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競馬で勝つということ③客観確率と主観確率
今日は気が向いたので、まじめに競馬の話をします。
そんな風に書くと「普段は、まじめに書いてないのか」と言われそうですが、褒め言葉だと受け止めます。
そんなボクが言うのも説得力に欠けるのですが、ボクは競馬で勝つ方法を(たぶん)知っています。
その方法は、次のひと言で説明できます。
「勝率にもとづき、客観確率よりも主観確率が小さい馬券を買う」
ちょっと難しい書きかたですね。
いえ、別にボクが考えたわけではありません。
どこで聞いたか忘れてしまいましたが、ネットで検索すれば、同じようなことを書いた記事はたくさん見つかると思います。
何年か前、馬券の払い戻しで巨額の利益を得ながら所得を隠していた人(法人?)が、国税庁のお咎めを受けたという事件がありました。
この人も、この考えに基づいて買っていたのではないかと思います。
3割バッターの話
「客観確率、主観確率って何?」という点ですが、ここで突然、プロ野球の話をします。
ええ、ボクは待ったなしです。
野球ファンの中には、数字に詳しい方がいらっしゃると思います。
どのバッターの打率が何割だったとか、どのピッチャーが何勝したとか、そういう成績についての数字です。
去年は投高打低の傾向にあったようで、首位打者になったセ・リーグのオースティン、パ・リーグの近藤健介ともに打率は3割1分台でした。
これは近年では低い部類の数字だと思います。
知ったかぶりをしていますが全部、調べました。
とは言え、首位打者だろうと、そうでなかろうと、バッターの打率は3割前後に収まることが多いと思います。
2割5分を打って平均、3割で一流というところでしょうか。
では、なぜバッターは3回(4回)に1回しかヒットを打てないのでしょうか。
どうして、打率5割、6割のバッターが誕生しないのでしょう。
これはボクの想像ですが、打率がこのあたりの数字に収まるのは「これくらいヒットが出れば競技として成立する」ということを突き詰めた結果、この数字に落ち着いたということではないでしょうか。
マウンドを遠くしたら、ピッチャーはコントロールが難しくなって四球が増えると思います。
球のスピードも落ちるのでバッターが有利になるでしょう。
逆に本塁から一塁までを遠くすれば、出塁率は下がるはずです。
「これでは、点が入りすぎて(入らなくて)競技にならない」と試行錯誤を重ね、たどり着いたのが今の野球の規定であり、たまたま打率が3割付近に収束したということではないかと思うのです。
客観確率と主観確率
話を競馬に戻します。
以前、WIN5 の記事に、人気ごとの勝率について書きました。
一番人気の勝率は、30%程度です。
野球のバッターのように、なぜ一番人気の馬は3回に1回しか勝てないのでしょうか。
これは正直よく分かりません。
「分からないなら、さっきの野球のくだりは必要なかったじゃん」と思われるかも知れませんが、ボクもそう思います。
たまには野球の話を書いてみたかっただけです。
どなたか、ご存知の方がおられましたら教えてください。
ただ、馬の勝率と単勝の支持率は、ほぼ等しいことが知られています。
支持率とは大勢の人の集合知を反映した結果ですから、そうなるのは当然と言えば当然です。
ここでやっと「客観確率」と「主観確率」の話をします。
客観確率とは「まぁ、間違いないよね」といえる確率のことで、例えば、サイコロを振ったときに1の目が出る確率(1/6)は、客観確率と言えます。
つまり、競馬の場合、馬の勝率(=単勝の支持率)を客観確率とみなすことができそうです。
これに対し、主観確率とは、文字どおり「こうだったらいいな」という主観にもとづくものです。
馬単や三連単など配当が大きい馬券ほど、オッズは主観確率に依存すると考えられます。
最終レースでは、多くの人が負けを取り戻そうとして異常なオッズをつけることがある、というのはホントかどうか分かりませんが、これも主観確率によるものと推測します。
「モンティ・ホール問題」と「本命・大穴バイアス」
主観確率の例を示す有名な問題があります。
「モンティ・ホール問題」と呼ばれるものです。
ご存知の方も多いと思いますが、簡単に説明します。
(便宜上、ドアやヤギを他のものに置き換えます)
外からは中身が分からない3つの箱があります。
1つには豪華景品が入っており、この箱を当てると、あなたはその景品をもらえます。
残り2つの箱はハズレです。
ボクは正解の箱を知っています。
あなたが箱を選んだあと、ボクは残り2つの箱のうち、ハズレの箱を1つ開けます。
すると残っている箱は2つですね。
このときボクは「選んだ箱を、もう1つの箱に変えますか?」と尋ねます。
さて、この場合、あなたは箱を変えたほうが有利でしょうか?
詳しい説明を省きますが、答えは「箱を変えると当選確率は2倍になる」です。
直感的に、箱を変えようが変えまいが確率は変わらないと思いがちですが、実際は箱を変えるほうが有利なのです。
また、これは「本命・大穴バイアス」として知られることですが、競馬ファンが馬券を買うときには、次の傾向が見られます。
本命馬券は、客観確率よりも主観確率が小さい
(勝つ確率が高く、配当の低そうな本命馬券は、避けられる傾向にある)
大穴馬券は、客観確率よりも主観確率が大きい
(勝つ確率が低く、配当の高そうな大穴馬券は、好まれる傾向にある)
簡単に言えば、人は夢を追いかけて、勝ちそうにない馬の馬券を買いがちだということです。
つまり、競馬で勝つためには、主観確率があてにならないことを踏まえ、馬単や三連単で割安な本命馬券だけを選んで買えば良いという結論に至ります。
詳しい方法は書きませんが、単勝の支持率をもとに、馬単や三連単が的中する客観確率を求め、かたや実際のオッズから計算した主観確率と比べます。
そして、主観確率が小さい買い目をすべて購入すれば良いというわけです。
長期的に、この買いかたを続けると、競馬で利益をあげることができるかも知れません。
何だかキツネにつままれたような話ですが、理論的には間違っていない気がします。
問題は、オッズが常に変動していること、(とくに三連単で)どうやってすべての買い目を買うのかということ、先に書いたように所得税対策をどうするのかといったことになるでしょうね。
ここから先は、頭のいい人や税理士さんに話を譲ろうと思いますが、現実的にこのような買いかたは難しいと思います。
それでまぁ、ボクはいつも通りの馬券を買い続けているわけです。
さて、今日は結構まじめに書いてしまいました。
自分では「何だかなー」という感じで物足りなさを感じています。
ちなみに、ボクは文系男子です。
決して数学に明るいわけではないので、もし間違って書いていることがあれば、どうぞご容赦ください。