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知識を得るほど賢くなるという迷信について【情弱と情溺】

「情弱」とは情報弱者の略である。

情報弱者とはデジタル大辞泉(小学館)によれば、次のような人物を指す。

①マスコミ報道やインターネットなどに触れる機会が少なく、情報の入手において不利な環境にいる人
②また、情報の価値や真偽の判断に慣れていない人


「情弱」という言葉は、どんな人物がどんな場面で使っているのだろうか?

試しにツイッターで「情弱」と検索してみる。

すると、この言葉を使う人物の多くに次の共通点が見られた。


1つ目は、高い攻撃性。

2つ目は、情報強者であるという自負。

3つ目は、その自負が勘違いだということだ。


いったいなぜ彼らは勘違いしてしまったのだろうか?

理由はいくつか考えられるが、その中でも

「知識を得れば得るほど賢くなる」

という一般に広く信じられている迷信が、彼らの勘違いに大きく貢献しているように思える。


知識を得れば得るほど……


実際のところ、知識を得れば得るほどかえって愚蒙になってしまう人間は昔から珍しくない。

情報はいつの時代も玉石混淆であり、玉と石を見分けられる人間はいつの時代もあまりいないからだ。

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