終わらない恐怖

疲労困憊のちあきは、今日も長い労働を終え自宅へ帰っていた。 家までの道のりは闇に包まれ、街灯の明かりも弱く、不気味な雰囲気が漂っている。

ちあきは足早に歩きながら、後ろから聞こえる足音に気づいた。振り返るが、誰もいない。ただの幻聴か、と思いながらも怖くなったちあきは自宅へと急ぐことにした。

次第にその足音はこちらに近づこうと早歩きになっていることに気づいた。
ちあきは全力で逃げ出したが、影は執拗について来る。

ちあきは終わるばかりの階段を駆け上がって、自宅のドアに足を近づける
必死にドアを開けようとするが、後ろから影が迫っている。焦りでうまく動かない手を動かし、ちあきは怯えながらも最後の一歩でドアを開くことに成功した。

すぐに扉を閉めて鍵をし安堵のため息をつきながら、ちあきは扉にもたれかかりそのまま座り込んだ。
彼女の顔は疲労で歪み、目は充血し、髪は乱れていた。

「いつでもあなたを見つめてるからね。」

ドアの向こうから発された言葉に絶望の表情でドアを見つめることしかできなかった。


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