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必死で走れメロス。

※今回は酷暑に耐えかねたひねくれ者の筆者が本能の赴くままにキーボードを叩いたため、若干斜に構えた内容となっています。決して24時間テレビを始めとしたチャリティー活動・運動や障がいを持って生活されている方々を貶めたりする意図は一切ございませんのでその旨ご了承ください。

 甲子園での高校野球とともにもはや夏の風物詩と言っても過言ではない24時間テレビ「愛は地球を救う」。コロナ禍の中、開催が危ぶまれていたマラソン企画はシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんが務めることになった。
 ここにきて本職の、しかもレジェンド持ってきた。日テレさんサイドの今年に賭ける本気さが伝わってくる。
「さすが日テレ!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!」
 まぁ、高橋さんなら100キロくらい4~5時間で走り抜けて、(いい意味で)空気読まずに日付が変わる前に日本武道館に戻ってきちゃって「もう100キロ走ってきま~す♪」みたいな展開になるんじゃなかろうか、と思いつつその辺を少し調べてみた。
 今回のマラソン企画は3密等を懸念して、高橋さんが私有地内のコース(1周5キロ)をグルグル走って一周につき10万円募金される(誰が10万出すのか知りませんが)というシステムらしい……という事はだ、いい意味で空気を読まない高橋さんの激走で¥¥¥ジャックポット状態~$$$ってな感じになって去年の募金額を高橋さん一人であっさり更新、スタジオ・日テレ上層部・お茶の間、みんな苦笑い……みたいなことになったら面白いな~などと妄想してみる。「こうなったら面白いな~」と妄想するのはある種の職業病なんだろうとは思うが、とりあえず計算してみよう。

 2019年の24時間テレビの総募金額が15億円ちょいとの事なので単純計算24時間の放送中にコースを1周10万円×15000周くらいすれば高橋さん一人でペイできる計算。一周5キロとのことなので、5×15000で75000キロを24時間で走らないと15億は達成できないということになる。24時間で地球2周近くか……高橋さんなら、いやいやムリでしょ。
 ちなみに高橋さんのシドニー五輪女子マラソンの記録は2時間23分14秒とのことなので、2:23:14=8592秒、24時間(86400秒)テレビの放映中に単純計算フルマラソン10回分走れる計算になる。フルマラソン10回分で421.95キロ、端数を切り捨てて420キロとすれば5キロのコースを84周できることになる。ということは高橋さんだけでは840万が限界ということになる……う~ん。

 それなら逆に1周10万円のレートを変更してみればいいじゃないか。1周100万円なら8400万、1周1000万円なら8億4000万、休憩等考慮に入れてない雑な計算だが一周1800万円弱で15億円達成となる。一周1800万かぁ……前澤社長、どうですかねぇ? 募金や寄付って税制優遇してもらえるみたいだし。
 っていうかそもそも高橋さんは延々走らされた挙げ句に(建前であったとしても)募金でギャラまで持って行かれるシステムなのだろうか? ハイリスクかどうかはともかくローリターン過ぎる、踏んだり蹴ったりだ。とにもかくにも執筆時点では放送されていないのでなんとも言い様がないが「そんな金あるなら丸ごと募金せーよ」とは思うが言うだけ無粋でそんなことは大昔から言われているのだ。何を今更。
 
 テレビという公共の電波を使う以上、今までの募金額や寄付金の使途、そして全体の収支なんかは大々的に公表して欲しいかなと思う処だ(公表はしているみたいだが)。自分の場合は(チャリティーではなく)24時間テレビに興味が無かったのでほとんど何も知らず、ちょろっとだけ調べてみようと思い日テレの24時間テレビのHPを覗いてみた。

24時間テレビチャリティー委員会とは
全国からお預かりした寄付金の管理及び適切な執行を目的として番組を放送する全国31社の放送事業者によって組織されています。
全国各地のチャリティーキャンペーンは各放送事業者がそれぞれの放送エリアで独立して実施しています。
2013年12月1日、24時間テレビチャリティー委員会が「公益社団法人」へと移行したことに伴い、寄付者の皆様が税制上の優遇措置を受けられるようになりました。寄付金の使われ方等、詳しくはチャリティー委員会のホームページをご覧下さい。
https://www.ntv.co.jp/24h/charity/

……ですって。
 募金の振込先って『24時間TV(委員会)』なんですね……赤十字なりユニセフなり福祉団体なり、視聴者がそれぞれ募金したいと思うような募金先をTVで紹介すればいいだけなのでは? なんて思ってたけど、既に番組自体が公益社団法人化済みとは恐れ入った。これじゃ24時間テレビにもの申すヤツはすべからく反社会的人間扱いできるし、収支の透明化にも繋がって外野から痛くもない腹を探られなくて済むし、イメージアップできそうだし一石三鳥ですわ(ゲス顔)。あれ? これって日テレ(もしくはその関連企業)がこの公益社団法人に募金したら税制優ぐ……イヤなんでもないです。
 そんな汚れた心を持っている筆者なのでたぶん今年も24時間テレビは見ないんだろうな、と思う……っていうか絶っっ対にマラソンの途中、要所要所でhitomiの『LOVE2000』が流れるの判ってるし、なんなら高橋さんがサングラス投げ捨てる演出も絶対入れるもん(番組冒頭パロディレベルで入れるくらいだとは思うけれども)。

 筆者が24時間テレビを基本的に見ない理由として、頑張ってる障がい者の方々が出てきて頑張ってる姿を見せるから、というのがある。
 頑張ってる障がい者の方がいるのなら同時に頑張っていない障がい者の方だっているはずだ。健常者も障がい者も同じ人間だ、みんな喜怒哀楽もあるしエロい事も考える。なんならガチャに廃課金してる人だっているだろう。スゴい人、ダメな人、普通な人、いろんな人がいるから社会が成り立っているのだ。頑張っていない、もしくは頑張れない時なんて誰にでもある。塞ぎ込んで時期的に頑張るのがしんどい人もいるだろう。それなのに24時間テレビに出てくるような障がい者の方はスポーツだったり他人に誇れる何らかのスキルを獲得してキラキラしたいわば『勝ち組の障がい者』ばかりに見えるのだ。そこに新たなカースト構造が生まれそうなヤバさがそこはかとなく匂ってくるから興味がわかなくて見ないんだと思う(もちろん障がい者を殊更イメージダウンさせる必要も無いけど)。
 テレビで流す以上、何の取り柄もない普通の障がい者の一日をクローズアップしても面白味も何もないかもしれないが、身近に障がい者のいない筆者としてはそっちの方が素のリアルが垣間見えそうでドキュメンタリー的な意味で興味深くはある。
 実は筆者の亡き父親は生前福祉関係の仕事をしていたため、普通(といえばいいのか?)の人よりは障がいを持っている方の姿を見たり触れあったりする機会が自分は多かったような気もするが、それでもやはり障がい者のリアルってこんな感じでしたよ、なんてものは判らないし実際どうなのかっていうのは筆者自身も興味があるところだ。

 ちょっと道を逸れるが、技術の進歩と共に身体的なハンディが無くなる日が来ると思うし、何なら健常者を超える超人的な能力を得る様な日が来る日も遠くないと思う。『攻殻機動隊』の世界ではないが、科学の粋を集めた義手や義足で100mを4~5秒で走れたり、500キロのバーベルを持ち上げたり、走り高跳びで6mとか跳んだり、もはや何を以て『障がい』なのか? その定義が根底から覆る日に健常者は何を思うのだろうか? 不謹慎な筆者にはそれが気になってしょうがない。
 オリンピックよりもハイレベルな記録が出るパラリンピックにはどんなレギュレーション(という名のハンディ)が課せられるのだろうか。それならむしろ純粋に記録のみを追求する大会があってもいいのかもしれない。
 表現の仕方が難しいが、生身の人間では越えられない壁のその先を見たくてわざと障がいを負うアスリートがこの先出てこないと誰が言い切れるだろうか?
 障がいが障がいじゃなくなった瞬間、人間の価値感が逆転してしまうのかもしれない。その時人類は新たなステージにたどり着くのかもしれない。

 冒頭で触れた今年の24時間テレビのマラソンの話に戻るが、高橋さんが75000キロを24時間で走り抜けると募金額は15億円になる。その時のスピードは時速3125キロ、もはや残像すら残らないレベルだ。それならウサインボルトのスピード(時速約40キロ、15億円ペースの約1/80)で24時間走り続けられる義足と心肺能力を持った人ならどうだろう? 計算したら1800万円くらい募金できるみたいだ。そしたら1周約800万円のレートで15億円達成。前澤社長やってくんねぇかなぁ……いや待てよ、前提条件の15億が1億5000万なら1周80万のレートになる。これなら十分前澤レートじゃなかろうか? 人類の叡智(と前澤社長)に乾杯したくなる夢のある話だ。

 それでは高橋さんの完走、快走を祈念しつつ、今日はこの辺で。


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