パパ活嫌いの「すしや宣」口コミ/感想/レビュー 〜寿司屋か蕎麦屋か〜
閑静な住宅街としてセレブに人気なイメージのある街広尾。1kの家賃相場は14.3万円(SUUMO調べ)。広尾駅から徒歩4~5分の細道に最近オープンしたお寿司屋さん「すしや宣」にご縁あってランチに。
実は初めてなんですよね。広尾で降りるの。金持ちエリアと縁の無い漢としては、地下鉄から街に出るだけでやや緊張気味。台風が迫っているということもあり、大雨に打たれながら景観を楽しむ余裕もなくGoogleMapと睨めっこ。特に迷うこともなく目的地「すしや宣」に到着。
エレベーターの無い雑居ビルの3階にオープン祝いの花輪と高級寿司屋に似つかわしい店構え。12時からのランチに合わせて今日は7時起床。控えめな朝食とコーヒーで温めてきた胃がワクワクしている。
入店すると、大将がカウンター越しに席へ誘導してくださる。オープンたてで広報活動はこれからのようで、客は我々しかいない。贅沢な時間が始まる。
最初にドリンクメニューを渡されるが「ビアーの小瓶」が700円と、この手のお寿司屋さんにしては懐に優しいドリンクメニュー。ランチの寿司で酒を飲まない派閥の私。初手「ジンジャーエール500円」を選択。
さて、ドリンクも来たところでコースがスタート。
1品目はタコの柔らか煮、キンカントマトと青のりのみぞれを添えたもの。まずは手元のキンカントマトからいただくわけだが、こいつが糖度の高さはなんとなく感じるものの甘すぎず、とはいえ酸味が強すぎずと不思議な感じ。
それから甘辛く煮つけたタコとやや自己主張の強い青のり。
「ランチの寿司で酒を飲まない派閥の私。」
ここらでまずは茶色の小瓶を一本追加。これは流石に飲まずにはいられない。
2品目は彩野菜のマリネ。こちらお魚さんはカツオのたたき。皮目をパリッと炙ったものと、身だけのものが2切れづつ。どちらかというと皮のついた方が好き。
3品目はひらめの昆布締め。ここから握りがスタート。昆布締めにしたひらめに塩とすだちで味付けしたもの。昆布締めって好きなんですよね。なんかこう、グルタミン酸とイノシン酸的なサムシングが旨味の相乗効果をわちゃわちゃする感じが。
4品目は漬けマグロ。タコの軟らか煮を食べてるあたりから漬け始め、ひらめをいただいている途中で漬け汁から出す様子を見てワクワクしていたが、意外と早めに登場。
筋の無い赤身。色が綺麗。"ぬるり"としていて、なんかめっちゃすけべな感じの舌触り。もちろん味もいいんだけど、舌触りが特にどすけべ(褒め言葉)。
5品目は中トロ。漬けマグロからの中トロ。序盤の山だね。口に入れた瞬間にとろける。あぶらすっご。超良い牛肉と同じような感じの口溶け。握っている間に溶けそう。うまくてスマホを落としちゃった。
6品目はイカ。味付けは最初のひらめと一緒ですだちと塩。昔は寿司って醤油で食ってばっかだったけど、最近イカはすだちと塩の方がスタンダードな気がする。隠し包丁がいい感じに入っているおかげか、スッと噛み切れる。
7品目はのどぐろの炙り。のどぐろは煮付けとか焼きは食べたことあるけど、寿司は初めてだな。うんうん。うまい。挟んでいる海苔も良い奴なのかな。香りがいい。寿司ネタって基本的に冷たいから、中盤で暖かいネタを挟んでくれると嬉しいよね。
8品目は春子鯛。こちらも寿司ネタとして初めて食べました。タイの稚魚という事だが味が落ちるということもなく、しっかりと海を主張してくる。皮を広めに切っているようで、食感がサクサクしている。
9品目はしめさばの3枚握り。しめさばの薄切りを3枚で握ってくれた。美しい。寿司のおまかせコースを食べていてネタというより握り方でびっくりできるのは嬉しい。
10品目は煮ほたての握り。やはり暖かいものを挟んでくれると嬉しい。ほんのり甘く煮つけたものの味のしっかりしたホタテ。ゆずの香りが心地よい。
11品目はシマエビ。こちらのシマエビ、プリプリで甘い。その役割は甘エビの寿司屋が多いと思うが、ここは大将の心意気でシマエビ先生が登場。私は甘エビよりこっちの方が好き。2枚で握っているらしい。1枚でも3枚でもダメ。2枚だからこのうまさが引き出せるとのこと。
12品目はあなご。こちら、シマエビを食べてる最中に焼いていたのだが、その時点で香りがすごく、あなごに意識を半分乗っ取られていたのは私だけでは無いはず。握りのラストはやっぱりアナゴよね。甘くておいし。
美味しいお寿司をいっぱい食べて気持ち良くなっていたが、ここからが「すしや宣」だった。
13品目は自慢の手打ちそば。
正直、寿司に関しては「価格帯に相応しいうまい寿司」としての満足度(十分うまい)。
しかし、そばに関しては今まで食べた中で1番うまい。めっちゃ香り高いそばに、鮑で出汁をとったつゆ、具には鮑。
ここで中途半端なそばを出されたら
「おいおい、店主の趣味に付き合わせる気か?せっかくの寿司が台無しだぜ!」
となるところだが、そこは大将が絶対の自信を持つ手打ちそば。
「もう蕎麦屋になった方がいいんじゃないか?」
私の"うまいそば"というジャンルの食事を嗜む経験が足りていないことを差し引いても、これはさっすがにうまいそばだった。
わさびを乗せて一緒に啜る。
これよ。寿司屋のわさびとうまいそば。
最後はそば湯をいただき体もぽかぽか。
「そばや宣」
完全勝利ですね。
まだ終わりじゃない。デザートだ。
14品目はデザートのわらび餅とバニラアイス。
分解する前の巨大わらび餅。どこかで見たと思ったら「ドラえもん のび太のねじまきシティ冒険記」のラスボス的なあれだ。
大将写真映えの良い角度でわらび餅をキープしてくれるも、徐々に前のめりになってくる。まさかここに来てテンションピークに。
できたてほやほやのわらび餅とお手製のバニラアイスを盛り付けて、黒蜜をかけていただく。
なんだこれは、べらぼうにうまい。申し訳程度に出てくるデザートとは訳が違う。
木箱に入ったアイスクリームもしっかりこだわっているようで、このアイスクリームだけを販売してくれたら間違いなく買う。
もはや寿司ランチをキメた後にちょっと甘味屋に寄ったようなレベルのデザートが出てきた。
「甘美屋宣」
完全勝利ですね。
すしや宣 レビュー/感想 まとめ
お値段 :1万(ドリンク込み)
コスパ :めちゃくちゃ良い!寿司のクオリティはこの値段帯の上限に近い
パパ活注意報:今はまだ大丈夫だけど、これからはパパ活でも大人気の店になりそう。気をつけていきたい!
すしや宣。大将も実は寿司よりそばの方が自信あり、蕎麦屋か寿司屋かで迷ったとのことだったが、正直私もそばの方がハイクオリティに感じた。
とはいえ、蕎麦が一歩抜き出ているだけで寿司そのものの満足度も高い。
寿司 -> そば -> デザート、うまい -> めっちゃうまい -> やばい の流れ。それぞれ専門店として出しても客が入るような感覚。
現在はオープンしたてでまだ客も知り合いがメインとのことだが、すぐに予約困難店になりそう。ごちそうさまでした。
MVPは…デザート!