ジャガーさんの自伝
「ジャガー自伝」
元千葉県民としては読む意外の選択肢はないので購入。千葉県民なら皆知ってる?であろう、千葉の英雄ジャガーさんの自叙伝。
読めば「この人、どれだけハイスペックなんだ?」とびっくりする。仕立て屋やカフェ、ライブハウス、美容院経営…自社ビルの内装も自分で作ってしまう。更には千葉テレビの枠を自身で買取り、自分の番組まで流してしまう…。多くの人に影響を与えたあのサイケな電波系映像(褒めてます)は時代をいろんな意味で先取りしていた。
自叙伝というものは、ともあれば著者の自己顕示欲というものが滲み出てしまう…どんなに隠そうとしても言葉の節々から見え隠れしてしまうことが多い。「こんなに不遇だった俺が、ここまで這い上がった…俺は皆に感謝している」的な…。
ジャガーさんはこれだけハイスペという事実はありながら、その事実を淡々と述べているだけで、そんな顕示欲を感じるような読後感は一切ない。
XJAPANのhideさんが、ジャガーさんのライブハウスでアルバイトしていた話は有名だけど、それだけじゃなかった。あの時代の「木更津のあの人」が、後々に…という奇跡のような話には不覚にも涙してしまった。
懐が深くてやさしく、純粋で好きなことには真っ直ぐな方なんだろう。
あと後半にでてきたマネージャーのリーさん。きっとジャガーさん、好きなんだろうな。この本で遠回しに告白する、そんな可愛げの有るところも素敵だと思ってしまった(笑)。
また戦後の高度経済成長期を経てバブル崩壊、アクアライン建設を経て現在に至る千葉県の歴史も見えてくる。
これを読んだら誰しも…
「黙ってジャガーについてくぜ!」と思わせてくれる一冊。