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油揚げの大きさは

子供の頃、「おいなりさんを作るときは、小揚(こあげ)を使うのよ。以前、油揚げで作った人がいて、皆に笑われたの。」と母が言っていました。

何でその人は、油揚げでおいなりをつくったのか、ずっと不思議に思っていました。油揚げで作ったら、かなり大きくなってしまうのに、と。

疑問が氷解したのは、東京で暮らすようになってからです。東京の油揚げは、宮城の小揚の大きさだったのです。宮城では、普通の油揚げは、小揚の倍位の大きさでした。

きっと大きなおいなりを作ってしまった方は、東京の方だったのでしょう。宮城に2サイズの油あげがあることを知らず、お豆腐屋さんで油揚げをたのんだのでしょうね。スーパーだったら、並んでいるのを見て、大きさがわかったはずですから。


京都の久在屋さんの油揚げも、普通の大きさ(それでも、かなり大きめ)とその倍位ある大というのがあります。肉厚で、煮物にすると、噛んだ時に口の中に、旨味たっぷりの煮汁が広がり、とても美味しいのです。

一つ気になっているのは、この大って、このサイズを必要とする郷土料理でもあるのかしら、ということ。

京都は世界的にも有名な場所だし、雑誌やテレビのグルメ特集にも、良く取り上げられていますが、そんな料理は見た記憶がありません。

先年亡くなられた料理研究家の坂本廣子先生が、とうふの炊き込みご飯の郷土料理について書いたものを読んだことがあります。そういうものがある、と言う話を聞いて、何年も探したら、一つの集落でだけ作られている料理だったという話です。

もしかしたら、この特大の油揚げも、そんな起源を持っているのかしら?

だれかご存じの方がいたら、ぜひお知らせください。<(_ _)>

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