おじさんのかわいいカブ / #文字でスケッチ
20時の弁当屋さん前にカブ(バイクの)が停まる。
おじさんがヘルメットを脱いでいる。
僕は無性に食べたくなったのり弁ができあがるのを店内で待っている。
おじさんが入店してきて注文している。60歳台くらいかな。
窓ガラス越しにカブを見やる。
こぼれた店明かりが照らす緑ボディーと白シールドが夜に映える。
うん、やっぱいい。
もし乗るなら、カブだったら、ちょっとバイクも乗ってみたい、とか思ったり。
後部の荷台の横に取り付けられた“赤いバッグ”に目が留まる。
緑と白と赤の組み合わせはなかなか可愛いんだけど。
可愛いもの好きなハイセンスおじさんなのかな。
「50番でお待ちの方〜」
のり弁ができて受け取って店を出る。
それとなくカブに近寄る。
え?あ!ランドセルだ!
しっかり使い込まれたように見える赤いランドセル。
それを愛車のサイドバッグにしているおじさん。
赤いランドセルならかつては娘さんの物だったのだろうか。
(昭和生まれは当時の女の子が赤一択だった記憶しかないので自ずと娘と思う)
ランドセルの主人に思いを馳せる。
もう立派なレディーだろう。
勝手に娘さん設定を広げながら家路をたどる。
趣旨とマガジンの説明: #文字でスケッチ とは
眼前の光景に心のひだが震えた。絵に留めるかシャッターを切るか。いや僕らには文字がある。どの一瞬も文字で切り取ることができる。文字ならではの流麗さを以ってスケッチを試みる。
集めたスケッチはWeb展覧会を模してマガジンに集約していきます。
お誘い: #文字でスケッチ してみませんか?
ルールというほどのものはありません。どなたでもスケッチしてみてください。ただ1つだけ、できればおすすめしたいことがあります。
それはトップ画像にその瞬間そのものの写真や絵を載せないこと。せめて“匂わせる”くらいにとどめておくことをおすすめしたいです。
文字で顕すスケッチの前段にいきなり“答え”が出てしまっていては、せっかくの空想の楽しみも半減してしまうと思うのです。
個人的には最後まで写真や絵がなくてもいいと思っていますが、載せたい方はぜひ文章のあとに貼ってみてください。
参加方法: #文字でスケッチ をつけて投稿
#文字でスケッチ をつけて投稿してくだされば、マガジンに登録させていただきます。僕とフォロー/フォロワーの関係にない方でも、初めましての方でも全く問題ありません。
(タグがないと気付くことができませんのでご了承ください。マガジン登録には少しお時間をいただきます。)
僕以外にもこの企画を面白がってくださる方がいらっしゃる場合は、何か次の展開も考えるかもしれません。
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