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個展「写生と水彩2023」振り返り 1 終了後雑感

怒涛の個展が終わった。夢のような1週間だった。

思えば2022年の11月に計画していた個展だったのだが、やんごとなき事情があって泣く泣くキャンセルしたのだ。当初は「描く、染める、紡ぐ、編む、織る、縫う」といったコンセプトで、テキスタイル系の作品展にしようと思っていたのだった。

前回の個展からだいぶ経っていたので作品自体はたくさんある。ただ、なんとなくテキスタイル作品への未練があったりして、直前までコンセプトを決めかねていた。私自身はずっと昔らいつだって布や繊維が好きなのだ。就職したり震災があったりして作れなかった時期もあったのだけど、コロナ禍の間、暇に任せて紡いだり、編んだり、縫ったりするような仕事に没頭していた。その流れでもう一度自分なりのテキスタイルの作品展をしてみたかったのだ。しかし、2022年に予約していたはずの会期が1年伸びてしまったせいで流れが変わった。

それまで着々と準備をしていたのだが、2023年はやんごとなき案件が3月まで片付かなかったほか、4月に父が倒れ入院をし、5月に実家を片付け、両親が転居し、転居先での生活を整え、落ち着いたのが6月。その後は経験したことのない猛暑で夏バテをしている間に秋が来てしまった。

そう、気がつけば作品展まで1ヶ月半となっていたのだ。

今年になり、COVID19は5類扱いとなり、いわゆる「おうち生活での制作の果実」として作品を出すための時期からは大きく外れてしまった感があった。

今出すならやはり水彩だ。
タイトルはどうしようか。何かかっこいい題がいいなと思ったけれど、大層なタイトルも浮かばない。シンプルに「写生と水彩」という題にしようと思い、最初に作品展のハガキを作ることにした。ハガキを作りさえすれば何かが動くだろう。

そう思って作ったのがトップに載せた山葡萄の絵だ。
去年の秋に雫石で描いた。
車の中にあった紙に急いで描いたのだが、紙が破れたりした。
上手くかけたかどうかは置いておいて、外で描くのがとても楽しい。
今の時代にあって、写生は真面目すぎてあまり見向きもされないけれど、私は自己表現よりも写生が好きなのだと思う。だから好きなものを出そうと思った。

ブドウというのはいつでも描きたくなる形をしている。見ていて飽きないし面白い。本当なら自宅で栽培したいくらいだ。


雫石の葡萄園
紙が破れている


・・・などということを考えながらハガキができて、方々に送った。さて、久々の作品展にはちゃんとお客さんが来てくれるんだろうか・・・などとネガディブなことを考えてしまいがちな一月前なのであった。


続く

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