探すことになり、結局「紫の手団」なる危険なカルト教団が、ワープストーンを水源に流したことが判明!「内なる敵」という有名キャンペーンの敵役らしい。サービス精神旺盛だ。パーティは教団の巣窟に飛び込む。バリケードを張って隙間から教団員が弓を撃つ戦術を取っていたが、ルッカスのハルバードがすぐに障害物を壊しあまり効果的ではなかった。あっけない戦闘が終わり禁書を回収した所で第4章も終了。今考えるとファンサ回だ。(「内なる敵」はよく知らないので軽く触れただけで済ませた。)
第5章-第6章。このあたり、あんまり記憶に残っていない。前の章と比べると、混沌変異騒ぎが街に広まり始めて通りがヤバくなってる点が異なる。最後に家屋に飛び込んで何かと戦うから、新鮮味が無かったのかな?5章の最後に、シナリオの都合でパーティは逮捕されてしまうのだが、特に抵抗されなかった気がする。リーベニッツが裏で何かやってることがあらわになり、この冒険の黒幕がババーンと明らかになる。PC一行がぶち込まれた牢屋はウルリック大神殿の地下にある(GMはここでわざわざ作った牢屋マップを切り替え忘れで見せないポカをかましている)。第3章に出てきた魔狩人もボコボコにされて隣の牢にぶちこまれている。看守の隙をついて共にシグマー神殿まで行き、そこでとてもやさしいシグマ―大司教に出会う(これはシグマ―教のプロパガンダなのでは?)。荒木飛呂彦の、達人の手は柔らかいという巻頭コメントを思い出しながらこの場面を表現した(つもり)。彼より、邪魔なシグマー教の魔狩人を捕えて火炙りにするリーベニッツの邪悪な企みを知り、そのまま第6章へ。最後に魔狩人が目撃された宿へ向かう。頑張ってこの宿のマップは自作した。fvtt用のmodとして配布しているので、興味のある方はぜひインストールしてみてほしい。PCたちは宿屋の地下アジトに乗り込み、でけえミュータントを倒す(この辺も難易度調整ミスって戦闘は手ごたえ無かった)。檻には無実の一般市民NPCがいる。彼の台詞を会話の途中で何度も繰り返したら結構ウケた。

「ウルリックとシグマーへ感謝を捧げなければなりませんな!」

このNPCは、このあとの魔狩人の裁判における、重要参考人となる。裁判には、本の提案に乗って、卓の参加者全員に一人ずつ演じるNPCを渡して、役に則って裁判をする試みだ(黒幕はもうバレてるしね)。とても面白そうな取り組みだと思うし、実際途中まで盛り上がってもらえたが、GMの私はバカなので、勢いで勝手に裁判を終わらせようとしてしまい、あるPLの出番を潰しそうになった。卓内の指摘で気付いたが、今思い出しても、大変恥ずかしい。

第7章はミドンヘイム大学に行って手に入れた真鍮髑髏の箱を学者のツヴァインシュタイン教授(このNPCのネーミングセンスでウォーハンマーファンタジーのノリが少し分かった気がする)に見せるためだけにあるような短い章だった。途中で遭遇を挟むように、とアドヴァイスがあったが面倒臭かったのでサッと終わらせた。オチがすごい強引で、一本道シナリオの悪い所が出ており、本書で一番地味な印象だ。

最終章、VS.大僧正代理リーベニッツ&近衛兵。リーベニッツはウルリック大神殿で真鍮髑髏をつかいディーモンを呼び出そうとしている!最初にリーベニッツのデータに奇跡が一つも書かれていないのを見て「ウルリック神に見放されて、奇跡が使えなくなったのかな?」と思ったが、そもそも邪神コーン自体、魔法を拒む性質があるらしく、そのため奇跡を捨てているらしい。こういった世界設定に沿ったゲームデータすごく好きです。PLたちはシグマー教の僧兵たちと同行して数の暴力でウルリック大神殿の制圧を考えていて、僧兵の準備を待つとしていた。この章のギミックとして、時間経過で大僧正代理が儀式を進め近衛兵たちを生贄にしていき、パーティの到着があまりに遅いと召喚されたディーモンと戦う羽目になる、というものがある。結果的に近衛兵の数は半分くらい減らしたと思う。ウルリック大神殿の講堂も
結構単純な形をしていたので、DungeonDraftで自作した。


最後のセッションは時間をまるまる使った、最終決戦。近衛兵たちはグレートアクスを振り回し、その武器の”損傷”特性でチマチマとパーティの鎧が削られていくが、ここは優位を稼いだドリューの突剣術が光った。死闘が終わると、髑髏のディーモンが登場し、第二戦へ。データはできる限り4版に変換したが、ラスボスはデカくしたかったのでサイズは大柄とした。サイズ差があるとは言え、攻撃回数に差がありすぎるので、初戦よりは楽そうだった。今だったら、シナリオ記載のステータスに悪魔的9のクリーチャー特徴はつけてたな。無事悪魔を滅ぼし、シグマー神とウルリック神の両柱から認められる名誉あるイベントの後に大団円、エンドクレジット、パーティは見事白狼の都市ミドンヘイムを救ったとさ。しかしエンドクレジット後のスニークピーク、精髄はまだエンパイアに2つも残っており、まだまだ一悶着ありそうだ…というクリフハンガーでミドンヘイムの灰燼は幕を閉じる。

「ミドンヘイムの灰燼」は一本道とはいえ、しっかり読み進めさえすればキャンペーンとして形成す簡易さがあって、ウォーハンマーRPGの初心者にはオススメの一本だ。逆に言えば一部先人からのレビューで、この”一本道さ”をシナリオの欠点として言及したものもある。とはいえ、改変はめんどうかも。あと、ミドンヘイムにおけるシグマー教とウルリック教の関係については前提知識として卓内で共有しておいたほうがいいと思う。最後の展開がアツいから。(終)

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