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アファンタジアの原因は?

最近、「アファンタジアの人とそうでない人が視覚的な心的イメージを経験してるときに、超高磁場7T-fMRIで脳活動を観察」という論文(未査読)が公開された。これ ↓

Visual mental imagery in typical imagers and in aphantasia: A millimeter-scale 7-T fMRI study
2024-12-07
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.06.14.544909v6

論文によると、アファンタジア(以降ア)を持つア民と、それを持たない非ア民において、視覚知覚(実際の目)と視覚イメージ(心の目)の脳活動を調べたそうだ。詳しくは知らないが、次の用語が登場した。

  • FP(左脳の前頭葉と頭頂葉の間)

  • EVA(後頭葉 ⇒ 視覚野 V1~V3)

  • VTC(側頭葉の下部)

  • FIN(側頭葉 ⇒ 左紡錘状回 ⇒ 紡錘状イメージノード)

論文によると、ア民と非ア民において、視覚知覚と視覚イメージの両方でFP、EVA、FINの三者が活発になったが、ア民に限ってはFPとFINのつながりが弱かったそうだ。

これが原因で視覚イメージの主観的経験を阻んでいる?(アファンタジアの原因かも?)とのことだった。

論文が難しくて理解がおぼつかないため憶測になるが、アファンタジアの人でも脳の視覚野(EVAつまりV1-V3あたり)に視覚イメージの投影が作られている(かもしれない)が、そのイメージの投影は意識上には現れない、つまり主観的な内的世界ではイメージを経験していない、ということなのかもしれない。

要するに、非ア民と同じように脳内ディスプレイ装置(EVA)には絵が映っているのだが、ア民の場合はそのディスプレイを見る「心の目」のほうの何らかの都合(FPとFINの連携が弱い)で、絵を見るという主観的な経験が阻まれている、ということなのかもしれない。

これ実は、なんとなく実感として分かるような気もする。自分は極ア民だから視覚的な心的イメージを経験したことは常に一切ないが、そのイメージ(のような何か)の視覚的な表現が意識上からはアクセスできないどこかに存在しているような気配のようなものを感じてそこに意識を向けるというのはある。


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