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Thanksgiving(感謝祭) ~日本と違う、本来の意味

 さて、11月。ここ最近、飲食店や服飾店などでやたらと「感謝祭」という言葉を見かけるようになった。気づいたのは今年だ。昨年も一昨年もコロナであまり出歩いていなかったし、その前はアメリカ東部に7年間住んでいたので知らない。

Thanksgivingの由来

 感謝祭(Thanksgiving )はアメリカ人にとってクリスマスと同じくらい大切な祝日のように感じた。その歴史もアメリカのESL(English for Second Language 。英会話クラス)で毎年さんざん教わっていたので、日本でセール目的のために乱発する光景は正直言って好ましくない。意味も、店から客に感謝のようにすり替わってしまっていて、それならばアメリカの感謝祭と違う時期に開催してほしいと思う。


 Thanksgiving は11月の第4木曜日だ。ヨーロッパから新しい世界を求めて人々がアメリカに渡ったが、初冬だったため寒さ、飢餓、病気で何人も亡くなってしまった。この時原住民は七面鳥を分けてくれて助けてくれたのだ。春になり、原住民の人々が魚の釣り場を教えてくれ、家を建てたり穀物を育てるのを手伝ってくれた。そのため次の冬までに十分な穀物を蓄え、寒さを凌ぐ家を建てることができた。人々は神が原住民を遣わせてくれたと感謝し、また彼らへの感謝を込めて感謝祭を祝うようになった。


ESLで習った資料。毎年習うので違う資料が何枚もある。


 Thanksgiving の日は店やモールも休業。スーパーも夕方頃には閉まる(店によるとは思うが)。そして家庭では七面鳥をオーブンで丸焼きにして食べて感謝する。

 移民当時のつらい環境を想像するとアメリカにとってThanksgiving はとても尊く神聖で大切な日だと思えるし、だからこそ安易に日本で手出しをして欲しくないと思っていた。


幼稚園にて子ども達が七面鳥に扮して一斉に走り出てきたのには可愛らしさで笑った。


当日の過ごし方


 さて、Thanksgiving の日。ニューヨークマンハッタンでは朝の9時頃からMacy’s(メイシーズ)のパレードが始まる。かなり混み合うが巨大なバルーンなので遠くからでも見やすい。ただ、寒い。毎年この日頃から雪が降り出す印象だ。昼頃には終わるので帰宅して夜に備えて七面鳥を焼く。七面鳥は大きすぎるので我が家はいつも鴨を焼いていた。私は優しいアメリカ人にはいつも助けられ感謝していたので、そんなアメリカ人が感謝する対象には私も感謝したかった。


パレードの経路


バルーンは巨大なので遠くからでも見やすい


スーパーには焼かれる前の七面鳥が大量に並び、横には鶏や鴨も売られている。



 ミシガン在住時にもデトロイトでパレードがあったのだが、ニューヨークより寒い上、車がないと行けず、停める場所探しも大変そうだったので行かなかった。


Thanksgiving の2週間前、
ミシガンで偶然見かけた野生の七面鳥!


 ミシガンからニュージャージーに戻ってきた時は、マンハッタンへThanksgiving 前夜の停まっているバルーンを見に行った。パレードは見たことがあるので、前夜というのも貴重で面白いと思った。だが思った以上に混んでいて、1時間ほど並んでからようやくバルーンエリアに入ることができた。


前夜祭
Enter hereの場所から1時間は並ぶ覚悟で。


ネットに包まれたバルーン。ピカチュウは勿論、
ドラゴンボールも現地で放送されていて人気だ。

 Thanksgiving が終わると翌日金曜日はブラックフライデー。この日だけの大セール。企業の大きな黒字が見込まれるためブラックと名付けられている。その後もしばらくはセールは続くが、目玉商品は店のオープンと同時に売り切れてしまう。なので寒さ厳しいのに家電店などには既に人が並んでいる。雪も散らつく中、一晩を過ごすのか。私は欲しいものもなく、そこまでする根性もなかったので、月曜日のサイバーマンデーにオンラインでセール品を見るだけだった。サイバーマンデーはオンラインの品が安くなる日だ。


 そしてこの日以降、街には本物のクリスマスツリーが売り出され始め、高揚したお休み気分のままホリデーシーズンに向かうのだ。

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