
109の性癖26-色白
私は松岡舐一、変態である。
変態とは、偏った性癖を持つ者のことであるが、今日はその中でも『色白』への偏愛について語りたい。色白という特性がもたらす美しさと、そこに込められた女の子たちの努力を、改めて紳士的に考察してみる。
これは、私の109の性癖の一つのお話。
性癖とは、目に見えるものだけがすべてではない。今日はそんな話をしてみようか。
———
さて、26番目の性癖は「色白」。
これまた、賛同者が多そうな性癖である。かねてから、肌の白さというものは、魅力的な女性の象徴とされてきた。
抜けるように白い肌、白くて滑らかな磁器のような、雪のような、、、その白さは様々な表現によって言語化され、また化粧というものも白さを引き立てる、もしくは白くなることによって、白への美学を追求してきたといえよう。白という色がもつ、清楚さ、透明感、儚さを、女性の肌が持つことのエロスというものが確かにそこにはあるのだ。
加えて、白いというたけで、肌の質感まで脳内で再現されるから興味深い。
頭の中で、「色白」と想像してみてほしい。
その肌は、すべすべで、滑らかで、磁器のような質感であると頭が想像したのではなかろうか?決して、ざらざらな残念な質感ではないはずである。このように、言葉だけで感覚を引き出してしまう、それが「色白」という言葉の持つ魅力であり、そしてその感覚を普遍的なものとしてきた女の子たちの努力を感じずにはいられない。
性癖は人それぞれだが、色白の美しさに魅せられた瞬間、私の目にはその特別な白さがただの特徴ではなく、努力の結晶に見えて仕方がないのだ。
女の子たちの目に見えない努力。
それがあって初めて、我々オトコを喜ばす白い肌があるのである。そこまで想像を豊かにしてこそ、変態紳士たりえるのだと私は考える。
そう。色白というものは、決して自然に生みだされるものではなく、彼女たちのたゆまぬ努力の結晶であり、それを我々はおいしくいただいているのである。まず、そこに感謝することから始めようではないか。
色白であるために、彼女たちがしている努力、これを私が知る限りにおいて列挙してみよう。
色白を保つために、日焼け止めや長袖、日傘は欠かせない。暑い中でも肌を紫外線から守る彼女たちの努力には、ただ感謝の一言しかない。たまに肩や背中がこんがり焼けた姿を見ても、健康的な魅力として愛でる余裕を持ちたいものだ。
「日焼けしちゃった、、、」
「いや、日焼けした部分がむしろめっちゃかわいいって」
こんな感じにである。
なお、社交辞令ではなく、日焼け対策をバッチリしている子が日焼けしちゃったなんてかわいすぎるではないか!
お肌のケアへのこだわりも見逃してはならない。
美白クリームを塗り、保湿し、そのお肌を白く瑞々しく保つためのたゆまない努力。つるつるすべすべになーれと思いながらケアしているのだろう。それは誰のためなのだろう?と考えると、我々に触ってもらうため、舐めてもらうためと解釈することもでき、何か下腹部がもぞもぞしてはこないだろうか。
「お肌めっちゃきれいだね」
「頑張ってるんだよ~、美白とか保湿とかしてる!」
とにかくほめる!それが、官能小説で培った、私の観察力&描写力!とはいっても、キモイ言い回しはしないが。
「ふーん、それは誰のため?」
「XX(私のことだ)のためだよ~」
「ありがとう。XXに何してもらうため?」
こういうところを追撃してしまうのを止められないのが、私の変態紳士たるゆえんであるわけで。
「えっと、触ってもらうためかな?」
「あとは?」
「、、、舐めてもらうため えっち。」
という予定調和的なやり取りも、またよいのである。
女の子に感謝すると同時に、その努力が自分に向けられたものだと思うと(思いたい)、その肌の美しさがより訴えかけてくるものとなるのだ。
白い肌の愉しみ方・視覚編についても考察していきたい。
明るい光の下で、解像度を上げた状態でそのきめ細やかさを楽しむのもいいかもしれない。しかし、私が推すのはあえて暗くすることである。そうすることで、彼女たちの白い肌がぼうっと浮かびあがるのである。おそらくは、光量が絞られることで、私の目の集中力がまし、より感度を上げて彼女の美しい姿を目に焼き付けんとしているのであろう。
一度やってみたことがあるが、完全に真っ暗闇にすると、今度はほとんど見えなくなり、うっすらと白い肌が浮き上がって見えるような気がする感じになる。彼女の白さはわかるのだ。そして、感覚を頼りにその肌に触れていく。そうすると、頭の中で彼女のイメージが結像するのか、白い肌が見えるのである。もはや、こうなってくると、見ているのか、幻視て(みて)いるのかわからない。でも白いのだ。
もっと、もっとだ。
私は自分の毛穴をすべて解放して、己の感性を極限まで研ぎ澄まし、彼女の持っている白さを美しく昇華させたい。
そうだな。美しいものには、引き立て役が必要である。それも、普通ならば、それ自身が美しいものとして崇拝されるような幻想的なものがいい。強力な相手がいてこそ、彼女の白さがより際立つというものだ。
それは、月だ。
夜空に浮かぶ銀色の月。冷たく静寂をまとったその輝きは、それだけで月を見上げる人々の心を奪う。それほどまでの神秘的な、そして、柔らかい輝き。しかし今、私の目の前にいる彼女の白さは、その月の輝きを受けて、月よりも遥かに眩い。月は彼女を引き立てるために夜空に浮かんでいるのではないか――そんな錯覚すら覚える。
彼女はその白い腕を上げ、黒い滑らかな髪が宙を舞う。
冷たさではなく、優しさを帯びた月明かりは、彼女の白い腕、脚、純白のスリップ、そして心地よさそうな顔を彩り、白い肌を引き立てる。
本来であれば、夜空の主役であるはずの月。月は今、自らよりも美しい存在に向けて、その柔らかい光を惜しげもなく降り注いでいる。今宵はあなたが主役ですよと。月光のシャワーを浴び、白いゆびで気持ちよさそうに髪を洗う彼女は、もはや女神なのではないか。

「月が負けてらぁ、、、」
思わず口に出してしまったその言葉に、彼女が小さく微笑む。その笑顔は、この夜の主役の顔であった。