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「ムラカミロキ」リレーブログ寄稿

今年初参加させていただく国会前フェス「イットクフェス」のリレーブログに寄稿しました。
最近何となく思っていたことをまとめた形になりました。

出演は11/1(日)13:55〜国会議事堂正門前・烈火ステージです。

『イットク2020!』リレーブログ(出演者&スタッフブログ)
83.ムラカミロキ

https://ameblo.jp/ittokukun/entry-12632602875.html

昨年、あいちトリエンナーレ・表現の不自由展を巡る騒動で
「日本を蔑む表現に公金を使うな」という発言が飛び交った。
今年、学術会議任命問題では
「学術会議を民営化すればいい」という発言が飛び交っている。

どちらも要約すれば「やるなら自分の金でやれ」である。
こうした発言が飛び交うのは、民営化を進める新自由主義的な考えが
世の中の主流になっているからだろうか、と思っていた。

しかし、それ以前に「公・公共」という考え方の話なのでは、
と、ここ最近は思うようにもなった。

民営化が必ずしも悪いわけではもちろんない。
しかし、日本の場合は民間企業や個人が
お互いに公共性を支える、という意識が薄い。
ではその場合、どこの誰が担保するのだろうか。
例えば感染症という災害が広がり、
仕事が行えなくなる人が増えた時、生活を保障するのは誰なのだろう。

芸術祭が私費で開催されるようになり、
学術会議が民営化される。
政府の意向に沿うものは公費で行われ、
収益の目処が立つものは民間で行われる。
その時、どちらにも該当しないものはどうなるのだろう。

次は何だろうか。
「税金で作った道路で政府の文句を言うな」
「自分で購入した私有地で言えばいい」
かもしれない。冗談のようだがロジックは同じだ。
すでにそう言っている人はいるだろうし、
この言説が先の2つのように、世の中の主流になって押し寄せても、
最早、何もおかしくはない。

税金を使って、国が市場では金にならない研究や表現を支える、
時に現在の政治体制と相反するものであっても、
基盤となる部分は保障する。

その幅の、懐の広さが
学術や芸術の、そして音楽や文化の
豊かさ、多様さなのではないだろうか。

今年、渋谷の宮下公園跡に商業施設が建ち、「公園」はなくなってしまった。
路上生活者はどこかへと追いやられた。
国会議事堂前は「公道」だ。
クラスター発生や感染の防止に配慮しながら、
この場所でこのタイミングで今年もイットクフェスが行われる。
内容はもちろん、開催されるそのこと自体の意味合いが、
非常に大きいのではないだろうか。
そして、そのフェスに初参加できることを光栄に思います。


ムラカミロキ
プロフィール:
ライブやらないパンクバンド「テープ・リール・フール」、自主制作映画共同企画「NO波」などに参加。現在はデジタル・アナログを横断する映像作品制作と、アコースティックギター弾き語り、ノイズボイスパフォーマンスなどを主に行う。
http://www.nzchao.com/


イットクフェス
https://ittoku.site/
Twitter: @ittoku69
https://twitter.com/ittoku69
YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCA6rlP-wzcr1F1GZ9gChXCQ

https://murafake.hatenablog.com/entry/2020/10/22/121353



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