バレンタイン大戦- ストーリー -

時代背景:現代

主人公:春水 青央(ハルミズ アオ)
 高校2年生
 冴えない男子高校生
 バレンタインなんて自分には無関係だと思っていた
 クラスでも目立たないタイプで注目を浴びるのが苦手

友達:川上 陸(カワカミ リク)
 高校2年生
 青央の友達
 倫のことが気になっている

ヒロイン:水瀬 白桜(ミナセ ハクラ)
 高校2年生
 青央と同じクラスの女子。
 バレンタインは手作りチョコを配り歩いているタイプ。
 本命チョコを青央に渡したい

友達:四田 倫(ヨツダ リン)
 高校2年生
 白桜の友達
 陸のことが好きでチョコを渡したい

生徒1「明日どうする?」
生徒2「えーチョコ渡せるかなぁ」
2月13日の放課後、バレンタイン前日に浮き足立っている周りの会話を横目に見ながら誰よりも早く帰路に着いた
青央「はぁ、」
帰り道にあるスーパーやらコンビニもバレンタイン一色になっているのを見てため息が漏れたところで後ろからおーい!と元気な声が聞こえてきた
?「あーおーくーん!」
呼ばれた方を見るとそこには同じクラスの白桜がいた
そのまま隣を歩く白桜は今年初めて同じクラスになってから何かと絡んでくるようになった数少ないクラスメイトだ
青央「水瀬か……その笑顔はなんだ」
白桜「いやぁ〜?そう言う青央くんは憂鬱そうだね?」
青央「理由わかってる顔してるぞ。」
白桜「だって青央くんチョコもらうの諦めてるんだもん!欲しいって言ったらくれる人いっぱいいるのにさ」
ほらここにいるよ!と元気に自分を指さしてアピールをしている白桜をうまくかわしながら帰るのが最近の日常になっている
青央「情けでチョコもらうほど飢えてない」
白桜「もう!情けじゃないよ〜ってあ!今日早く帰んなきゃいけないんだった!じゃあまた明日ね青央くん!」
颯爽と帰っていく白桜に手を振って自分も家に向かうのだった
家に帰り着いていつも通りにご飯とお風呂を済ませ部屋に戻ろうとすると
母「辛気臭い顔しないの!今年はチョコもらえるかもしれないでしょ?楽しそうな顔しなさいよ」
と声をかけられるが
青央(白桜といい母さんといい……俺には関係ないっての、)
と心の中で悪態をつきながら部屋に戻り眠りについた

ポポポ!(銃声)
青央「ぅわっ、なに、?」
朝、外から聞こえた音で目が覚めた青央はカーテンを開け外を見ると目を見開いた
外は至る所に茶色いチョコで汚されていて可愛らしい銃を持った女性が男性に向かって乱射しているなんて現実的じゃない
青央「そうだ、父さんと母さん!!」
慌てて両親のところに行くと銃を構えた母が父を押し倒して銃口を口に突きつけたところだった
青央「母さん、その銃は何?父さんもなんで抵抗しないの!?」
そう話しかけるも父は青央に首を振るだけで、母は嬉しそうに引き金を引いた
咄嗟に目を瞑るとポンッ!という銃声が鳴り響き青央が目を開けた時には笑顔で何かを食べている父と嬉しそうな母が映るだけだった
母「ほら青央!早くご飯食べちゃって!遅刻するわよ!」
何もなかったかのように話しかけてくる母に幻覚か何かかと思いかけるが、外から聞こえるポンッ!という音でこれは現実なのだと突きつけられる
ご飯を食べながら父に聞いた話をもとに頭の中を整理し、あの銃から出るのはチョコであるだろうと考えたのだった
朝食を食べ終わり学校に行こうと玄関に向かうがドアを開けるのを躊躇してしまう青央
学校を休もうかとも考えるが
母「はやく行っちゃいなさい!」
と母に家を押し出され渋々学校に向かうことになる
学校までの道のりでも同じような状況になっていて
青央「なんなんだよぉ、勘弁してくれ」
流れ弾が自分の横を通り過ぎるたびにビビりながら学校に向かう
青央「やっと着いた、」
なんとか学校に辿り着き靴を履き替えながらため息をついていると、カチャッ、という音と共に背中に何かが当たる感触がした
青央「陸〜?今日は何を、って水瀬……おい、待て」
振り向くとそこにいたのは陸ではなく白桜で背中の感触はあの銃を突きつけられた感触だった。白桜は青央の言葉を遮って
白桜「青央くん、私の気持ち受け取ってくれる?」
そう言って白桜は引き金を引いた
〜CM〜
青央は咄嗟にしゃがむことで間一髪、チョコから逃れることができた
教室に着くまでも追いかけられ、授業ギリギリに席に着く頃には息も絶え絶えになっていた
陸「おー、水瀬さんに勢いよく追いかけられてた人だぁ」
そう言いながらいじってくる陸に
青央「やめろ、俺は目立ちたくないんだ。それに、水瀬も俺を馬鹿にしてるだけだろ」
と一言呟いて意気を整えることに集中した
授業中は流石に狙われることはなかったが、休み時間中最低1回以上は狙い撃ちされるため青央はいつまで経っても気が休まらないまま昼休みになってしまった。
また追いかけ回されるのかと思いきや、白桜は友達と昼ごはんを食べに行ったのでやっと一息つける、と青央はため息を吐いた
陸「ため息つくと幸せ逃げますよ〜笑」
とニヤニヤしながら話しかけられるため
青央「お前は追いかけられないからこの辛さわかるわけないだろ」
とひと睨みすると
陸「まあそうね、俺はもう打たれた側だからな!」
とドヤ顔で言う陸に思わず青央は飛びついてしまった
青央「は!?お前彼女いたっけ」
陸「私に興味ないのがよくわかりますねぇ、朝いいなぁって思ってる子にあの銃向けられたからそのまま撃たれに行っただけだよ」
どう言う原理かわからないけどあの銃に感謝だねぇ、そう言って幸せそうに笑う陸を見て、青央は白桜の考えがわからなくなる
トイレに行こうと廊下を歩いていると白桜と倫が話しているのが聞こえてきた
白桜「ほんとにあの銃のチョコ食べてもらえたら付き合えるの!?食べてもらえる気しないよ〜!」
倫「大丈夫だって!私も川上くんに渡せたんだもん!一回ちゃんと話してみたら?」
白桜「でも好きて伝えられないもん、だから逃げられるんだよきっと」
二人が話しているのを盗み聞きしていることに罪悪感を抱きながらも白桜が青央のことが好きだと青央は気づき顔を赤くして足早に教室に帰った
HRが終わり、白桜と顔を合わせるのも気まずいからとはやく帰ろうとすると
白桜「青央くん!朝みたいに追いかけたりしないから、話来てくれる、?」
恥ずかしそうに目を逸らしながらそう言う白桜に不覚にもドキッとしてしまい黙っていると
白桜「青央くん、?」
と不思議そうに顔を覗き込んでくる白桜にびっくりしてのけぞりながら
青央「お、おぉ……大丈夫、話って何?」
と普段通りを装いながら聞くと
白桜「とりあえず聞きたいんだけど、なんでそんなに逃げるの?」
そう悲しそうに聞いてくるので
青央「そりゃ、急に狙われて銃で撃たれるなんて怖いでしょ、まず銃があるの普通じゃないし、」
と困りながらも逃げた理由をしっかり話すと
白桜「そっか、詳しくは知らないんだもんね、この銃のこと」
白桜はそう言って銃について教えてくれた。
・銃から出るのはやはりチョコであること
・そのチョコを想い人に食べて貰えば付き合えると言うこと
・2月14日を過ぎると銃は消えてしまうこと
それが銃についての説明だった
白桜「だから青央くんに食べて欲しくて、ねぇ青央くん、お願い……」
そう切実に銃を突きつけてきた白桜に一瞬目を見張らせるも、目を瞑って抵抗するのをやめ、青央は目を瞑って白桜が引き金を引くのを待つのだった

2月15日、朝目が覚めて学校の準備を終わらせる。
母「ちょっと青央!朝ごはんはいいの?」
そう呼び止める母に
青央「うん!今日は急いでるから!」
そう言い、いつもより少し早く家を出て待ち合わせ場所に向かうとそこには
白桜「あ!青央くん!おはよ!」
青央「おはよう、白桜」
笑顔で駆け寄って手を繋ぐ白桜がいたのだった_____

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?