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週刊『めんたい♡通信』20250112号
こんにちは!
年初の一週間お疲れ様でした。ここでの三連休は嬉しいですね。
ただ寒さは厳しくなってきました。九州・福岡も氷点下で雪も降っているようです。
月曜日は成人式。
今年の新成人は100数万人ですが、あと数年したら100万人を下回る時代に突入します。昨年の出生数は80万人に届いていませんでした。20年後はそういうレベル感なのです。
企業の新規採用はもちろん、高校大学も大きな影響を受けます。
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インフルエンザの流行が拡大しているようです。要因はいろいろ考えられなくもないですが、とにかく、うがい・手洗いとマスクなどで対策するしかないですね。
今週末は大学入試共通テストなので、少なくとも受験生の皆さんが感染しないように祈るばかりです。
【マーケット雑感】
米国株式市場は年が明けてから2週続けて下落となりました。
昨年末からすでに調整基調ではあったのですが、金曜日に発表された雇用統計が予想より(景気が)強い数値であったことから、金利が上昇し株価は大きく下落しました。
米ダウ平均とS&P500指数は共に前週末比-1.9%の下落、ナスダック指数も同-2.3%の下落でした。
昨年11月初めの米大統領選挙後にいわゆるトランプ・ラリーで12月初めまで上昇した分を、ちょうど打ち消した水準まで株価は下げています。
米ダウ平均は12月高値から-7.0%、ナスダックとS&P500は-4.5%の下落率です。
雇用統計が予想以上に強かったことから、FRBの利下げへの期待は急速に減速しました。当面利下げはないという見方が大勢となり、中には利上げに転じる可能性もあるという見方も出てきています。
米10年債利回りは一時4.8%まで上昇しました。2023年11月につけた5%も視野に入ってきています。
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問題はマネーの流れがどの程度変わるか。
2024年も金利との見合いでは株価はすでに割高感はありながら、株価は大きく上昇しました。
超カネ余り相場が株価水準を支えてきたと考えられます。
今でも一段の調整があれば買いたいというマネーは沢山ある状況は変わっていないようです。
投資家の多くが悲観に包まれてしまう状況というのは、調整局面が長引き、下落幅が次第に拡大していく結果生じます。
まだまだ、溢れたマネーの短期的な動きで、株価は調整と反発を繰り返していくと思われます。
◯
実際、短期的なマネーは気まぐれです。
金利が上昇したので、教科書的には金利がつかない金(ゴールド)にはネガティブなのですが、先週の金(ゴールド)価格は前週末比+2.3%と大きく反発しました。昨年後半やや調整気味だったというのもありますが、米国株式を売却した一部のマネーは金(ゴールド)に向かったのかもしれません。
また欧州株も上昇。独DAX40指数は前週末比+1.6%、仏CAC40指数も+2.0%と値上がりしています。一つの要因としては米金利の上昇でユーロやポンドが売られドルが買われたことで、ユーロ安やポンド安での株価上昇を期待して一部のマネーが流入した可能性も考えられます。
◯
日本株は・・・。
月曜日に今年の取引がスタートした日本株も大きく下落しました。
日経平均は前週末比-1.8%の下落、TOPIXも-2.5%の下落です。
金曜日夜間の日経平均先物はさらに-1%以上下落して、38800円を下回る水準で取引されていました。
要因うんぬんというよりは、東京市場は相変わらず投資家層が薄く、売買高が少ない中で、米国市場の動向次第で株価は乱高下している感じです。
もちろん個別銘柄はそれぞれの要因で値動きしています。
全体が下げている中、三菱UFJ銀行は前週末比+3.1%で上場来高値を更新。日銀の利上げ観測が業績にプラスに働くとの思惑が強いようです。
逆に子会社が初任給41万円を発表した東京海上株は前週末比-9.9%と大幅安。ロサンゼルスの火事に関する保険会社への影響も足を引っ張っていたのでしょうか。
またユニクロのファーストリテイリング株も前週末比-9.5%の下落。先週の決算発表では最高益と好調でしたが、中国経済の減速を懸念しているとか。
◯
今後の注目点としては、やはり米国の長期金利ですが、同時に日本国債の長期金利も13年ぶりに1.2%台に上昇している点も大事です。
金利上昇から株価バリュエーションの割高感が再認識され、調整幅が深まる可能性はありますが、NISAで積立している人は、安く買えてラッキーだと思えば良いと思います。
金曜日の雇用統計発表直後はドル円は一時158円台後半まで円安が進みましたが、引けにかけて157円台半ばまで、やや円高に戻して週を終えています。
米国で利下げ期待は低下しましたが、同時に日本での金利が上昇し、日米の金利差は縮小方向にあると市場は見ているので、ドル円は160円の円安手前で止まった可能性もあります。
来週、トランプ氏が大統領に就任します。
すでにいろんな事が言われていますが、何が起きても落ち着いて受け止めたいですね。
(主な指標)
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【今週の記事】
イアン・ブレマー氏率いるユーラシアグループが年初恒例の世界の10大リスクを発表しました。世界的な視野で地政学リスクの緻密な分析。近年はほぼ同時に日本語訳と日本への影響も発表してくれるのが嬉しいです。
どのリスクも憂うべきものばかりなのですが、ブレマー氏は最後にポジティブに生きようと以下のメッセージ。
>おわりに
ふう。思ったほど良いニュースにはならなかった。
このリポートからはそうは感じられないかもしれないが、私たちは根っからの楽観主義者だ。(略)。「世界 10 大リスク」で述べた問題があるとしても、我々は他の時代より良い時代を生きている。
(略)私たちにできることは、政治的な分裂に対する理解を深め、分裂を克服するためにさらに努力することだけだ。それは、私たちの暮らす米国内でも、世界の他の場所でも同じことだ。自分がどこで生まれたかによってその人の道徳的価値が大きくなることもありえない。人種や性別によってその人の道徳的価値が大きくなることもありえない。少なくとも理論上では、後者は今日の世界で広く受け入れられている。しかし前者は全くそうはいえない。自己満足に浸っている時ではない。2025 年、我々は自らにできることをもっと要求し、自らの置かれた環境に対する思いに責任を持ち、それに対して何をしようとしているのかを公にしたい。これはその第一歩だと考えてほしい。
・ユーラシアグループ 「2025年10大リスク:Top Risks 2025」:⇒ https://www.eurasiagroup.net/siteFiles/Media/files/TopRisks2025JPN(1).pdf
「2025年10大リスク 日本への影響」: ⇒ https://www.eurasiagroup.net/siteFiles/Media/files/TOPRISKS2025_Implications_for_Japan_JPN.pdf
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もう一つ、経済学者の岩井克人氏の投稿。
これまでも氏の著作や考え方から沢山のことを学ばせていただきました。まだまだ活躍していただいきたいのですが、先日、やや振り返りのような、非常に重要なメッセージを日経に寄稿されていました。ある意味、前述のブレマー氏のメッセージと通じるものがあります。
<ポイント>
○中国やロシアは近代的な民主主義を否定
○米国でもトランプ氏が議会や法秩序軽視
○日本は民主主義を守りその普遍性を示せ
>いま世界は大きく混乱している。だが、混乱の中で見えてきたことが二つある。一つは、私が好きに学問をしてきた戦後80年近い年月が当たり前のものではなかったということである。
>見えてきたことの二つめは日本という国の使命である。(略)。いま日本の使命は異なる。(略)。 日本の世界史的使命とはどれだけ凡庸であろうとも、そのような社会であり続けること。そして、その事実を世界全体に向けて語り続けることにある。
【その他本文で参照した記事】
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それでは、また来週!
(今回は1月12日お昼頃にお届けしています。)
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(但し書き)このメルマガは株式市場に関する私の見解(投資の判断はご個人の責任でお願いします)と、ネットサーフィンの中で気になった記事をご紹介するものです。ネットに溢れる膨大な情報を各人がすべて見ることは不可能ですので、少しでも貴方の目に留まらなかった情報をピック出来ればと思っています。ご質問・お問い合わせ、配信停止等、お気軽にご連絡ください。
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