漢字の成り立ちから学ぶ。白川静式漢字学習法
福井県の全公立小学校で実践されている白川静式の漢字学習
白川静という漢字学者は、漢字学ではかなり有名で第一人者として君臨しています。彼は深い研究によって独自の成り立ちの説を展開しており、福井県ではこの白川式を取り入れて かなり漢字教育に成功しているそうです。
漢字の成り立ちは、一般的な漢字辞典にも載っていますが、白川静の漢字の成り立ちの理論は少し異なる面があります。
例えば「口(くち)」。一般的な成り立ちは「顔の口の造形から生まれている」とされていますが、白川式では、これをサイ、つまり、「神に捧げる祝詞(人が神に願いごとをするために書いた文)を収める箱」として解釈しています。この発見により、疑問が持たれていた多くの漢字の成り立ちや新しい文字の系列が明らかになりました。
サイと読む
「白川静博士の漢字の世界へ」から
重要な祀りの器として「サイ」が使われたことの発見、漢字学上の偉大な発見と考えられるのです。例えば、口を含む漢字の古・可・史・召・右・各・吉・向・名・君・吾・告・呈・言・舎・命・和・害・啓・問・善などの漢字の「口」は「くち」と解釈するより、祈りの器としての「サイ」と解釈するほうが無理がないのです。
たとえば、「古」の漢字の成り立ちは、このような説明になっています。(「白川静博士の漢字の世界へ」より)
「白川静博士の漢字の世界へ」は、福井県教育委員会から出ており、小学校1年生から6年生用の漢字と分けられて載っていますので、小学校のどの学年のお子さんでも、すぐに使い始められます。
また、それ以外にも幾つか本が出ていますので、紹介します。
より辞典ぽいので 大人からもかなり評価も高いのがこの「常用字解」
読み物としては、これが面白かったです。
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