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buzzG『Ghost Trail Reveries』


後追いでボーカロイドを聴き始めた身で恐縮なのだが、2010年前後の所謂第一次ボカロブームの頃、ネットを離れたリアルでのボカロ曲の流通手段として大きかったのはオムニバスCDの存在であったように思う。EXIT TUNE PRESENTSのヒット曲を集めたオムニバスアルバムは自分のボーカロイド入門の上で大きな役割を果たしてくれた。一方で、ボカロPのソロ名義で発売されるアルバムの中で最も良いものは自分にとってはこれだ。前2作で確立した、独自のギターロックとボーカロイドの融合というスタイルを更にポップに磨き上げた楽曲群。個人的にこのアルバムはボーカロイドのアルバムでありながら、ボーカロイド性が比較的排除されているように思う。フィジカル盤に同梱された「Fairytale,」イメージの漫画もそうだし、VOCALOIDのキャラクターが描かれていないジャケットもそうだ。「She」「しわ」「Flashback」「Notebook」といった曲からも親しみやすい人間味を感じる。ヒット曲「しわ」の他既発作から「かくれんぼ」「Flashback」も収録されており、入門の一枚としても楽しめるはず。


好き度:8/10



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