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現代の倫理と論理

 私はこれまでの人生を通して多様な価値観があることを知ったように思える。私自身にとっては、生まれも育ちも違う個人には各々にいろんな考え方を持っているものだからそれら他者の人格や考えを尊重して生きていこうということは昔から一般論として言われ続けたことであろうとは思うが、それらをより的確に理解し、自分の本質的なこととして実感できるようになったことは40歳を超えてしまった、ごくごく最近のことであるし、いろいろと多様な価値観をその本質として理解まではいかなくても認めてあげることで人の気持ちがどことなくわかって、この場合はこのように接したら良いのだろうという筋道がわかるようになってきたと思えるようになったこともごく最近のことなのだ。このたび、私は精神科病院へと入院したが、入院していて感じることは確かに、精神科病院での患者さんの日々は壮絶なものがあり、各々にいろいろな精神的な症状と戦っている患者さんを見てきたが、誰一人私たちはかわいそうな人なのではなく、私たちは今、生きている1つの確立した人格を持っていて常に尊重されることや愛されることといったことの範疇から離れていないということを私は学んだと思えるのである。
 個人として、尊重されることや愛されること、多様性を認められることはいくらかに渡り倫理的側面を有するように思える。現代的な倫理学としての「問い」を「論理」的に突き詰めていくことやそれを自分自身のこととして還元することで私たちの現代における倫理的課題へのアプローチが見えてくるのであると思われる。

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