おでんの季節
寒くなってくると、鍋物が嬉しいですね。材料をそろえて、だしを用意すれば、食卓で調理するので、あまり時間がかかりません。おでんや、水炊きのように、予め煮込まなくてはいけない鍋物もありますけれど。
おでんと言えば、数年前に廃業した築地の佃權のおでんは、おいしかったですね。イワシ団子、エビ団子、さつま揚げなど、色々な種を取り揃えて、実家の両親に送ったら、とても喜んでくれました。実家は宮城ですから、下手な海産物や練り物を送っても喜ばれません。でも、佃權なら喜んでくれる、と信じて送ったのでした。
廃業の翌年、友人達と築地に行く機会があり、場外の佃權の店舗を見つけました。ここにあったのだなという思いと、こんなに小さかったんだという驚きがありました。まあ、工場は他にあったのでしょうけれど。
佃權に味が似ているという商品を紹介されましたが、佃權には及びませんでした。どなたか、佃權のレシピを買い取って、あの美味しいおでん種を復活させてはいただけませんか? 今なら、作り方の秘伝を知っている職人さんと連絡を取ることも可能でしょう。 あと何年か経ったら、連絡がつかなくなってしまうこともあり得ます。
おでんの具材、味付け、すこしづつ地域の特色がありますね。関西だと牛筋、たこが入ったりします。名古屋だと、薄味にして田楽仕立てでしょうか。関東だと、ちくわぶがはいったりします。
私は上京してから、おでんに牛筋を入れるのを知って、大好きになりました。圧力鍋で下ごしらえして冷凍しておけば、作るときの手間は、そんなにかかりません。ただ、牛筋をいれると、おでんの汁の日持ちが良くないのはどうしてでしょうか。ひざを悪くして、通院している身の上としては、コラーゲンの摂取を心掛けたいところなのですが。
牛筋を知らなかったころ、銀座のお多幸に連れて行ってもらい、大根と卵ばかり注文して、女将さんに叱られたこともありました。当時は、あまりおでんが好きではなくて、美味しいと思ったのは大根と卵だけだったのです。今おもえば、おでんの名店だったのですから、他の具材も色々試してみればよかったですね。