マニュアルよりも大切なこと
コロナの影響が飲食店を直撃しています。時間の制限やら、人数制限、滞在時間の制限とか、どのお店もやりにくい事、この上無いと思います。
そんな中でも、新しいお店が出店します。諸々の制限を受けても、大丈夫なような注文システムを採用していたり、電車を乗り継いででもゆきたくなるような物語のあるお店だったり。
今、話題なのは、あの「ローマの休日」のスペイン広場でオードリーヘップバーンが食べていたアイス屋さんの支店が、新宿エストにできたこと。イタリア大使館の協力のでできた日本一号店なのです。
新宿に出かけた娘が、「美味しかったけど、3種こんもり盛り上げているうえに生クリームだと、ちょっと食べにくかった」と言っていました。
娘が目撃した話なのですが、年配のご婦人が「5つ」と言う注文をなさり、会計を済ませた後で、「持ち帰りのパックにしてね」と言ったら、「持ち帰りの容器がないので、持ち帰りは出来ません」と言われてしまっていたとか。ご婦人は「それ、先に言ってね。私、こんなに食べられないわよ。悪いけど、注文キャンセルさせてください。」とおっしゃったとか。
スタッフも新しい方ばかりで、不慣れなのはわかります。ですが、ボリュームのあるアイスを一人の女性が注文したら、(これは、一人では食べきれない量だから、持ち帰りの希望かしら?)と氣がつかないものでしょうか?その段階で、「今、お持ち帰りの容器がないのですが?」と質問していれば、レジの打ち直しも、返金処理もいらなかったはずです。
昔の上司が、○○〇ッキーで一番大きな器に入ったバレルというのを注文したら、「こちらでお召し上がりですか?」と聞かれたとか。「いくらなんでも、あの量を一人で食べるわけがないじゃないか」と怒っていました。マニュアルに、そう書いてあるのかもしれませんが、一人で来店したお客様だったら、「お持ち帰りでよろしいですか?」と尋ねるべきではないでしょうか。万が一、大食い選手権に出るような方だったら、「いや、ここで」ということになるかもしれません。ですが、ほとんどのお客様にとっては、確認の質問と受け取れ「はい、お願いします」と、悪感情を抱くことなく、答えたくださるはずです。
お店の接客を、どの従業員も同じレベルにするためにマニュアルはあります。ですがマニュアルの通りにしていれば、正解というのではないのです。一番大切なのは、お客様が何を求めているかを、お客様の様子から読み取ることです。
マニュアルは、どの従業員もできるようなレベルのものです。お客様の状況を見て対応できる従業員なら、その上の対応をしなくてはならないのです。この対応に好印象を抱いたお客様が、リピーターになってくださったり、SNSやお知り合いに情報を流してくださるのです。
マニュアルどおりにしていればいい、というのは機械の操作だけだと思います。人間を相手にしているのですから、相手の様子を見ることが、何より大切なのです。