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E検定対策(1) - AI・機械学習の基礎
2022年2月にあるE検定に備え学習を始めてみました。
学習には株式会社VOST・AI研究所のJDLA公認の学習プログラムを用いています。文章による予習・復習の他、実際にPython, Scikit, Tensorflow等を用いたAIを作成し紹介していこうと思います。
AIの定義
AIとは、人工的にコンピューター上などで人間と同様の知能を実現したものの総称である。ロボットに組み込まれたAIや売り上げ・株価の予測、不審者発見やリコメンデーションシステムなど広範にわたる能力を持つプログラムにAIが応用されている。
強いAI(汎用人工知能、AGI)
ヒトとほぼ同じ仕事をこなせる、幅広い知識と自我意識をもつAI。ドラえもんや鉄腕アトムなど、AIと聞いてイメージされるのは多くがこれ。
現行の技術ではまだ強いAIを実現するには至っていない。
弱いAI(特化型人工知能)
幅広い知識・自我意識のような全認知能力を必要としない問題解決・推論を行うソフトウェア。AlphaGO、画像認識AI、自然言語処理AIもこれに該当する。一部の能力に関しては、既に人間の脳の処理能力を大きく上回っている弱いAIも存在する。
人工知能の処理能力のレベル
レベル1:制御プログラム
人間があらかじめ定めた条件に基づき機械が動作する。エアコンや冷蔵庫など。
レベル2:制御プログラムの対応パターンをより複雑化
ゲームや掃除ロボットなどが該当する。
レベル3:対応パターンを自動的に学習するプログラム
データからルールを学習してより適切な判断をする。回帰分析のような数値予測や、分類問題を解くAI等。
レベル4:特徴量を自力で獲得するプログラム
パターン・ルール双方を自力で獲得する。画像認識、強化学習など。
人工知能が得意・不得意とするタスク
AIが特に不得意としているのが雑談や論理的な対話、自由な対話など複雑で曖昧な能力が必要とされるタスク。逆に囲碁のようなゲームや顔認識、画像・音声認識に関してはヒトを凌駕し始めている。
人工知能をめぐる歴史と動向
1947年:アラン・チューリングがヒトと同じタスクができる機械・AIの概念を提唱。1950年にはチューリングテストの方法の考案、1956年にはダートマス会議にて人工知能という言葉が初めて使用された。
第1次AIブーム
第1次AIブーム(1950-1960)時に推論と探索による人工知能が台頭。
1958年には機械学習アルゴリズムの基礎となる「パーセプトロン」のプログラムが考案された。当時のAIで解ける問題はトイプロブレムと呼ばれるチェスの手・迷路の探索といった機械的な物に限られていた。
パーセプトロンで解ける問題の限界、およびフレーム問題が指摘されたことでAI研究は冬の時代を迎える。
第2次AIブーム
第2次AIブーム(1980-1990)時にエキスパートシステムが台頭。
専門家の知識をAIに移植し、知識ベースと推論エンジンを用いて様々な問題に対処することを目指していた。知識の定式化は難しく、複雑な問題が解けるようにはならなかった。実用化されたものには抗生物質の処方、有機化合物の判定を行うAIが存在した。
また、1985年にニューラルネットのバックプロパゲーションが考案され人工知能の能力を飛躍的に向上するための理論が整った。
第3次AIブーム
第3次AIブーム(2010-)時にニューラルネットワークを用いた機械学習が台頭。特に深層学習・ディープラーニング(DL, Deep Learning)と呼ばれる多層から成るニューラルネットワークを用いて予測・学習を行う手法が脚光を浴びている。2012年のILSVRC(画像認識コンペティション)にてジェフリー・ヒントン率いるチームが用いたディープラーニングを応用したソフト(AlexNet)が圧倒的な精度を記録したことから注目を浴びるようになった。
また、2015年にILSVRCのディープラーニングソフト・MSRAの正解率が96%を超え、ヒトの画像認識能力(95%)を凌駕し始めた。
シンギュラリティ
コンピューターの情報処理能力が指数関数的に上昇しているのに対し、ヒトの能力は直線的にしか発展していない。機械の情報処理能力は近年ヒトの処理能力を超え、その十数年でヒトをはるかに凌駕する「超知性」を生み出すとされている。
レイ=カーツワイル(Ray Kurtzweil)が提唱している「将来人工知能が人間の知能を超え技術革新の役割を果たすようになり、文明の主役にとって代わる」と予測される現象をシンギュラリティ(技術的特異点、Singularity)と呼ぶ。("The Singularity is Near")レイはシンギュラリティは2045年ごろに起こると予測している。シンギュラリティが本当に発生するのか、またそれによって人類文明がどう変化するのかは有識者の間でも様々な意見があり、イーロン=マスク、故スティーブン=ホーキングのようにシンギュラリティの到来に危機感を抱いている識者もいる。