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ペミカン再発見
暑い夏になると、手に取る本があります。
「世界最悪の旅」アスプレイ チェリイ ガラードによる、南極大陸でほぼ全員が死亡したスコット隊の実話です。作者は、第一次帰還のメンバーになり、生還した方です。学者らしく、誇張のない文章ですが、恐ろしい迄の寒さと、度重なる不運の描写に、読み進みと身体が冷えきって行きます。
私の高校時代の英語の教科書に、スコット隊の話が載っていました。今際の際のスコットが、遺族となる方々へ、隊員の最後を知らせる文章を書き、最後に神に自分達の家族を見守ってください、と書いた文の写真も載っていました。
スコットについて調べると、本当に素晴らしい人であったことがわかります。まだ十代で、南極探検をする人材を探していた人物に、「彼なら、やれる。」と見込まれたのです。そして、先の本を書いたガラートに、「もし、もう一度南極探検が行われるとして、隊長がスコットなら参加する」と、言わせた人物。
私が敬愛する人物の一人です。
この頃の探検隊の、食糧として用意されたものがペミカンです。油脂と肉、ナッツなどを練りあげたものです。当時の作り方を調べて、あまり美味しく無さそう、と思ったものです。
Noteに書くのに、名前が間違いないか調べてみたら、最近のペミカン、随分美味しそうに、直ぐシチューにも使えるように進化していました。ただ、バターを多用するので、冬場でないと溶けてしまうようです。
火の気のないテントで、暖めることもなくペミカンを食べ、それも尽きてしまったスコットと隊員。
猛暑にだらけることなく、自分の時間を大切に生きようと、再認識します。
以前、英国出身の友人に聞いたら、スコットの二人の息子の一人は、鳥類学者になり、本も出されているそうです。スコットの祈りは、届いたのでしょうか。