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買ってくるものは

大学生の頃、父は単身赴任、姉は就職して家を出たので、母と二人暮らしをしていました。

大学生の生活は、学校のカリキュラム次第で、早く登校して早く帰宅したり、午後から登校して遅くに帰宅したりしていました。

女二人なので、家事は交代制。母が食事を作れば、私が片付ける。私が食事を作れば、母が片付けるという風にしていました。母と私の献立が重なることはなく、同じものを続けて食べることはありませんでした。

週末に姉が帰宅し、母が作った食事を食べると、「あれ、昨日作ったのと同じだわ。」と言われることが、よくありました。姉が買ってくる食材と、母が買ってくる食材が、すっかり同じということもありました。

きっと姉は、無意識に母の料理のパターンを、踏襲していたのでしょうね。姉の所に泊まりに行くと、母が良く作るようなものが、食卓に載りました。

今でも、姉が実家に遊びに来た時に、「あ、これ買ったの?私もこの前買ったんだよ。」と、よく言っています。

姉は「おかあさん、こればあちゃんちで食べたけど、凄く美味しいよ。」と、子供達に言われて、それ、私も家で作ってるよ、と思うことが度々あったとか。

「うちの子供達は、ばあちゃん家で出てくるものは、なんでも美味しいって思ってる。『これ美味しかったから、もらってきた。』って、うちにあるのと同じもの持ってきたりするんだよ。」と、苦笑しながら言っていました。

あまり食べる事に関心がなかった姉ですが、結婚して子供が生まれて、安心できるものを食べさせたいと、頑張って料理してきたのだと思います。姉の頭にあった家庭料理は、自分が子供の頃から食べてきた、母の料理だったのですね。

え、私ですか? 使ってみたい食材、新しく知った料理に走るので、母とも姉とも買い物も、料理も重なることはありません。( ;∀;) 

美味しいって、言ってもらえているので、問題はないはずです。多分。


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