福は内〜！

僕はみきお、みんな元気？みんなのお家では『豆まき』した？僕にとっては、４回目の『節分』だったんだよね。もちろん『豆まき』したよ！

姉ちゃんったら、オニさんのお面をつけて、僕を追いかけるんだ。「悪い子はいないかぁー！」ってさ。

それってオニさんじゃなくて『ナマハゲ』さんじゃないの？間違えたの？姉ちゃん……。そこ、大事なところだよ、きっと。

姉ちゃんがお面をつけただけのオニさんは、まったく怖くなかったよ。すぐに慣れちゃった。

僕が怖がらなかったから、つまらなくなった姉ちゃんは『豆まき』の準備を始めた。

姉ちゃんが放置したオニさんのお面は、机の上で寂しそうだった。

僕が、豆を口に入れたりしないように、個包装の豆を買ってきてくれてた。

家中を回って『豆まき』したよ。

「オニは〜外！福は〜内！」

ってね。僕ね、姉ちゃんの声の大きさに、びっくりしたんだ。オニさんのお面より、怖かったりして。ぷぷぷぷぷ。

母ちゃんが「心の中のオニも追い出さなきゃ」って言って、姉ちゃんに豆を体にぶつけてもらってたよ。母ちゃんの心の中には、オニがいるのか？？？だから……母ちゃんは怖いのか。うーん、納得。

姉ちゃんがニコニコして晩ごはんの準備をし始めた。なんだか海苔のいい香りがしてきた！

なに？ずいぶん太い海苔巻きねぇ。マグロやサーモンの香りもしてきたよぉー！美味しそうじゃん！

ニンゲンはいいなぁ、なんでも食べることができてさ。ずるいよ。

いじけそうな僕に、姉ちゃんが「みきおさんのごはんはコレね」って見せてくれた。

コレ、ごちそうじゃん！やったぜ！『節分』最高！『豆まき』最高！オニさんありがと！イェーイ！

姉ちゃんと母ちゃんは、やけに静かだな。気持ち悪いよ。どうしてふたりとも同じ方を見て食べてるんだ？

今年の恵方の『西南西』を向いて食べていたのか。食べている間は、話をしたらダメなんだ。せっかく美味しいものを食べているのに、食べ終わるまで話をしちゃいけないなんて、ウチの家族には、なかなかハードルが高そうだ。

やっと食べ終わって、いつものにぎやかさが戻ってホッとしたよ。

『七福海鮮大名巻』

すっごく美味しかったって！

『豆まき』して『恵方巻』食べて、うん、今年もみんな元気に過ごせそうだね！

姉ちゃん、どうしたの？またオニさんのお面つけて、そんな所に隠れちゃって。

あー、僕をびっくりさせようとしているんだな。

僕の方から、先制攻撃して、姉ちゃんをびっくりされてやるぞ！

勢いよく、姉ちゃんの前に飛び出した僕。

す、す、すみません……。

間違えちゃった。母ちゃんだったのね。しかも、

お面、つけてなーい！

ホントにごめんなさい。

でも、母ちゃんは、僕がオニさんと間違えたことに気づいていないみたいだ。

よかった。

今日から暦の上では『春』だね。僕の家はまだまだ寒いし、雪がふわふわ降ってるよ。風邪ひかないように気をつけよっと。みんなも気をつけてね。じゃあまたね、ニャンバーイ！