中華の男美プラ「将魂姫 申猴」を作る
コトブキヤからゲイルハウンドが、(メカという設定ですが)バンダイからも30MFが、版権ものだとMENGのティモシー・シャラメが発売されるなど男美プラ(男性版美少女プラモデル)がにわかに盛り上がる中、真打ともいえるメカピッグ社の「将魂姫・影 申猴」が発売されたので作りました。
さて、将魂姫の影シリーズというシリーズがなんなのかちょっと解説すると、十二支を擬人化したキャラクターのプラモデルです。
FAGや30MSのような日本でもおなじみのメカ+美少女ものですが、日本の美プラとは違って、素体を差し替えてアーマーモードにするのではなく、素体とアーマーそれぞれ2体を作ることになるのが最大の特徴です。
何のために誰と戦っているのかはまったく不明(そう説明書に書いてある)というアバウトな設定ですが、説明書の漫画を読む限りだと仮面ライダーや戦隊のような変身ヒーローものっぽさそうです。
まず素体モードを組み上げました。
デカールや塗装はしていない、素組みです。
中華キットの常ですが、パーツ単位での色分けが徹底されているのでシールを貼ったり塗装したりといった作業をしなくてもカラフルに仕上がる仕様になっています。
アンダーゲートもそこそこ(前回比)になり、全体的に中華キット初心者にも組みやすいキットといえるでしょうか。
ただ、将魂姫共通の問題として関節回りがギチギチだったりタイトだったりするので、240番の紙やすりを使って少し調節しておくと動かしやすくなるかなと思いました。
シリーズ初の男性キャラらしく、マッシヴな体型をしており筋肉造形もしっかりなされています。
ちなみにこの申猴、2年前の原型発表から大規模なリテイクが行われていて、
リテイク前とリテイク後の製品版を比較してみると、その違いがはっきり見えてきます。製品版は腰回りの装飾品や頭のバンダナが削除された代わりにリテイク前よりがっしりした体型になっていることが窺えます。
可動に関しては中華キットの中でもかなり良い部類に入るかと思います。
可動構成はFAGやメガミよりもフィギュアライズスタンダードのドラゴンボールラインの影響を受けている気がします。
腰回りの装飾品がないおかげで下半身がしっかり動き、胡坐をかくこともできます。
素体モードの時点でつま先可動が入っているのも嬉しいポイント。
フェイスパーツはタンポ印刷済みのものが4つに加え、
無塗装フェイスが2つ入っています。
付属のアイデカールを貼ることで好きな表情を作ることができます。
アイデカールは眉と両目が繋がって1枚になっており、美プラのアイデカールでよくある「左右でいまいち高さと幅が合わなくて仕上がりが良くならない」問題を解決しています。
これは日本製の美プラのアイデカールにも入れてほしい仕様ですね。
素体モード用に武器らしい武器は入っていないのですが、MSGの武器がぴったりフィットするのでお好みのものを買っておくと遊びの幅が広がっておすすめです。
変わった付属品としては、子猿ロボットがあります。
特に合体して素体にくっついたりとかそういうギミックはない、おまけに近しいものですが関節可動があったり表情を変えられたりと意外と凝ったものになっています。
目と両耳、開き口はシールでの色分けとなります。
素体が組み終わったので、次はアーマーモードを組みました。
アーマーモードは墨入れとデカールを施していますが、やはりこちらもパーツ単位での色分けが徹底されていて無塗装であっても見栄えがする仕上がりになります。
首ジョイントの軸は素体モードと共通なので、ヘッドパーツを付け替えることでマスクオフも再現できます。
可動は腰アーマーがスライドして動かせるようになっていたり、腿部分のスライドが出来るようになっていたりと工夫されてはいますが、やはりパーツ干渉が妨げになっている印象。
デカールを貼った後だと擦れにも注意してポージングする必要があります。
持ち手は素体モードと同じものがもう一つ入っているので、MSGを使うこともできます。
持っているMSGはツインリンクマグナムを塗装して余ったデカールを貼りました。
前作の黄虎のアーマーモードと並べるとかなりいい感じです。
試行錯誤を経て送り出された中華初の男美プラは、新しいジャンルの、とうか中華キットのパイオニアたる出来栄えとなっていました。
組みやすさもよく、プレイバリューも充実した最新の中華キットということもあって、初めて中華系美プラを組む人にもすすめられるクオリティです。
中華キットというとなにかと侮られがちではありますが、今は本当に和製キットに引けを取らないところまで来ているのではないでしょうか。
組もう、中華キット!!!