笑えて、なおかつ思慮に富んだ一冊。
今回は一冊本を紹介しようと思う。
『ゼロからトースターを作ってみた結果』だ。
トーマス トウェイツという、当時大学院生の著者が、実際にゼロからトースターをつくるという話だ。
普段ノンフィクションはあまり読まない方だが、これは面白かった。文章は軽い読み心地で、興味深い写真も豊富だ。
面白すぎて色んな人にゴリ押しで勧めて貸したため、ボロボロになっている写真である。
本の帯にある通り、掘削、溶解、精錬をする。
それも、世界中を回って自分で手に入れた原料を使ってだ。これにはルールがあるかのだ。
1.トースターは店で売っているようなものでなけ
ればならない。(ポップアップ・トースターだ)
2.トースターの部品は全て1から作らなくてはい
けない。(土から掘り出された原料からだ)
3.自分にできる範囲でトースターを作る。
これらをほぼクリアしつつ、なんとかトースターをつくりあげる。9ヶ月と15万円をかけて。
無謀にも思える挑戦を成し遂げたこともすごいが、そもそもなぜトースターを作ろうと思ったのかも面白い。消費社会への問題提起だ。
今でこそ持続可能な社会が叫ばれているが、この本は何年も前に、そこに着目していたのだ。
秋の夜長に是非読んでみて欲しい。笑えて、なおかつ思慮に富んだ一冊だ。
ISBN 978-4-10-220002-5
定価 750円 税別
Amazonのページを貼ろうとしたがうまくいかなかったため、情報を載せておく。
今回はこの辺で。また。