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人との繋がりを補完する何か
むかーしむかしあるところに物の管理がとても苦手な長男がおりました。そんな長男は、物の管理の苦手さを補うためか、超がつくミニマリストです。
ミニマリストは、春休みになると前の学年で使用したノートや教科書類を全て処分します。
それはもう、ほれぼれするほどの潔さでした。
毎年、長男の処分した教科書類を見て
『ほれてまうやろー!!』
母は叫びます。その度に母は、あぁ、年度が明けるんだなぁ。と実感するのでした。
さて、中学校に進学したミニマリストは、中2に上がるタイミングでいつものように教科書、資料集などを処分しました。
中学では教科書も資料集も複数年使うのに。
新学期に入ってその事実を知り、困ったミニマリストは、教科書、資料集を再購入することにしました。
通販サイトで購入することもできたでしょうが、教科書は何種類かあります。
よくわからないのできちんと教科書を卸している専門の本屋さんで購入することにしました。
本屋さんに着き、ミニマリストが教科書と資料集を下さいと告げると、
本屋さんは優しい口調で言葉を選びこう言いました。
『どうしたのかな?もしよかったら新しく教科書が必要になった理由を教えてもらえるかな?学校はどこ?』
勘の悪い母でも『いじめを心配してくれているんだな』とわかりました。
ミニマリストが事情を話すと、本屋のおじさんは
○○の教科書は3年生まで使うから捨てないでね、など丁寧に教えてくれました。
地域で子育てをする、子供を見守る。
もし、息子がいじめが原因で教科書を再購入していたら、もしかしたら本屋のおじさんになら事情を話せていたかもしれない。
それがきっかけで救われていたかもしれない。
地域での見守りってこういうことなんだろうな。
もし通販サイトで購入していたら出来なかった経験でした。
世の中はより便利に、より効率よく変化しています。
この流れは止められない。
この流れの中で、これまで意識せずともそこにあった、人と人との繋がりや温かな交流を何で埋めていけばいいのか。考えさせられる出来事でした。