朝のトーストにはママレード
朝食のトーストにバターを塗って、ママレードを塗る、というのが英国風。私も大好きな食べ方です。ママレードのほろ苦さが、朝の目覚めにつながるような氣がします。
大抵のジャムは、果物の産地が発祥の地ですが、ママレードは違います。ママレードは、スコットランド生まれです。一説によれば、スコットランドの女王メアリの幼少期、本当に具合が悪かったのか、仮病だったのか「具合が悪い」と言って、ママレードをねだったそうです。マルというのがフランス語の「悪い」、「王女」がレン「女王」がレーヌなので、その音を採ってママレードという名前になったそうです。
オレンジの北限が、日本だと宮城、秋田位ですから、緯度が樺太と同じ位のイギリスでは、育てるのが難しいと思います。メアリ女王のころは、高級な輸入品だったはずです。流石王族、高級品をおねだりしていたわけですね。
柑橘類のジャムの作り方は色々あるのですが、イギリス風だと、種以外はみんな使うので、皮と実の間の白い部分(苦みになります)も使います。ほろ苦く作るやり方ですね。使うのは、木のスプーン。金属のスプーンで作ると「靴墨の味になる」と向こうの方は言うそうです。私の母は、「金気臭くなる」と言っていましたが、イギリスの味覚は違うのかしら?
高級スーパーのジャムの棚に並ぶママレード、スコットランド産のものにはウィスキー入りもあって、なかなか美味しそうです。メーカーの名前にMcなどというのがあるのも、スコットランド風。Mc●●というのは、スコットランドの言葉で、「●●の息子」という意味です。そう、あの有名なMcDonaldも、Donaldの息子という意味なんです。創業者のルーツが分かりますね。