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2回目 的中率と回収率について知る
「競馬で勝つ」ということを、たまには真面目に考えてみます。
全100回くらい続くかも知れませんし、次は飽きてしまって飼い猫の話をするかも知れません。
そうならないように努力します。
ある方が note に書いておられたのですが、競馬の行き着く先は確率論だとのことです。
これはもう疑いようのない事実です。
人間の叡智をもってして、いかに確率と向き合うかというのが競馬であり、これこそがギャンブルの醍醐味だと言えます。
つまり、競馬で勝つためには確率や数字について正しく理解する必要があるわけです。
そこで今回は「的中率と回収率」について考えてみます。
「的中率なのか回収率なのか」論争
よく議論されるのが「的中率を重視するか、回収率を重視するか」という問題です。
本命党=「的中率」派、穴党=「回収率」派というイメージがあるかも知れません。
ごく短い期間で考えるならば、金額(回収率)が重要であることは明らかです。
だって、先週の日曜日にいくら儲けたという数字(おさつの枚数と言ってもよいと思います)が「今週はどこで飲もう」ということを決めるのであって、いくつレースを当てたから「誰ちゃんを指名しよう」ということにはならないはずです。
逆に、長期的に馬券の収支を見るならば、的中率の重要性が高まります。
なぜなら長期間に渡って資金を運用する場合、的中率が低いとショートする可能性が高まるからです。
100レースに1回、万馬券を当てられるとしても、当たる前に資金がなくなってしまうというリスクが付いてまわります。
それで結局のところ、この問題には答えが見つからず「的中率と回収率のバランスが大事だね」という結論にたどり着くのです。
しかしながら、程よいバランスがどれくらいなのかということを知る術はありません。
予想会社あるある
ネットで競馬の記事を読んでいると、予想会社の広告が表示されることがあります。
それによると「当社は関係者からすごい情報を仕入れ、的中率90%、回収率500%を達成しました。先週もおめでとうございました」と勝手に祝福されたりもします。
そこで思うのは、こんなに素晴らしい情報を他人に教える必要があるのか、という素朴な疑問です。
「予想会社あるある」な、この疑問には次の答えが考えられると思います。
1、ものすごくお人好しである
全競馬ファンがお金持ちになれるよう願ってやまないというケースです。
しかし、全員が同じ馬券を買うと著しくオッズが下がり成立しなくなります。
情報を発信すればするほど、この壮大な人類愛からは遠ざかるでしょう。
2、資金の運用方法を知らない
的中率90%とは、どう転んでも競馬で負けようはずがありません。
それにも関わらず自社で馬券を買うより情報料を得たほうが儲かるというのですから、効率的な運用方法をまったくご存知ないということになります。
子供でも株を買える時代に、です。
FPさんなんかに相談してみたほうが良さそうです。
3、真実ではない
まぁ、そうですよね、というところに落ち着きます。
他の答えがあれば教えていただきたいです。
的中率や回収率をアテにしないという結論
話が逸れたので元に戻しますが、ボクはこの「的中率なのか回収率なのか」論争、あるいは「的中率も回収率も」という謳い文句には、それ自体、あまり意味はないと考えています。
なぜなら、的中率も回収率も正しい数字を出すことはできないからです。
確かに1日12レースの馬券を買い、そのうち3レースを当てれば的中率は25%です。
はたまた朝、府中本町の改札を通ったときに財布に入っていた10万円が、帰りのオケラ街道ではすっかりなくなっていたとしたら回収率は0%です。
しかし、この数字には意味がないのです。
運用という面で見た場合、的中率・回収率ともにその数字は恒久的なものでなければなりません。
ここが重要なのです。
たとえ、去年1年間の的中率・回収率を求めたとしても、今年のそれが同じ程度の数字になるという保証はどこにもありません。
これは統計の話になりますから、詳しいことはその道に明るい方へ譲りたいと思いますが、的中率や回収率を仮にも将来性のある数字としてアテにするためには、JRA発足70年・年間のレース数が3,000レースとして、少なくとも10,000レース程度の勝ち負けを見る必要があると思います。
こんな膨大な収支を計算した人は多くないでしょう。
ですから、自分の過去の的中率・回収率がどうだという話は「ちょっと勝った」、「けっこう負けた」と同じ程度の感覚的なものでしかないと思うのです。
正確な的中率、回収率を求められないのですから、どちらを重視するかという考え自体も意味をなさない気がします。
資金がなくならないように、うまく配分して買っていたのに、気がついたらゼロになっていたというのは、根拠にした的中率・回収率の数字が正しくなかったからなのです。
そうすると競馬で勝つためには、確率をアテにしない別のアプローチが必要になるわけです。
それは、また別の機会に書きたいと思います。