購買調達資格CIPS Level3 ⑥CIPS L3合格&振り返り
足掛け1年、ようやく今年の9月にCIPS L3に合格した。簡単だが振り返りを残したい。自分としては知らないことの多い領域(内容よりも海外の試験を受けるという意味で)だったので、多くの意味で非常に勉強になった。
良かったこと
・体系的に学べるのが良い
L3はプロセス、サプライヤマネジメント、契約、サステナなどのあるべき姿を理解することができ非常に良い。これまで知っていたことが6-7割あったが俯瞰で読むことで理解が深まるし、ほうこうやって図で表すのか!と勉強にもなった!また購買を含むより広いビジネスプロセスで話が進むのでビジネスの勉強にもなったと思う。
・事例が多い
ここが一番良いことだと思っている。各小さなトピックごとに成功/失敗事例のような実際の会社の事例が載っている。私はこれでレッドブルのマーケティングの面白さを知ったし、日本企業のKAIZENや品質管理手法はやはり優秀なんだなと理解した。また私が日々のソーシング業務で地味に躓いたり時間を取られている点をよくある葛藤やむずかしさのようなものとして確認できたのは「あーこれは皆が同じく経験しているむずかしさなんだ」と確認することができ非常に安心につながった
・大量の英語を読むのでベーシックな英語力が上がる
副次的な要素だが、とにかくテキストのボリュームが泣きそうに多い。でも読んだほうがいいと個人的には思う。普段から頑張って仕事で英語を使っているがこうやってビジネス関連の書物をゴリゴリ読んだことがなかったので非常に勉強になった。後半はまとめYoutubeサイトで先に概要を理解して、その後テキストを読んでいた。正直テキストを読まずにテストに臨んだモジュールもあるが、それは契約管理、P2Pプロセスなど日系企業で空で言えるほど内容を叩き込まれた部分だったのでテキストは流し見でも大丈夫だった。ただ読み込んでいないと試験前の不安が半端ない。
いまいちな点
・システム(特にテキスト)がユーザーフレンドリーでない
CIPSのサイトはちょうど昨年改修していて、見た目も美しくリニューアルされた。が、HPが結構重くスピード感をそがれる。
テキストもe learning形式のフォーマットでしか読めないタイプで開くのが大変億劫だ。コピペもできないので別ノートにまとめるときや、単語を調べるときに面倒くさい。この辺の学習体験は最近世に出ているLinkedin learningやスタディングの方がずっといいと思う。CIPSはサイトはきれいだがちょっと古いと言わざるを得ない。忙しい現代人にやさしくない仕組みだ。
・CIPS自体がITが弱い
Webサイトが思いのもそうだが、基本コミュニケーションはメールでシラバスなんかもPDFで見る感じで平成感がある。もっとサクサク情報確認できるようになれば勉強自体も進めやすいのだが仕方がない。
またテストは遠隔で自宅から受講。試験官にPassportを見せたりして進めるのだが、Test reachという試験問題が表示されるシステムがダウンし最後のテストは受けられなかった。無償振替Optionがきちんとあったが時間がもったいないしちょっと残念と言わざるを得ない。
・内容がかゆいところに手が届き切らない感は正直ある
コンテンツについては今までうっすら知っていたり、仕事でぶつ切りで経験した情報を体系だって整理できることが非常に良い。ただ、どう交渉をもっとうまくすればよいか、どうプロジェクトマネジメントをもっと効率的にやればいいのか?などのHowに踏み込む部分は思ったより小さかった。ただしフレームワークや他社事例はいろいろ提示されるので自分で仕事につかえるようにまとめノートなどを作っていくのがいいと思う。
自分の学び
・L4スタートで良かった
CIPSはL2,L3,L4の三段階のスタートレベルがある。私は本当に右も左もわからなくて自分の購買経験レベル的にはL4で行けたのだが、気おくれしてL3から始めたしまった。英語力が不安だったのもある。だが、私の影響で後日CIPSに興味を持った同僚からも「あなたの経験だったらL4で良かったんじゃない?」と指摘され自分の心の弱さを痛感した。私はこれからL4の勉強を進めるがこれからやる人ですでに購買経験が何年かあるかたは是非L4スタートをお勧めします。
・コースではなく直接申し込みで良かったかも
また、今回右も左もわからなかったので、Self study (CIPSのサイトでEbookと試験申し込みをして自分で学習)ではなく、少し高いオンラインスクーリングの方を申し込んだ。申し込み期間のリマインド、わからないところの問い合わせをチューターにできる、独自のelearningがあるなどの制度なのだが、一つ目の試験を突破したらもう勝手がわかってしまったので、もはやオンラインスクーリングでなくてよかった。オンラインスクーリング独自のe learningもCIPS本体の方とそこまで変わらないし、事務局やスケジュール管理、テキスト/elearningの購入代行みたいなことをやってくれるだけだったのでL4からはSelf studyで行こうと思う。自分で聞く方が早いのでCIPSにも直接問い合わせをしていたし、今後は省エネで行く。
・アメリカの会社で働いていたらCPSMのほうがむしろいいかも!
私はいくつかのサイトで購買スキルの証明に有効な資格を調べたときCIPSが一番に出てきたので選んだのだが、アメリカの会社に勤めていたらCPSMでもいいかもしれない。CIPSは悪くない。が、英語がイギリス英語なので、個人がやっている解説Youtubeなどもイギリス英語だ。普段アメリカ英語に慣れている私には地味にしんどかった。CPSMも国際資格で私はとったことがないからわからないけれど、検討の余地はあるように思う。
来年から改めてL4の学習を頑張ります!