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アファンタジアは治るか?


1. はじめに

私たちアファンタジア当事者は、私たちだけに備わる貴重な主観的経験を持っていますが、洗練された客観的知識を持っているわけではありません。

ネット上にはアファンタジアに関する様々な情報が日々流れており、その見極めは容易ではありません。

では、私(あるいはあなた)のようなアマチュアが、ハイレベルなアファンタジア情報を得るにはどうしたらよいか?

それは、当代一流のアファンタジア研究者による最新の知見(論文等)にアクセスすることだと思います。

そんなわけで今回は、最も著名なアファンタジア研究者の一人であるジョエル・ピアソン教授(Prof Joel PearsonFuture Minds Lab論文検索)による動画を紹介します。

動画のテーマは「アファンタジアは治るか?」についてです。

2.「アファンタジアは治るか?」の動画を紹介

CAN WE CURE APHANTASIA?(アファンタジアは治るか?)
by Prof Joel Pearson(ジョエル・ピアソン教授)
2024-10-15
https://www.youtube.com/watch?v=4UKL0mWOu_w

動画の音声は英語です。私の英語能力は非常に低いため、以下のツールに頼りました。

動画音声をテキスト化(月10時間まで無料)
https://www.gladia.io/

翻訳AI(無料)
https://translate.google.com
https://www.deepl.com

その他のAI(無料)※翻訳を指示をすれば翻訳してくれます
https://chatgpt.com
https://claude.ai
https://gemini.google.com

3. 動画の音声を超意訳(日本語)

※以下の日本語訳文(超意訳)は必ずしも正しい内容とは限りませんので、取り扱いに注意してください。正しい内容を理解するためには、動画の音声と照らし合わせてください。なお、以下文中の【🍅】箇所は私の個人的なコメントです。

アファンタジアは治るか?
by ジョエル・ピアソン教授
2024-10-15
https://www.youtube.com/watch?v=4UKL0mWOu_w

こんにちは、Future Minds Lab のジョエル・ピアソン教授です。私はオーストラリア、シドニーのニューサウスウェールズ大学の教授ですが、あちこち旅をしていますので、みなさんの近くにいるかもしれません。

今日は、アファンタジアについて、そしてそれは「治るのか?(curing)」について少しお話ししたいと思います。ただし、「治す(cure)」という言葉は、そこに何か問題があるという前提を含んでいるように聞こえますが、実際はそうではありません。
【🍅アファンタジアの文脈で「治る」「治す」「治療」といった表現には違和感があるので自分はまず使わない】

ほぼ毎日、誰かからメールが来て「イメージを持てるようになりますか?」という質問を受けます。今日は、私たちが知っていること、まだ分かっていないことについてお話ししたいと思います。

私たちは以前、アファンタジアでない人々を対象に、1日1時間、5日間のメンタルイメージのトレーニングを行う研究をしましたが、メンタルイメージ自体の改善は見られませんでした。ただし、メタ認知(自分の思考や認知に対する気づき)と呼ばれるものには改善が見られました。つまり、イメージの客観的な測定値と主観的な感覚の差が縮まったのです。
【🍅つまり思い込みが解消されただけ】

別の研究では、微弱な電流を頭蓋骨と脳に流す直流刺激を試みました。頭皮にちょっとしたチクチクした痒みを感じる程度で、大きな問題はありません。その結果、イメージの強さを上下させることができることが分かりました。効果は劇的ではありませんでしたが、明らかに有意な結果でした。ただし、長期的な効果はありませんでした。
【🍅局所への人為的チートでイメージに干渉できる証拠は得られた】

私たちが考えているのは、トレーニングと脳刺激を組み合わせることで、より長期的なイメージ強度の変化を引き起こせるかもしれないということです。これらの研究では、後頭部【🍅視覚野 ⇒ 大脳皮質の後頭葉に位置していて視覚情報を受け取る脳の領域】の神経細胞の活性度(皮質の興奮性)が、全体的なイメージの強さに大きく関与しているという証拠も得られました。
【🍅だが持続性が課題】

しかし重要なのは、これら研究はアファンタジアの人々を対象としたものではなく、すでに何らかのイメージ能力を持っている人々を対象としていたということです。明らかな疑問として、イメージが全くない人に「イメージを練習しなさい」と言っても、何を練習すればいいのか分からないですよね? 例えば、中国語を全く知らない人に「練習しなさい」と言っても、まず言語そのものを学ぶ必要があるのと同じです。
【🍅その疑問は正しい】

最近では、サイケデリクス【🍅幻覚作用のある薬物】に関する新しい研究が出てきています。精神健康の治療法としてのサイケデリクスが今、注目を集めています。サイケデリクスの研究を受けた後、メンタルイメージを得られたという興味深いケースが2、3例あります。これらの人々は研究前にはイメージがなかったと言っていますが、この段階では少数のケースに過ぎず、また事前にイメージを測定していなかったので、単に研究前後の記憶(主観)を比較しているに過ぎません。しかし、これには期待が持てます。サイケデリクスは神経の可塑性(脳が変化し適応する能力)に様々な興味深い効果をもたらすことが分かっています。つまり、脳には動的な可塑性があり、変化するということです。脳を少し再配線し、イメージ能力を得られる可能性があるのです。ただし、これについてはまだほとんど分かっていません。先ほど言ったように、数例のケーススタディがあるだけです。
【🍅医学的・学術的には興味深い研究だと思うが、個人的には興味なし。体験したいとも思わない】

ここで、潜在的な危険性について触れないわけにはいきません。強いイメージは不安やPTSDの原因となることが分かっています。例えば、統合失調症の人々は非常に強く鮮明なイメージを持っています。パーキンソン病で幻覚を見る人々も、強いメンタルイメージを持っています。つまり、強いメンタルイメージは神経学的・精神的な健康上の課題と関連しているのです。このシナリオを考えてみてください。これまでイメージがなかった人が、研究に参加して1、2週間後に強いイメージを得たとします。しかし、それをコントロールする経験がないわけです【🍅これは重要な指摘】。ランダムにイメージが頭に浮かんでくるかもしれません。夜眠れなくなるかもしれません。あるいは、PTSDのように、人生のトラウマ的な経験や記憶の不快なイメージが浮かび、深刻な問題となり、そのイメージを消すことができないかもしれません。これらがそうなるのかは、まだ分かっていません。研究を続ける必要がありますが、非常に慎重に行う必要があります。なぜなら、人々にイメージ能力を与えた結果、彼らも私たちも後悔し、それを消すことができないという状況は避けたいからです。
【🍅この懸念を軽視してはならない】

また、イメージ・ストリーミングについても触れたいと思います。YouTubeで検索すると、イメージ・ストリーミングについて話す多くの動画があり、このプロセスでイメージを得られたと主張する人々がいます。しかし、私たちはまだこれについての科学的研究を行っていません。彼らが本当にイメージを得ているのか、それとも単にイメージに対するメタ認知(自分の思考や認知に対する気づき)が調整されただけなのか分かりません。つまり、イメージ自体は変化していないが、既に持っているものへの認識が変化しただけかもしれないのです。これは興味深いトピックであり、さらなる研究が必要です。

【🍅イメージ・ストリーミングが具体的にどんな行為を指しているのか不明だが、視覚的イメージを豊かにすることを目的としたトレーニングだとしたら、個人的には興味なし(意味ないので)。その他に、精神系(スピリチュアル)や啓発系(コーチング)なんてのも散見されるが(有料含む)、こちらも興味なし】

この動画を見ている科学者の方々にも呼びかけたいと思います。より多くの研究が必要です。そして、それらは慎重に、そして科学的に行う必要があります。イメージがない人にイメージを与えることは可能でしょうか? おそらくできるでしょう。でも、それを望むべきでしょうか? それは分かりません。今日はここまでです。興味深い内容だったことを願っています。すぐにイメージを得ようとするのは控えめにして、よく考えてみてください。

【🍅こういった「恐れ」を抱ける研究者の存在は貴重だ。得ることばかりに焦点を当てるのではなく、失われるかもしれないものについても考えなければならない。例えば、私たちアファンタジア当事者の多くは先天的に心的イメージの経験がない代わりに、後天的に発達した代替戦略すなわちオルタナ能力(知恵や工夫)として言語活用や抽象化、論理力、空間把握などがあるかもしれない。これら能力は強力な武器になり得る。イメージ能力の開発やサポートも結構だが、それによってアファンタジア当事者が無自覚に自然に育んでいるかもしれない才覚の維持や獲得をかえって邪魔することになる可能性も忘れてはならない。とくに脳が未発達の子供の場合はなおさら】

最後に、この動画が気に入ったら、ぜひチャンネル登録して「いいね!」ボタンを押してください。そして、アファンタジアの心的イメージや人間の心に関するその他のトピックに関する最新情報を入手するには、ぜひフォローしてください。

4. 動画の音声をテキスト化(英語)

※以下の英文は必ずしも正しくテキスト化したとは限りませんので、取り扱いに注意してください。正しい内容を理解するためには、動画の音声と照らし合わせてください。

CAN WE CURE APHANTASIA?
by Prof Joel Pearson
2024-10-15
https://www.youtube.com/watch?v=4UKL0mWOu_w

Hi, Prof Joel Pearson here for Future Minds Lab. I'm a professor at the University of New South Wales in Sydney, Australia, but I get around a bit. I travel all over the place, so I could be in your neck of the woods. I'm going to talk a little bit about aphantasia and can we cure it? But curing it, yeah, again, suggests there's something wrong with it. It's a problem. It's not. Almost every day, someone emails and reaches out and asks the question, Can you give me imagery? I want to just tell you what we know, what we don't know. Can we give people imagery? You have aphantasia. We did a study a while back where we had people train on mental imagery for one hour each day for five days and we didn't see any improvement in their mental imagery. We did see improvement in what's called metacognition. In other words, our objective measures of imagery and their subjective sensation of imagery are different. came closer together. In another study, we tried direct current stimulation, which is like running a very weak current off a little battery through people's skull and through their brain. Feels a little tingly and itchy on the scalp, but not a big deal. And we found that we could up or down regulate imagery strength. These weren't massive effects, but they were clearly significant. They weren't long lasting. What I think we could do... is combine a training regime plus this brain stimulation thing to potentially drive longer-lasting changes in imagery strength. That same paper provided good evidence that cortical excitability, just how active the neurons are in the back of your head, was a large contributor to overall imagery strength. Now, importantly, we didn't run that study on people with aphantasia. People in that study had some level of imagery already. So the obvious question is, if you don't have any imagery and we're telling you to practice imagery, how do you know what to practice, right? If you've never spoken a different language, let's say it's Chinese, and I say, just go and practice that. First, you've got to learn what the language is before you can just practice it. So newer stuff coming out on psychedelics. So psychedelics as a treatment for mental health is now a big deal. And there are a couple of interesting, really interesting cases showing that people who have gone through a psychedelic study came out the other end with mental imagery and they're saying they didn't have imagery before they went into the study but it's only sort of two or three people at this stage and it was retrospective which just means they no one measured their imagery beforehand so they're really comparing their memory of how they remembered imagery beforehand with the imagery afterwards but there's something promising there we know that psychedelics does all kinds of cool stuff to neural plasticity So how your brain is dynamic and plastic and changes. So it may in fact cause your brain to rewire slightly, giving you some imagery ability. Again, we don't know much about this at all. Just like I said, a couple of case studies. I'd be remiss if I didn't mention the potential dangers in all of this. We know that strong imagery is a driver behind anxiety, PTSD. We know that people who have schizophrenia, for example, have very strong, very vivid imagery. We know that people who have Parkinson's and visual hallucinations have very strong mental imagery. So there's this whole side that mental imagery and strong mental imagery is associated with neurological and mental health challenges. So we need to keep that in mind. So here's a scenario. Let's say you've never had imagery. We run the study and then bang in a week or two, you have strong imagery, but you don't have the experience in controlling that, right? You have these images popping into your head at random times. Maybe it stops you getting to sleep at night. Or maybe it becomes more like PTSD where there are images of nasty things, of traumatic experiences or memories in your life and it becomes really problematic and we can't switch the imagery off. So where do we stand then? So we don't know if this is the case yet. Again, we need to run the studies but we have to run them very carefully because we don't want to be in a situation where we've given a bunch of people imagery and they regret it and we regret it and we can't switch it off. I also wanted to mention... Imagery streaming. Now if you've searched this on YouTube, you will have seen a lot of videos of people talking about imagery streaming and people claiming they get imagery through doing this imagery streaming process. We haven't done the science for that yet. We don't know if they're getting imagery. They may just be adjusting their metacognition of imagery. In other words, their imagery doesn't change. It's just their awareness of what they already have changes. Again, we don't know. It's an interesting topic. We want to study more and I shout out to the scientists watching this. We need to do more studies in this. We need to do them carefully and of course scientifically. Can we give you imagery if you don't have it? Probably. Do we want to? Maybe. So that's a wrap for today. I hope that was interesting. Don't rush out and try and give yourself imagery just yet. Think deeply about it. If you like this video, yeah, subscribe, hit the like button. The algorithms love it. And yeah, follow us for more updates on aphantasia mental imagery and other topics about the human mind.



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