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私がUSMLEを辞めた理由

こんにちは!
お暇な医大生です。

突然ですが、タイトルにもある通り、私は一度USMLEの勉強を始め、そして辞めました。

今回は、私が何故USMLEを始め、辞めるに至ったかを話していこうと思います。

私がこの記事でいいたいことは3つです。

  • USMLEを辞める決意は勇退

  • 優先順位を考えることが大事

  • 本当に臨床留学したい人はやるべき

これから始めようか迷っている人、USMLEを辞めようか迷ってる人、根性ねえな!と感じた人。
それぞれいらっしゃるでしょう。 

しかし、実際にUSMLEに実際に取り組んだ人にしか分からない視点があると思います。
私の経験を通して感じたことを、多くの方に知ってほしいです。
平凡な医学生の一意見として、是非読んでいただければ幸いです!



そもそもUSMLEって?

簡単にいうと、アメリカにの医師国家試験のようなものですね。
日本では、医師国家試験に受かれば医師免許が発行され、晴れて医師となれますよね。
アメリカではUSMLEのSTEP1.2とOETという語学試験(4技能の試験があり、いわば医学版TOEFLのようなものです。)を突破して初めて医師として働けます。
実際にはUSMLEはSTEP3まであるようですが、取らなくても働くこと自体は可能なようです。

私がUSMLEを始めた理由

私のなかで、「英語が大切だ」という認識が強くあったのが大きな理由ですね。

USMLEを始める前の私に、学生生活で頑張ったことは何かと聞かれれば、部活、バイト、医学の勉強と答えるでしょう。
そしてこれは、多くの医学生と同じ回答なのではないでしょうか。  
何かもっと自分の身になることをしたいと思った私は、ネットでこう調べたのです。
「医師 学生時代 やっておけばよかったこと」
そして、当時ヒットした記事の多くに「英語、留学、海外旅行」という文字が並んでいました。

また、医師である父に、私は昔から英語は大事だと口酸っぱくいわれてきました。
父が海外の医師達と接する機会が何度もあり、その度にに言語の壁にぶつかり、後悔してきた話を何度も聞かされました。
実際、父は60を過ぎた今も、車の運転中にNHKのラジオ英会話を流したりしています。

こういうわけで、私の頭の中で
英語は大切→折角英語を学ぶなら医学で学ぼう→USMLEをしよう!
となっていった訳ですね。

実際勉強を始めてみて

正直、苦戦しました。
(※Rx、Uworld→問題集、first aid→教科書)
CBTを終えた4年の12月にRxを始め、5月までに三周しました。
一周目は本当に医学英語が分からず、問題文と回答をDeepLで翻訳しながら医学英語になれていきました。
始めたばかりの頃は、1日10問解くのが限界でした。
CBTの勉強の時、Qassistである程度の流れは理解していたので、二、三周目は一周目よりストレスなく行けましたが、そもそも一周目に時間をかけすぎて二周目には忘れている問題も多々あったので、三周しただけでは不完全な気もしました。

そして、三週目を終えた時点で、私はUSMLEを最後まで続けるか迷いました。
友人にUworldを二週間ほど試しに解かせてもらいましたが、その後私はUSMLEを辞めることを決意しました。

私がUSMLEを辞めた理由

簡単に言えば、USMLEを勉強することを
メリット<デメリット
と判断したからです。個人的にUSMLEを勉強するメリットは、

  • 臨床留学が可能になる

  • 基礎医学を臨床医学に絡めて学べる

  • 医学を英語で学べる

などがあると思います。
そして、デメリットについてはこれから話していきます。

USMLEを勉強しながら生まれた、自分への疑念 

USMLEの勉強が予想以上に大変で、続けていくことに辛さを感じていました。
とはいっても、ネットで調べれば、過去の先輩方の体験談はたくさん出てきます。勉強法も確立されています。
first aidを傍らに、Rx、Uworld、模試をやりこめば多くの医学生はUSMLE自体は乗り越えられるでしょう。

しかし、乗り越えるためには確かな継続力がなければ厳しいのも、また事実です。そして、その原動力となるのが明確な目的だと思います。

勉強を始めた当初の私のモチベーションといえば、次のようなものでした。

  • 医学を英語で学べる

  • USMLEを持っていたらカッコいい

  • 将来、臨床留学という選択肢が増える

そして、これらは私にとって「明確」な目的ではなかったのです。

私が一緒に勉強していた友人は、「臨床留学をしたい」という明確な目的がありました。彼は、今もコツコツ勉強を続けており、恐らく学生の間にSTEP1をとるでしょう。
そんな彼とのモチベーションの差も感じていました。

本当に私はUSMLEを受けたいのだろうか?
仮に勉強を続けていくならば、目的を明確にしなければならない。

そう思った私は、USMLEを合格した後の事を考えました。
そうすると、様々なデメリットが見えてきたのです。

臨床留学をするための障壁

お金


USMLEを最後までとるのに、総額150万はかかるようです。
医師になってしまえば感覚は違うかもしれませんが、学生の私には大金過ぎて、並みの覚悟では挑戦することはできません。

就職

普通に考えればUSMLEをとる目的は臨床留学でしょう。
となれば、就職先を探さなければなりませんね。
アメリカの病院に就職するために200ほどESを出してもひとつも受からないのはザラらしいです。(情報が間違ってたらすいません。しかし、YouTubeやネットの記事にもたくさんある通り、USMLEを取得するより難しいのは事実なようです。)
アメリカは日本以上にコネが大切なようですね。

アメリカで働く日本人の王道は、海軍病院で一年インターンをしたり、海外にコネを持つ日本人の先生を自分で探し、仲良くなり、助けてもらう。そうしてようやく面接にたどり着けることが多いようです。
つまり、日本での就職先が海外思考の強い病院でなければ、アメリカの就職には中々繋がりません。

臨床留学を見据えると、初期研修先や三年目以降の進路も大きく変わってくるでしょう。

診療科選び

アメリカでは、優秀な生徒が好きな診療科につきます。
つまり、英会話が苦手であったりUSMLEのスコアで高得点を取るのが難しい日本人は、人気のない診療科でなければ就職先を探すのは難しいんですね。
私自身、現時点で希望の診療科を決めきれておらず、臨床留学まで考慮し始めると興味のない診療科を選ぶことにもなりかねないと思いました。

そもそも日本が好き

確かに、医師になる上で英語は非常に大切です。
海外の医師と話す機会があるときに、英語で話せなければ悔しい思いもするでしょう。 
しかし、そもそも私は日本が好きなんです。
正直日本で一生暮らしたいです。
仮に留学するとしても一、二年で十分です。
それなら、大学医局に入って研究留学でもよくね?って思いました。
どうしても臨床留学したい、長期間海外で暮らしたい、という強い意志は私にはなかったのです。
それに、日本にいても英会話を学ぶツールはたくさんありますしね。

単純に医学英語を勉強するにしても、英語論文を読む練習だけしとけば問題なかったなとも思います。
実際、数ヵ月でRxを終、英語論文を読むのも苦ではなくなりましたし、DeepLもあります。

基礎医学と臨床医学を絡めてより深く考えられるようになると言うメリットもよく言われています。
実際それはそうだと思います。
しかし、そのための労力に見合ってるかどうかは私は疑問に思いました。

将来の家族について

結婚して、子供ができたり、自分や結婚相手の家族の事を考えると、やはり日本にすむのがベストだと感じました。

ただでさえ、アメリカで医師をするのは大変だと思います。
医師になるのも、働くのも。
そして、その負担は結婚相手や子供にも当然行きますよね。
それは、私が思い描く将来の家族像とは全く違いました。

臨床留学をしたいと思う人はすればいい

結論、ここにたどり着きます。
臨床留学したい、海外で長期間暮らしたいと強く思うなら、私が話した障壁も苦ではなくなるでしょう。
明確な目的があり、強い意志と継続力があればアメリカで医師をすることは可能だと思います。多くの先輩達がそれを証明してくれていますからね。

逆に言えば、それ以外の人はUSMLEをしなくてもいいんじゃないかと思います。

それだけUSMLEの勉強は、時間的にも精神的にも費やすエネルギーが膨大であり、それに見合った対価が得られるかは疑問だからです。

正直、始めたら中々辞められません。
途中で辞めるのは悔しい…
問題集買っちゃったし…
そう思う人も多いでしょう。実際それで私も悩みました。

でも、途中で辞めるのもまた大きな決断です。胸を張っていいと思います。自分の人生に何が大切か、何をしたいのか、それが一番大切なんだと思います。

まあ、臨床留学したいと強く思うときが来れば、また勉強すればいいですしね!


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