雪中乗馬のすすめ
スキーが好き
意図せず「スキーが好き」と言ってしまうことがあります。
「冬はよく長野に行くんだ。スキーが好きなんでね」みたいに。
発した瞬間、自分に腹が立って忸怩たる思いです。
相手が若い子なら恥ずかしさも5%増しでプレミアムに悔しいのです。
ボクは曲がりなりにもイケオジを自認しているので、この手のオヤジギャグを口にしないよう日頃から心がけているのにも関わらず、です。
「スノボーが好き」と言えばいいのですが、ボクはスノボーのほうはあまり得意ではなく、緩斜面ならS字で降りてこられるという程度の腕前です。
「じゃ、教えてください」ということになると「なんだ、できないじゃん」というオチが待っているので、おいそれと口にできません。
「ウインタースポーツが好き」と言うのも「どこの貴族ですか?」みたいな感じで何だかです。
人によってはアイスホッケーなんかを想像されるかも知れません。
「雪山が好き」これも的確ではありませんね。
八ヶ岳あたりを登頂したアルピニストには許されると思いますが。
もう、この話題に飽きてきたので終わりにしますが、とにかくボクは冬に長野を旅するのです。
もちろんスキーを楽しむのが目的ですが、たまに気が向くと馬に乗ることもあります。
冬は乗馬の季節
馬は寒さに強いので、この時期になると活発になり、まさに乗馬に適した季節となります。
乗馬クラブによっては「外乗」といって、山や川など自然の中を馬の背に揺られながら、のんびり散歩するプランを設けているところもあります。
馬の背中に座ると、ちょうど自分の目の高さに木々の枝葉があり、それら自然のフレームに縁取られた遠くの峰々は、普段にも増して美しく映るのです。
馬の息遣いに耳をすまし、上下に揺さぶられる心地よい振動を感じながら
「あぁ、馬こそ我が人生」とつぶやいてみたりもします。
いえ、それは今、取ってつけました。
都会で馬を飼う
外乗は「ホーストレッキング」とも言うのですが、都会では、まず体験できないことでしょう。
もちろん、ご自宅に広い敷地があれば都会でも馬を飼うことは可能です。
一応、馬は道路交通法では軽車両の扱いになりますから、公道を走ることができます。
白馬にまたがって通勤・通学するリアルな王子様を演じることもできなくはありません。
まぁ、王子様は通勤しませんか。
しかし、急いでいても「えぇーい、道をあけーい」みたいな感じで、すっ飛ばすことはできませんし、歩いている最中にも、ところ構わずボロをしてしまうので、その度に馬から降りて片づけをする手間が掛かります。
そもそもコンクリートの上を走ると、馬の蹄が悪くなってしまうので、やっぱりやめておいたほうが良さそうです。
ところで、この外乗ですが、雪の降る地方では、積もった雪をザクザクと踏みしめて進む「雪中乗馬」を楽しめるところもあります。
しんしんと雪が降る一面の銀世界を馬でいくなんて、なかなか味わえない素晴らしい思い出になるはずです。
ぜひ、お試しください。
「冬はよく長野に行くんだ。雪の中、馬に乗るんだよ」
そう言えば良かったのです。ロマンですね。