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【官能小説】戦隊ピンク⑦のんびり屋さんなグリーン&イエロー
前の話→
登場人物:
ヒーローorヴィラン/人間/キャスト
クラフト・グリーン/森田大地/中村和也
アロマ・イエロー/風間柚香/日向真緒
テイスト・ピンク/桜庭ねね/ボブちゃん
ショッピングモール
戦いが終わったあとの街は、まるで何事もなかったかのように日常を取り戻していた。
「ふああっ」
人々が行き交う活気にあふれたショッピングモールの入り口で、ピンクこと桜庭ねねは思わずあくびをかみ殺した。
「……戦闘のあとに買い物って、めっちゃギャップあるよなあ」
「まあ、敵も片付いたし、いいんじゃない?」
そう言ってのんびりした声を出したのは、グリーンこと森田大地だった。
「うんうん、ハーブティーでも買おうかな~って思ってさ~」
隣で微笑むのは、イエローこと風間柚香。彼女はのんびりと歩きながら、ふんわりと漂う匂いを嗅いでいる。
「ほんで、気がついたらわたしまで巻き込まれてるんやなー?」
ねねは呆れ顔で言いながら、二人に並んで歩く。
「いやいやいや、ねねもついてきたいんでしょ?」
「うん、どうせならみんなでのんびりしようよ~」
「んー、まあ、そうやな」
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ねねは苦笑しながら、二人のペースに合わせて歩き始めた。
買い物中の三人
ショッピングモールでは、人々の賑やかな話し声、遠くから流れるBGMが混ざり合い、活気に満ちていた。立ち並ぶセレクトショップのウィンドウには季節の新作がずらりと並び、カフェの甘い香りやフードコートから漂うスパイスの香りが鼻をくすぐる。天井から降り注ぐ柔らかな光が、ガラス張りの吹き抜けを通して床にゆらめく模様を描いていた。
中央の広場にはイベントスペースが設けられ、子どもたちがヒーローショーに夢中になっている。なんと、戦隊ショー。舞台上でポーズを決めるヒーローたちを、キラキラした目で見上げながら、小さな拳を握りしめて応援していた。
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「あはは、戦隊や!かわいー!」
「俺たちの正体知ったらみんな驚くだろうな~」
「だめやで~。私らの正体は不明なんやからな」
「もちろんですぜ~」
そんな賑やかな空間の中、ねね、柚香、大地の三人はのんびりと歩きながら、店先に並ぶアイテムを次々と覗き込んでいた。
「ん~、このクッキー、めっちゃいい匂いする!」
ふわっと漂ってくるバターの香ばしい香りがにつられて、柚香はさっそくお菓子コーナーへ歩いていく。
「うわ、柚香また匂いで買い物決めてる……」
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さすが、嗅覚を担当する戦士。プライベートまで嗅覚で生きているとは。
「だって、嗅いでみて! ほら!」
ねねの鼻先に突き出されるクッキーの袋。いつの間に。
確かに甘い香ばしさが漂ってくる。
「……まあ、美味しそうやけどな」
味覚担当としては、おいしそうなものは見逃せない。
「でしょ? ついでに買っとこ~っと♪」
一方、その隣で大地は雑貨コーナーで何やら手触りを確かめている。
「お、これいいな……」
「何してんの?」
「いや、このクッション、もふもふ度が最高だな~と思って」
「……お前、触るだけで判断するんか」
「そりゃあ、手触り大事でしょ?」
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大地はクッションをむぎゅっと抱きしめて離さない。
しばらく離れられなくなっていた。
、、、そう。彼は触覚の戦士である。
「大地、もう変態みたいやで、それ」
「まあまあ、いいじゃん」
柚香と大地は、のんびりした調子で買い物を続ける。
ねねは二人にツッコミを入れつつも、結局付き合ってしまうのだった。
買い物ついでの戦闘!?
「おい、そこまでだ!」
モールの広場に出た瞬間、突如現れたのは奇妙な怪人。
素早く動き回る獣のような姿をした敵が、彼らの前に立ちふさがった。
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「ええっ、せっかくのんびりしとるのに……」
ねねが眉をひそめると、大地は気だるそうに腕を回し、柚香は軽く首を傾げる。
「まあ、ちゃちゃっと片付けますか」
「やるしかないね~」
「ったく、しゃーないなあ!」
三人は歩みを止め、拳を握ると――
「変身!」
鮮やかな光が弾け、彼らは戦闘態勢に入る。
ピンク、イエロー、グリーン、、、セブンセンシズの三人がそこに立っていた。
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「んー、じゃあ、行くよ~」
イエローは怪人の動きを予測するようにゆったりと動きながら、くるりと身を翻す。
その瞬間、怪人たちが突っ込んできた――と思ったら、自分から転倒。
しかし、その空間で怪人同士がぶつかって自らの衝撃で昏倒してしまう。
「なにそれ!?」
「んー、なんとなく?」
イエローは無邪気に笑う。
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一方、グリーンは軽く構えを取ると、突進してきた怪人を意に介せず受け止め、そのままゆっくりと拳を振り上げ――
「ほいっと」
ドゴォォォン!!!
怪人は一撃で吹き飛ばされ、壁にめり込んだ。
「いや、ワンパンやん!」
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ピンクがツッコむ間もなく、戦闘はあっさりと終了していた。
ピンクは戦う暇すらなかったことに肩を落とす。
帰り道の事件
「思ったより早く終わったね~」
「なあ、俺らって強すぎない?」
「まあ、それも個性だし」
買い物を終えて帰路につく三人。
そんなとき、道の脇から「きゃんきゃん!」という鳴き声が聞こえてきた。
小さな子犬が元気よく駆け寄ってきて――
なぜかねねの足元に突進した。
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「ちょっ!? なんやねん!?」
慌ててよろけたねねの足に、子犬はじゃれつく。
ぴょんぴょん跳ね回り、ねねのスカートに潜り込んで――
ぺろっ
「―――――!!???」
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ねねの顔が一瞬で真っ赤になった。
「ま、待て待て待て待て!!おいコラァ!!!」
しゃがんだまま位置を変えて逃げようとするが、その瞬間、角度が――
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通行人の男性たちがざわつく。
「…あっ」
「おお…」
柚香はのんびりした声で言った。
「ねね、すごいことになってるね」
大地も腕を組みながら感慨深げに頷く。
「なるほど、ピンクの下は……白」
「それ以上言うなやあああああ!!!」
子犬は楽しそうにきゃんきゃんいいながら、ねねのスカートの中でぺろぺろしている。
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そのたびに、ねねの絶叫が響き渡った。
「待て待て待て! おい! お前! こらっ! ……どこ行くねーん!!!」
一通り遊び尽くしたら満足したのか、子犬はひょいっと跳ねたあと、どこかへ駆け去っていった。
ねねはぐったりとその場に座り込む。
「……なんやねん、今日……」
その横で、大地はのんびりと犬が消えた方を眺め、柚香はまだ空気に残る匂いを嗅いでいた。
「……あのわんちゃん、なかなかいい匂いしてたね。あと、ねねからの匂いについては言わないでおくね。」
「ちょっ!言わんでいい!てかなんもないからっ!ほんまにそればっかりやな!!」
ねねのツッコミとともに、今日ものんびりした一日が終わっていくのだった。
次の話→
まだ日常回あるよね??(ねねの願い)
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作者あとがき
久々の戦隊ピンクシリーズです!忘れてたわけじゃありませんよ?笑
それと、賢明な読者の皆さんなら、いぬが何者なのかわかりますよね?
しかし、前回との落差がものすごいですな笑 こうして、日常がほのぼのすればするほど、いつか来る「その回」が盛り上がるというわけで、、、壮大な焦らしプレイですね。作者の私にも笑
次回も日常回、、、だといいですね笑