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迷子犬猫の探し方

 殺処分ゼロを目指す私達にとって、迷子にさせない、迷子になった子が飼い主さんの元へ無事に帰る事はとても重要です。万が一、大切な家族であるワンちゃんネコちゃんが迷子になった際、飼い主さん自身が捜索する為のマニュアルとして役立てて頂きたく、この連載をスタートする事にしました。この連載が終了する頃には読者の皆さんも「ペット探偵」になれるかも!?ぜひたくさんの方がペット捜索のノウハウを学んで頂けたらと思います。

ペット捜索大まかな要点

完全室内飼猫 
家の周辺に隠れている可能性が高い。フリーズ(物陰に隠れてじっと)している。その状態が10日ほど続く可能性もある。
外に遊びに行く猫 
帰りたくない(同居猫と不仲、発情など)、帰りたくても帰れない(他の猫の縄張りに入り動けない、事故にあって動けない)理由がある。捜索範囲は広くなる。
小型犬 
猫の捜索とほぼ同じ。小型犬は人為的な要因(持ち去りなど)も考えられる。
中型、大型犬
思っている以上に移動が早く、長距離を移動するので素早い対応が重要。逃げた方向が分かっていればその方角を、分からなければ円を描くように電柱等にチラシを貼っていく。

上記を見てもらったら分かる通り、猫であれば飼い方、犬であれば体格によって捜索の仕方が大きく違ってきます。また捜索する前(犬は特に)に連絡しておかなければならないところを下にまとめました。連絡先が複数ある理由は窓口が統一されてなく、保護してくれた方は迷子札に電話番号が載っていなければどこに連絡していいか分からず市役所に連絡したり保健所に連絡したり様々な行動をとるからです。この事でも迷子札がどれほど大切かよく分かりますね。

最初に連絡すべき所

①地域の市町村役場
②最寄りの警察署
③地域の保健所
④動物愛護センター(高知は小動物管理センター)

上記以外に連絡すべき場所として地域の動物病院があります。理由は事故などで負傷した場合、心優しい方が病院に連れて行ってくれている可能性があるからです。また動物病院はペットの飼い主さんが集まる場所なので情報が集まりやすくなります。チラシなどを作った場合は必ず持っていって掲示してもらいましょう。また残念ながら事故などで亡くなってしまった可能性も
あります。連絡するのは辛いですが道路の維持管理を担当している所にも必ず連絡をしましょう。

勇気が要りますがこちらにも連絡を

(事故で亡くなった動物の記録がこちらにあります。※高知県の場合)
2桁の国道を担当
土佐国道事務所 Tel:088-884-0359
3桁の国道と県道を担当
高知県土木事務所(県内に15事務所あります)
市町村道
各市町村(担当は各市町村によって違うので電話で聞いて下さい)

捜索の基本1 チラシ作り

迷子のペットを探すのはとても大変です。記憶に新しい「スーパーボランティア尾畠春夫さんが時の人となった、山口県周防大島町の2歳男児、行方不明事件」の場合でも発見まで3日、延べ550人を要しました。人間でもこんな状態ですから行動が読めない犬や猫を自分達だけの力で見つける事はとても困難です。チラシを作り他の方の目に頼るのはとても大切で効果的な方法です。

・犬(猫)を探している事がパッと分かるようにしましょう
・特徴が分かりやすい写真を出来るだけ大きく載せましょう
・電話番号は大きく載せましょう

チラシが出来たら配りましょう

犬の場合(中型、大型)
・電柱などにどんどん貼っていくのが基本です。
・きっちり貼る必要はありません。
・ポスターは最低200枚は必要です。
・逃げた方向が分かっている場合はその方向を中心に
・分からない場合は逃げた地点を中心に半径300mで円を描くように貼ります

猫の場合
・電柱張りとポスティングを並行して行います
・ポスターはA4サイズ、ポスティング用はA5サイズで十分です。
・ポスティングとチラシ張り、初回は半径100m以内で十分です。

捜索の基本2 チラシの張り方

先程は、チラシの作り方を説明しました。今回は作ったチラシの張り方をご説明します。
張り方の良し悪しでチラシを見てもらえる確率や情報をもらえる確率が大きく変わりますので正しい張り方をぜひ知って下さい

犬(中型犬以上)のポスターの張り方

移動した方向が分からない場合は囲み張り
①地図にコンパスを使って半径300mの円を描く
②円を参考にして道路にマーカーで印をしていく
③地図を見ながら貼っていく
④円の外で目撃情報が入れば円の半径を広げて貼る

移動した方向が分かる場合は弓張り
①弓の形を地図に書いてそれを参考にして道路にマーカーで印をしていく
②地図を見ながら貼っていく
③弓より先で目撃情報が入れば弓の大きさを広げて貼る

室内飼猫が脱走した場合の探し方

いよいよ探し方のポイントを説明していきたいと思います。まずは比較的探すのが簡単な室内猫が脱走した場合の捜索方法を学んでいきましょう。

ポイント1猫ちゃんは意外と近くにいます!

猫は環境の変化が苦手な動物です。好奇心でお外に出てみたものの、知らない臭いや色々な音で猫は不安でいっぱいになりとにかく身を隠したくなります。誰にも見つからないようとにかくじっとしています。その状態が長い子だと一週間近く続きます。いわゆるフリーズという状態です。大体の場合、自宅の敷地内か隣のお家ぐらいでじっとしている事がほとんどです。いなくなって1週間程度は徹底的に家の周囲を捜索して下さい。きっと猫ちゃんは見つかります。

ポイント2 猫はかくれんぼの天才!

初めて家に来た猫が家の中で隠れてなかなか見つからずビックリするような場所で見つけた経験がある方も多いと思います。猫は想像も出来ないような狭い場所にも入る事が出来るのです。家の周りを探す時は固定観念にとらわれず丁寧に捜索して下さい。きっと不安いっぱいでじっとしている猫ちゃんを見つける事が出来ます。

ポイント3 雨上がりは帰宅のチャンス

脱走した猫が雨上がりに帰ってくる事はよくあるそうです。なぜかというと色々な臭いが雨で流されるから。臭いに敏感な猫ちゃんは色々な臭いが怖くて怖くてジッとしています。その臭いが雨で流されたチャンスをいかして猫は動きます。雨が上がったら帰宅を信じて脱走したドアや窓を開けておくのも良い方法です。

ポイント4 トイレの砂をまいてみよう

脱走した猫ちゃんがいつも使っているトイレの砂を少量ずつ家の周辺などに巻いてみるのも良い方法です。理由は自分の臭いがして安心感がうまれるから。猫が姿を現したり無事に帰ってくる事もあります。ぜひやってみましょう!

室内飼猫が脱走した場合の探し方2

前回は探し方のポイントを説明しました。今回は実際の体験談を書いていきたいと思います。

ケース1
譲渡した猫を1周間足らずで外に逃がしてしまいちゃんと探さない里親

ケース2
旅行のため実家に預けた猫を、おばあちゃんが野良猫と間違えて追い出した

前回は私の体験談を書きましたが、今回はペット探偵の師匠、白澤実さんの体験談を書いていきたいと思います。

ケース3
実家から新居に連れて行った猫がすぐに脱走

ケース4
年に数回脱走する猫。いつもは数時間で帰宅。しかし今回は・・・

外出自由猫が帰宅しなくなった場合

外出自由の子が突然帰って来なくなる場合があります。
この場合大きく分けると

1、帰って来れない理由がある
2、帰りたくない理由がる

のどちらかになります。

帰って来れない理由
・事故などのアクシデントに遭い、ケガをした、亡くなってしまった。
・倉庫などに侵入して寝ている間に扉を閉められて出られなくなった
・他の猫の縄張りに入ってしまい身動きがとれない

帰りたくない理由
・発情して異性を追いかけている
・同居している猫や他のペットの事が嫌い

探す前にする事
上記のように外出自由猫が帰ってこなくなった場合、事故などのアクシデントに巻き込まれている可能性が高いです。お近くの警察、市役所、土木事務所、などに連絡し収容されてないか確認しましょう。国道の近くにお住まいの方は土佐国道事務所にも連絡しましょう。
また優しい方が動物病院に連れて行ってくれている可能性も十分に考えられます。周辺の動物病院にも連絡しましょう。

探し方
色々な事を想定して探す必要があります。

・事故などのアクシデントに遭い、ケガをした、亡くなっている場合
その場合、物陰など人目につかない場所でじっとして体力の解決を図っています。残念ながらそのまま亡くなってしまう場合もあります。見つけるのは相当に難しいですが丁寧に様々な物陰(側溝の中や軒下、植木の中など)を探して下さい。ちなみに昔から言われている「猫は死に目を見せない」というのは猫のこういった習性が原因で死に目を見せたくないわけ
ではありません。

・倉庫などに閉じ込められている場合
飼い主さんの呼びかけには反応するはずです。呼びかけた後、鳴き声が聞こえないかじっと耳を澄ましてみて下さい。

・他の猫の縄張りに入ってしまい身動きがとれない場合
探しながらその子が使っているトイレの砂を数粒ずつぐらい撒きましょう。自分のにおいがつく事で安心して帰ってくる場合があります。また雨が降った後も帰ってくる場合があります。理由は色々なにおいが雨で洗い流されるからです。

・他人の目に頼ろう
外出自由猫の場合は探す場所も範囲も多岐にわたります。自力で探すのは限界がありますので、他人の目に頼りましょう。チラシや貼る、ポスティングをするはもちろんですが、インターネットの掲示板等を利用する事も重要です。ネコジルシの「迷い猫掲示板」小動物管理センターの「猫を探しています」等に掲載してもらいましょう

以下に、実際の体験談を書いていきたいと思います。

犬が迷子になった場合

犬が迷子になる理由は様々あります
1、飼い主の油断
・室内飼いの場合、うっかりドアを締め忘れた。
・外飼いの場合、リードが切れかかっている事に気が付かなかった
・散歩時にうっかりリードを離してしまい、そのまま逃げた

2、アクシデント
・地震などの災害が起きはぐれてしまった。
・雷や花火などの大きな音にビックリし逃げたまま戻れなくなった。

迷子になった犬の探し方
犬の捜索でもっとも大切な事は「一刻も早く探す事」です。犬は猫とは違いどんどん移動し市町村をまたいで移動してしまう事も珍しくありません。時間が経てば経つほど捜索範囲はどんどん広がります。犬が居なくなったらとにかくすぐに探しましょう。
また犬の捜索方法は小型犬と中大型犬でやり方が分かれます。

小型犬の場合
・小型犬は猫の捜索に近くなります。それほど移動はしないのが普通です。また猫のように壁や屋根に登れない事を考えるとその点では探しやすいかもしれません。しかし小型犬で厄介なのは誘拐の可能性がある事です。小型犬の多くはいわゆる血統書付きのブランド犬だからです。捜索は居なくなった場所を中心にポスターやチラシを使い入念に聞き込みをしながら探していきましょう。捜索範囲はあまり広げなくて大丈夫です。

中大型犬の場合
・どんどん移動します。ポスターをどんどん貼りましょう。ポスターの貼り方は以下を参考にして下さい。


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