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若年性乳がん1回目その④/入院当日~手術直後の話|2003年当時
その③はこちら。
2003年3月。
私は両親とともに、入院先の乳腺専門病院へ向かった。
幸いなことに、当時の実家から車で10分の距離に、当時の「全国の名医100選」クラスの乳腺専門病院があった。
後継者がいなくなったためか、私が手術を受けたその病院は、この10年のあいだに入院設備が閉鎖されてしまった。
現在は、地域住民のための「乳がん検診専門クリニック」へと形態を変えて、診察を続けている。
現在院長を務めているのは、2003年当時の院長の息子(=2代目)である。
私が手術を受けたその病院は、入院施設閉鎖までのあいだ、約50年以上にわたり、5,000人を超える女性たちの手術や治療に当たってきたようだ。
2003年当時の私は25歳で、入院先の病院について名前は知っていたが、何を専門としている病院なのかすら知らなかった。
そのくらい、当時の20代女性にとっては、乳がんの存在は遠いものであったのだ。
入院当日から手術までの間の記憶は一切ない。
私が唯一覚えているのは、
術後に麻酔から目覚めたときの、
生まれて初めてレベルの「なんとも形容し難い違和感」だった。
それはまるで、胸に鉄板を嵌め込まれたような感じだった。
手術前の検査で、ある程度「どのくらい摘出することになる見込みなのか」は聞いていた。
それにしても、「脇の下のリンパ節を取る」ということが、こんなにも大変なことだとは想像もつかなかった。
当然と言えば当然なのだが、胴体と四肢のつなぎ目をごっそり摘出するのだから、影響が少ないはずはない。
無事に手術が終わっても、しばらくはこの違和感との格闘の日々が続く。
とにかく、腕があがらないのだ。
入院中に用意されていたリハビリの大半は、とにかく
約1ヶ月間の入院中に、腕を真上に挙げられるようにすること
日常生活に支障がでないようにすること
ひたすらこの目標に向かって、腕を挙げる毎日が続いた。
このリハビリを通して、同時期に手術を受けた仲間たちと仲良くなっていくのだった。
つづく。