【陽だまり日記】しあわせの土曜日
朝、カーテンを開けた時。
ほんのり、はちみつ色をまとう日の光が私を包んだ。
雲一つない空は、ふと体が軽くなるような色をしていた。
あんまりにも綺麗だったから、ミルクをたっぷり淹れたカフェオレを片手に窓辺に座って暫く眺める。
風が吹くたびに落ち葉が、からから、からから、転がる音がする。
なんだか、とても満ち足りた時間に思えた。
洗濯を干し終えたころ、散歩を兼ねた買い出しを目的にスニーカーを履いて外に出る。
澄んだ空気と、とろりとした陽光。
朝の頃合いとは違う、昼間なのに何処か夕方にも似た空の下を歩いてゆく。
風が吹くと少し冷えるけれど、まちが、いつもより優しい気がした。
わざと遠回りして、普段通らない道を選ぶ。
久しぶりに横切った公園には、いつのまにか芝生が一面に張られていた。
レジャーシートの上でくつろぐ人や、降り注ぐ赤や黄の葉を追いかける小さな子、散歩中のゴールデンレトリーバーは機嫌よさげに尻尾を振っている。
誰かが集めた綺麗な小石が、隅に置かれていた。
ひときわ強く風が吹く。
ざああっと一斉に木々が揺れて、その向こうにまた空が見える。
世界は美しいと思った。
私は幸福だと思った。