グループ制作シナリオ-完成-
時代・世界背景
現代の日本
人気アイドルグループOrion(読み:オリオン)が絶大な人気を誇る世界
Orionのプロデューサーである高山シリウスは新規アイドルグループを作るため、アイドルオーディションを開催することを発表した
芸能事務所
大狗プロダクション
アイドルグループOrionをはじめとしたアイドルを輩出している芸能プロダクション
敏腕プロデューサー 高山 シリウス
登場人物
主人公:元木 燈凛(げんき あかり) 身長:156
貧乳 普通体型
元気な子 O型 天然
メンバー馬締 りん(まじめ りん) 身長高め:160
モデル体型
真面目な子 A型 プライド高い
メンバー音成 衣夜(おとなし いよ) 身長:150
ぽっちゃりめ
おとなしい子 AB型 萎縮
新生アイドル名【Canis】(読み:ケイニス)
話の流れ
書類審査、面談審査を合格し見事最終選考まで残った燈凛
今日はオーディション当日の朝
⚪︎オーディション会場前(外) 朝
燈凛が携帯を見ると画面にはAM9:00と表示されている
燈凛「よぉーし!がっんばっるぞーー!」
アイドルオーディション会場を目の前に気合いをいれ、拳を突き上げる燈凛
通行人「大丈夫かしらあの子、」
通行人達は元気いっぱいな燈凛に怪訝な目を向ける
⚪︎オーディション待機室(室内)
受付を済ませてルンルンで控室に向かう燈凛
控室のドアを開け部屋の中をキョロキョロと見回す
燈凛「ここが控え室……すごぉ、」
控え室の中を見ると面接の時に見たTheアイドル!のような人たちやネットで見たことがあるような人が思い思いに自分の時間を過ごしていた
中には周りのオーラに萎縮している子や堂々としている子など様々
燈凛「失礼します!!」
燈凛はワクワクした面持ちで控え室に入るのだった
⚪︎オーディション待機室
時間になると数人の偉そうな人たちが部屋に来てオーディションの詳細を話し始めた
それはひとグループ3人の計5グループで課題曲を一週間で仕上げてお客さんに実際に見てもらい投票してもらうという内容だった
ざわざわとする部屋の中淡々と話が進んでいく
運営「グループはすでにこちらで決めております!皆様ご確認ください」
燈凛と同じグループの人は真面目そうなモデルっぽい子とおとなしそうな女の子だった
グループごとに分かれ、課題曲と振り付けの動画を渡され各自解散になり
燈凛「自己紹介しようよ!私は燈凛!アイドルになって世界を幸せにしたい!」
燈凛はピースサインを掲げながらニカっと笑う
りん「私は馬締りんよ。母が勝手に応募したのだけど、やるからにはしっかりやるわ。」
りんは周りを気にすることなく腰に手を当て堂々と立っている
衣夜「わ、私…お、音成衣夜です!私なんかがって笑われるかもしれませんがあ、あああアイドルにずっと憧れててっ!頑張りますっ!」
目を泳がせながらオドオドと自己紹介をする衣夜は周りの空気に萎縮しているようだった
燈凛「自己紹介も終わったしさ、課題曲きいて、振りを見よう見まねで踊ってみよ!」
早速曲を流して踊ることにした燈凛たちだったが、衣夜はてんでダンスができないようだった
燈凛たちは気にするそぶりを見せなかったが、周りのグループも燈凛達のグループを見てあのグループは落ちたな、と嘲笑ってた。
モブ「遊びきてんの?笑」
モブ「子供混じってない?笑 うけるんだけど笑」
クスクスと陰口を言い合う他のオーディション生たちは意地悪い顔をしている
衣夜「ダンス全然したことなくて、皆さんの足引っ張ってすみません、、、」
ガバッと頭を下げる衣夜に燈凛は慌てて駆け寄る
燈凛「大丈夫大丈夫!私もあんま得意じゃないし!」
燈凛を見て衣夜は涙目になる
りん「私も、ダンスはできるけど歌はド下手だって言われ続けたから足引っ張るかもしれないけれど、なるべく頑張るわ」
申し訳なさそうに言うりんからは先ほどの自信満々な姿からは想像ができなかった
燈凛「いいのいいの!私たち3人いるんだから皆で補い合おうよ!」
そう言って燈凛は二人を励ました
⚪︎レッスン場(室内)
あれから一週間が経った
ここでの一週間は長いようで短かった
レッスン場は他グループと隣り合っている部屋を使っているため、次の日から嫌がらせを受けるようになり、まともに練習できるはずがなかったのだ
燈凛達の音楽を遮るような音量で音を流しレッスンを中断せざるおえない状況になることも多々あった
燈凛「うっわうるさ!」
りん「あからさますぎ…」
耳を塞いでもなお頭が割れそうになるほどの音量に3人は顔を顰める
時にはレッスン場の鍵を先に取って使えないようにするなど暇なのかと聞きたいくらいだった
燈凛「鍵閉まってる、」
そこに鍵を取りに行った衣夜が帰ってくる
衣夜「鍵取りに行ったけどありませんでしたです〜、どうしましょ」
りんは一連の嫌がらせに怒りが隠せない様子で
りん「流石に我慢できないわ。殴り込みにでも行きましょう」
と今にも飛び込んでいきそうな勢いに対して
衣夜「私なんかがアイドル夢見たからバチがあったったんです、今からでも辞退したほうが傷つかずに済みますよね、、」
衣夜は涙声で下を向いて落ち込んでいたが、燈凛だけは諦めていなかった
燈凛「殴り込みはだめ、辞退なんてしたくないでしょ。それに私たちは3人で合格するの!オーディションで合格するために、話し合おう!」
燈凛はりんと衣夜に絶対に合格するための作戦を夜な夜な語り明かした
⚪︎レッスン場(廊下)
レッスンの日もおりかえしに差し掛かった日、ついに嫌がらせをしてきた人たちが直接絡みに来た
モブ「あんたらそんなんでアイドル目指してるってほんと?笑」
モブ「お子ちゃまはお家に帰る時間だよ〜?」
燈凛達に余裕の笑みをむけ挑発してくるが燈凛達は何も言わずに前を見ている
モブ「何も言えないの?とりあえずさ、私たちみたいに本気でアイドル目指してんじゃないなら早く辞退してよね」
そう鼻で笑う相手に殴りかかりそうになるりんを止め、あわあわしている衣夜を宥めてから一言燈凛は言い放った
燈凛「私たちが遊びでアイドル目指して見えるならあんたらの目は節穴だね!高め合うより蹴落とし合う方選んでる時点であんたらこのオーディション落ちるよ?」
そう笑って燈凛はりんと衣夜をつれてその場を離れた
りん「燈凛が言い返してくれてスッキリした。」
衣夜「もぉ〜怖かったです!」
わきあいあいとした空気でレッスンに戻るが、行き詰まってしまい体力だけがどんどんと削られていく
息抜きをしようと一度私服に着替えて外で休憩することにした
⚪︎レッスン場(外)
燈凛「あれだけ啖呵切った手前頑張らなきゃ行けないのになぁ〜」
うぅ〜っと唸る燈凛にりんも同調する
りん「もっと努力しなきゃ……寝る時間割いてでも……」
そう言って振りを確認するりんの目の下には毎日寝不足であることが伺えるほどのくまが出来ていた
燈凛「睡眠取らなきゃパフォーマンス落ちるでしょ、なんで寝ないの」
りん「私だって合格したいもの!そのためなら睡眠削るしなんだってするわ!」
燈凛とりんが白熱し始めた時口を開いたのは衣夜だった
衣夜「私たちってさ!!グループで頑張んなきゃいけないんだよね?」
いつも大人しい衣夜が大きい声を出したことで燈凛もりんもびっくりしていた
衣夜「各々が頑張っててもさ、それがひとりよがりだったらグループのためにならないと思うの」
わ、私なんかがそんな偉そうにって思われるかもしれないけど、、と二人に注目されてることに気づき段々と声はしぼんでいったが衣夜の気持ちは燈凛たちにしっかりと届いていた
燈凛「そっ、、か、そうだよね!大事なこと忘れてた!私たち3人で合格しよう!って言ったのにね」
りんも頷く
りん「うん、衣夜の言う通りだと思うわ。私も自分の課題だけに集中しすぎてたもの……」
衣夜「わ、私も偉そうなこと言ってしまってごめんなさいっ」
燈凛「ううん、衣夜ちゃんのおかげでやるべきことが見つかったんだよ!ありがとう!ね、もう一回最初から踊ろう!」
3人は改めて頑張ることを決意しレッスン場に戻った
⚪︎レッスン場(室内)
みんなの気持ちが固まったところでレッスン場に戻るとレッスン着がぐちゃぐちゃにされた状態で置かれていた
衣夜「そんな、これがなきゃ最終日出られないのに……」
衣夜と燈凛が固まって動かない中、りんだけがレッスン着に近づき何かし始めた。一時してこちらを見たりんが言う
りん「これ、こうやればアレンジすればましになるわよ。燈凛たちも、落ち込むだけじゃ変わらない。今の状況をどう逆手に取るかが大事なんじゃない?一緒に考えましょ」
りんの言葉を聞き燈凛達は各々の好きなように服をアレンジし始めた
改めてアレンジしたレッスン着を着た3人は先程よりも希望に満ちた顔をしていた
その日から燈凛達はどのグループより早く練習を始め遅くに練習を終える日々を過ごした
来る日も来る日もダンスにボイトレに表情管理など、忙しい毎日だった
衣夜はダンスがある程度見えるほどに上達し、歌が下手だというりんも周りのカバーで上手く歌えるようになり、各々の成長が感じ取れた
⚪︎燈凛の部屋
本番前日の夜、燈凛これまでのことを思い出した
それはなんとなく、自分のしてきたことが間違いであるような、そうでもないような不安に駆られたからであった
燈凛は昔から人を笑顔にするのが得意だった
小さい頃おばあちゃんに
(回想)祖母「あんたには人を幸せにする能力がある。私の血を継いでるんだねぇ。大丈夫、その力は必ずあんたの力の源になるよ」
この言葉に燈凛は最後の勇気をもらえたのだった(回想終わり)
⚪︎本番前バクステ
当日3人は気合いを入れるため円陣を組んでいた
燈凛「いつも通りにやろう!上手いとか下手とか置いといて、自分たちが楽しんで、お客さんを楽しませよう」
そう言って本番を迎えた
出番を終えて裏に戻ると嫌がらせをしてきたグループが絡んできた
モブ「その程度じゃ合格は絶望的だね笑惨めな思いする前に帰ったら〜?」
そう言われた時、りんも衣夜も前と違い余裕の顔で
りん「そう言ってられるのも今のうちね」
衣夜「わ、私たちが合格するんですから!」
と言い切って控え室に戻っていく。動じない燈凛達に何よ自信満々に!と怒鳴りつけるが、それも無視してステージで踊った感想を話し始める燈凛達
⚪︎本番後ステージ上
合格発表の時間になり、お客さんの前に全グループが並ぶ。人気プロデューサーの企画ということもあって生配信もされているらしい。
ステージ上の人たちは合格すると信じている人、不安で仕方ない人など三者三様だった
合格者は3人、誰が合格するかはわからない状況で燈凛達も例外なく緊張していた。
大袈裟なドラムロールと共にマイクを持った司会者は仰々しく声を上げた
司会者「この厳しいオーディションを勝ち抜いた栄えある合格者は_____」
⚪︎バクステ〜ステージ上
燈凛、りん、衣夜の3人がステージに上がる後ろ姿が光に包まれる
燈凛「私は、人を幸せにしたい。今まで私を支えてくれたみんなのために、これまでもこれからも皆んなに笑顔を届けに__!」
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