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熱気を感じたかった夏

今年もまた、甲子園が終わった。
高校生までは、甲子園が終わると1週間そこらで夏休みが終わっていたから、いつも夏の終わりを告げるものだと思っている。

趣味の話

私の趣味、といえばパッと浮かぶものが3つあって、サイクリング、折り紙、そして野球観戦、中でも高校野球観戦である。

残りの2つについては、機会があれば紹介したい。が、私と高校野球との出会いの中で、欠かせない一冊の本がある。

私は幼稚園の頃から中3まで公文に通っており、それが完全に自分の原点なのだが、当時送り迎えを親にしてもらう際に待合室というものがあって、そこで小3の頃にこの本に出会った。

内容はかなり古く、戦前の甲子園の話。今年でこそ、決勝初の延長タイブレークで決したが、対照的に当時は延長戦に関する規定がなく、結果延長25回まで、死闘を戦い抜いたことが描かれている。それ以降、延長17回で決着がつかなければ再試合というルールができ、その後15回、タイブレーク…という形で、ルールが変遷していった。

2006年の夏、「ハンカチ王子vsマー君」の決勝戦で、延長15回で決着がつかず、翌日の引き分け再試合で早稲田実業が競り勝ったのは、比較的知っている方も多いだろう。

最後のバッターは田中将大

よく甲子園をNHKで見ている方なら、試合試合間に「当時を振り返る」ようなコーナーがあるが、そこで延長25回を演じた明石中と中京商がたまに紹介されている。白黒だから、誰も気にしてないだろうけど。笑
そのドラマを描いた本だ。

完全にこの本の虜になった私は、待合室の本は持ち出し禁止だったが、小3の終わり、引越すことになり、その当時どうしてもこの本を手放したくなくて、駄々を捏ねて譲ってもらった。今では自分の宝物である。

当時神奈川県に住んでいた私が引っ越した先は奈良県で、甲子園まで乗り換えが(ほぼ)必要なかった。小学校の頃からよく友達と連れ立って見に行ったことを覚えている。

大学生になってから

大学に入り、北海道に来た。当然甲子園を見に行くことは減ったわけだが、昨年は帰省のタイミングを決勝に合わせ、小・中・高が同じだった後輩と2人で見に行った。今でも頭の中でこだまする慶應の大応援と、150kの三本柱を揃えた仙台育英との熱戦をこの目で見たことは本当に良い思い出だ。

チケット合戦に負け、外野席しか取れなかった…

あの熱気を感じて、清々しく夏を終えた昨年。
今年は院試など、手を抜けないイベントが重なって、ほとんどテレビで見ることもできず、比例するように高校野球に対する興味も、失っていた。振り返って思えば、趣味に費やす時間がなかった、というよりも、そもそも趣味を楽しめるだけの心の余裕がなかったのだろうなと思う。

それくらい、思い詰めなければならない経験ができたこと自体は良いが、同時に趣味を楽しめていない状態は心の健康としては良くないのだろう。
というわけで、これからは趣味に費やせるだけの心の余裕というものを大事にしたい。それに、決勝戦に関して言えば、見に行った時の素晴らしさは見に行かなかったことの後悔を超えられるが、その逆は成り立たなさそうである。だから、見に行ける限りはその努力に全力を捧げようと思った。

甲子園のテーマソングは、「君よ8月に熱くなれ」である。高校球児でない私も、これからの8月は熱く生きていきたい。

#甲子園 #君よ8月に熱くなれ

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