ゆずと銘菓と
もうすぐ冬至。冬至というと、ゆず湯とかぼちゃがつきものだけれど、子供時代は、柚子は高級品でした。実家は宮城なので、柚子などの柑橘類生育の北限に近かったため、柚子は買わないと手に入らないのです。
今は、鎌倉暮らしなので、リスの魔の手を逃れた柚子を使います。少々傷がついていても、入浴用なら惜しげなく使えますからね。柚子は高級品と言う記憶の刷り込みがありますから、とても贅沢な気分になります。
ゆずを使うというと、金沢のゆべしでしょうか。ゆずをくりぬいて味噌をベースにした詰めものをして蒸し、乾燥させて、薄切りにしていただくもの。どちらかというと、おつまみ感覚のものでしょうか。仙台のゆべしは、柚子は使わないもので、くるみゆべし、ごまゆべしという餅菓子です。初めて金沢のゆべしを知った時は、あまりの違いに驚きました。確かに柚子を使っているので、ゆべしですね。仙台のゆべしは、それを模したものだったのでしょうか。
お正月のおなますに柚子の細切りが入るのも、このあたりだと柚子を無駄なく利用という感じでしょうか。仙台だと高級感がでたのですけれど。
ゆずを使ったポン酢、最近ではジャムやケーキもあります。色々新しい使い方が出てくるのを見るのは、楽しいですね。
柑橘類と言えば、オレンジを使ったママレードの発祥の地は、スコットランドなのです。一説によれば、まだ幼い頃のメアリ女王が、病気になったふりをしておねだりしたから、マル・レーヌ(具合の悪い・女王)が名前の由来とか。オレンジの育たない所であるから、オレンジも当然砂糖も高級品。かなり贅沢なものだったのでしょうね。
イギリス風の作り方だと、オレンジの種以外は捨てないで、余さず使います。これもオレンジが高級品だった名残でしょうか。
と、すると柚子を使った銘菓が、北国で生まれる可能性もありますね。この不況の時代、新しい産業、町おこしの起爆剤となるようなもの、期待しています。