ビギナーズラック
ビギナーズラック(初心者の幸運)ってあると思います。
競馬に関していえば、ボクにもビギナーズラックは訪れました。
初めて馬券を買った日のことをよく覚えています。
30年くらい前でしょうか。
5月の日曜日、安田記念の日です。
今ではまったく見なくなってしまったパドックですが、初めて競馬場を訪れたボクは、元気に闊歩する馬やジョッキーの色鮮やかな勝負服、紳士淑女が談笑する華やかな雰囲気に心ときめかせたものです。
昔も今もパドックを見たとて馬の調子など分かりませんが、そのときは感じるものがあったのでしょう。
1頭の馬とふと目があったような気がしました。
トーワダーリンという芦毛の小柄なメス馬です。
「坊や、私を買いなさい」そんな声を聞いた気もします。
当時は3連単はもちろんワイドすら発売されていなかったので、馬券は馬連で買うというのが基本でした。
それでボクは2頭のうち1頭をトーワダーリンにすると決めたのですが、もう1頭を決めかねました。
もうどれでもいいやと、落ちていたスポーツ新聞に目をやると「⑤フーちゃんが勝つ!」と派手な見出しが目に留まりました。
何新聞かは覚えていませんが、社運をかけて一面で推すのだから、これはもう勝つに決まっていると汚れなきボクはそれを信じて、この2頭の馬連を5,000円買いました。
後にフーちゃんというのはノースフライトのことだと知ったのですが、レースがこの通りに決まったときは本当にビックリしました。
配当は140倍くらいついたでしょうか、70万円ほどの払い戻しを受けました。
これがボクのビギナーズラックです。
「なんだ、競馬なんて簡単じゃないか。もう働かなくてもいいや」と考えたボクにその後、競馬の神様が天罰を下されたことは言うまでもありません。
それ以降、目があった馬を買えども買えども、さっぱり当たることはありませんでした。
ちなみに当たったお金も、その日のうちに京都に出かけ、お茶屋で舞妓さんと遊んで大半を使ってしまいました。
これから何かを始める皆さん、ビギナーズラックを射止めてもほどほどに考えておいたほうが良いと思います。
ボクはお座敷遊びなどしないので、あのとき地方さんまで来てもらう必要はなかったなと今でも思うのです。
で、なぜビギナーズラックの話をしたのかというと、note に関していえばボクは初心者なわけです。
ということは、初めて note で予想を披露することに対してビギナーズラックが訪れるのではないかと思うのです。
そこで中山金杯は強気に「あの馬」を買ってやろうと目論んでいます。
名前を明かさないのは、誰も読んでいない記事なのに、もうちょっと引っ張ってやろうと考えているからです。