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2024年8月12日にまつわるエトセトラ

はじめに


この記事は ハロオタブログAdvent Calendar 2024 16日目の記事です。

こんばんは。
とても謙虚な人、という名前でネットで活動している者です。昨年に続き2年連続の参加となります。お手柔らかに!
そして2年連続の遅刻、本当にすみません!

さて、今年のテーマは「邂逅はSo Goodだ」ということで…。
「邂逅」で真っ先に思いついたのはやはりハロプロ、アンジュルムとの出会いですが昨年「ハロオタ1年目」について書いてしまったし、となると遠征した土地?高知県?とも思いましたが近々で川村文乃さん卒業アドカレで似たようなことは書きまして、困ったなーと考えていたら、思い出しました。

今年あったんです、私にとって大事な「邂逅」が。


ROCK IN JAPAN 2024 in 蘇我 最終日、
サカナクションとアンジュルムの邂逅
、です。

厳密には「サカナクションとアンジュルムと私」の邂逅が正確です。

これがどれだけ私にとって大きな出来事だったか。

少し長くなりますが、2024年8月12日に向かって書いていきます。

サカナクションとの邂逅

大前提なのですが、私が一番好きなバンドはサカナクションです。あとユニコーン。

先にユニコーンの話をしますよ。
生まれた時、いや生まれる前からユニコーン、奥田民生、PUFFYを私は聴いて育ちました。
小学校低学年ごろには明確に「ユニコーン、奥田民生が好き」という気持ちがありました。

いまこうして書くと「ませてんな〜」って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが決して
「すばらしい日々」や「さすらい」を「いい歌詞だ!」と好きになったわけではなく、歌詞や歌い方がギャグ、お笑いとして面白く感じたのが初めの入口だったと思います。

ユニコーンでは奥田民生が大暴れしながら息も絶え絶えに熱唱するMVに衝撃を受けた「大迷惑」、過剰な転調「人生は上々だ」、事務所の住所を歌っただけ「CSA」、当時歌詞の意味は理解していなかったがアベBの「おいでぼっちゃんベイベ〜」が面白くて仕方なかった「看護婦ロック」なんかが大好きだった気がします。奥田民生だと「股旅(ジョンと)」がお気に入り。だってふざけてるから。
音楽がどうこうより面白いから好きが圧倒的に勝ってました。

ところが小学校高学年くらいになると「なんかエレキギターってかっこよくね?」「やっとベースがどの音を出してるのか分かってきた」「どうも奥田民生はビートルズが好きらしい」みたいな、
面白さではなく、音楽を音楽として自分なりに捉えてみる目線が生まれました。
ビートルズは全アルバム実家にあったのでそのまま聴きまくり、ついでに隣に置いてあるエアロスミスも聴きまくり、布袋寅泰にエアロスミスオマージュがあるらしいしめちゃイケのOPだしと聴きまくり、買い与えられたクリップ型のiPodには頼んでもないのにMETALLICAとGuns N' Roseが入れられて…。

すると中学の頃にはすっかり「ボーカロイド、GReeeeN、ファンモン、セカオワ、クリープ、ゲスなんてダサい」と友人らをこき下ろし、そしてその「こき下ろす」ことをアイデンティティとする人間になっていました。単純に同世代は私の聴いてるバンドを知りませんでしたから、そういう優越感もあったと思います。

青春、熱血 最悪!
「邦ロック」最悪!
METALLICA最高!

何の話だ、これは。

いい加減サカナクションが登場しますから、お待ちを。

ロック大好きな"嫌なやつ"だった私は高校1年生になっていました。2015年。
高校は勉強も部活も中学とは段違いにハードでした。クラスのやつらのことは「面白くない」と脳内でこき下ろしていて、結果友達もいなかった。辛かった時期というのはあまり記憶がなくなるもので高校1年生のころのことは良く思い出せません。

そんな年の秋、あの曲がやってきます。

サカナクション「新宝島」

衝撃だった。音楽的な話は今も昔もよくわからない。MVが面白かったんです。

誰が見てもわかるドリフの大爆笑オマージュ、チアダンサーに邪魔されるメンバーはずっと無表情だが愉快なステップを踏んでいる。よくわからないがボーカルが魚を釣ってる映像も差し込まれている。ギターソロ前にメンバーが後ろに下がっていくがキーボードの女性のステップが明らかにおかしい。

でも面白くてふざけてるのにスタイリッシュでオシャレだった、はしゃいでなかった。
スンとしてる。
かっこいい。

そして歌詞。

「このまま君を連れて行くよ」
の次、

「丁寧 丁寧 丁寧に描くよ」

熱血じゃない、青春じゃない、汗でも涙でもない、そう「丁寧」!!!!!!!!!!!!

ロックバンドがサビで「丁寧」と歌っている衝撃!

こんなバンドもあるんだなぁ、と思いつつ当時は過去楽曲を掘ることはありませんでした。
(高校はMETALLICAとか好きなまま9mmや筋肉少女帯を聴き始めてたかも)

時は流れ2018年。サカナクションは「魚図鑑」というベストアルバムを出します。
大学一年生の私は第一志望に落ち、ふらふら軽音サークルに入りましたがやっぱり友だちがいなかった。やっぱり学科のやつを「つまらない」とこき下ろしていた。あと「正義感暴れ」を起こして未成年で飲酒してるやつをクソダサいし全員退学してくれと思ってたので飲みの席にも行かず。
一人暮らしを始めて「夜」の制限が無くなったのになーんもやることがなかった。

サカナクションは夜の曲が多い。
そして夜の孤独に寄り添ってくれる曲が多い。
あのサカナクションのベスト盤か、と手に取った「魚図鑑」は私の、夜のなんともできない孤独と共にいてくれました。

いつしかむしろ夜がどんどん好きになっていきます。「アルクアラウンド」を聴きながら海まで歩きたくなる、「表参道26時」を聴いて26時の表参道に行きたくなる。朝まで起きて「夜の東側」の光景を見たくなる。壁の傷を見れば「ルーキー」を思い出し、「モノクロトウキョー」を聴いて午前5時の都会の匂いを嗅いでみたくなる。

やがて軽音サークルで私は「サカナクション」のコピーバンドを組みます。ギターを一応担当していたが友達がいないからバンドも組めない。始めたのは大学からで下手すぎた。でも実力度外視で「サカナクションが好き」ってだけで仲良くもない先輩が組んでくれた。

そうすると「これは応えなくては」とさすがの私も努力するようになりまして、周りもコピーバンドではありますが「いい感じじゃん」と声をかけてくれるようになる。20歳になってもお酒は結局苦手なままだったがそうやってだんだんと仲間や友達を私は持つことが出来ました。

コロナ禍もサカナクションはずっと動きをとめませんでした。山口一郎は連日配信で歌い、喋り、バンドとしても「光 on line」と「アダプト on line」というとんでもないライブ、映像作品を残してくれました。本当にこのオンラインライブは凄かった。もうフィジカルのライブがまたスタンダードになってますがサカナクションのオンラインライブはまた見たいと強く思います。それはまぁいいや。
ちょっと逸れたけど、何回も友達とサカナクションのライブを集まって観ました。朝まで観て、「次はルーキーの繋ぎやりたいな〜」「グッドバイ始まりいいね〜」「壁、やっちゃいましょう!」、そうやってコピーバンドをやってました。
どんな夜にも「サカナクション」がありました。サカナクションのおかげで私は何度も「夜を乗りこなす」ことが出来ました。

今年はサカナクションのコピバンに
誘ってくれた先輩と2人でライブに行けた。
こんな格別な時間なかったなぁ。

なんか私にとってサカナクションというのはある意味自分と一体になっているというか、たかだかコピバンなんですけど、何でしょうねこの感じ。
サカナクションを自分の要素として人生を進めてた期間が明らかに私にはあったんです。それは本家の活動を支えに生きたというだけではなく、自分が「サカナクションになりかわって」すらいたというか、本当におこがましいんですけど。

サカナクションは私にとってそういうバンドなんです。

Jフェスとの邂逅・絶交

初めてサカナクションのライブに行ったのは2019年の春でした。アルバム名を冠したツアーなのに、アルバム発売が延期になったことにより「音源化されてない曲がメインディッシュ」のライブ。ライブで初めてアルバムを体験するというのは大変楽しかった。

その年のカウントダウンジャパン19/20、サカナクションはある日のトリでした。さらにトリ前はなんとまさかの再結成を遂げたNUMBER GIRL。

NUMBER GIRLは「出会えないバンド」だと私は思っていたので、こんな機会はないと人生初のフェス参戦を決めました。コロナ前で優先エリアなどはなかった時でした。

高校からの友人とたしか夜行バスで行った気がします。

ワクワクを胸に幕張メッセに近づくと目に飛び込んだのは明るさ。来てる人が、明るい。服装の話ではない。醸し出す明るさの話。いや服装もなんか運動しに来たみたいなその…なんだこれは…。
前説のおじさんもなんか誰なんだろ、盛り上がってるけどなんか怖いというか、なんだこの雰囲気…。
あれ、ちょっと違うかも、自分お呼びでないかもと思った時にはもう遅い。友人は私を置いてKANA-BOONでサークルを作り、走り回り、その人たちとの集合写真をニッコニコで見せてきたのでした。

私は軽音サークルに入って幾分マイルドにはなっていたが中学・高校のころの"嫌なやつ"を捨ててきたわけではなかったので、なんかもう「サークル楽しすぎた!」と嬉々として話す友人を見て心が死んでしまいました。私にとって音楽は自分の孤独の歴史です。寂しい夜になにを聴いたのか、とか、学校でわかってもらえない、もしくは学校のやつらのことはわかりたくもないみたいな、そういう事象と音楽は結びついてるんです、私のなかでは。
ラウドやメタルならまだしもKANA-BOONでサークル、しかもその後ニコニコ集合写真というのはもうなにか耐え難いものがあったのです。

誰が悪いという話ではありません。特にKANA-BOONは悪くない!私はお呼びでない人間だった、と感じてしまったという話です。勇気出して来たけどやっぱり私みたいな人が来る場所じゃなかったか〜と感じてしまったのです。バッサリ言えば客層が合わなかった。客が言うのもおかしな話ですが。

肝心のNUMBER GIRL、サカナクションは友人は興味なかったようで「後ろにいるわ」と言うから一人で前方に挑み、まぁそれはその瞬間は楽しかったんですが「なんで友人と来たのに一人で観てんだろう」とか「でもみんなで楽しみたい、盛り上がりたいって思えない自分はなんなんだろう」とかそんなことばかり考えて帰路に着いたことを覚えています。

こうして初めてのロックフェスは私にとって恐怖体験として刻まれ、ことさらJフェスには二度と行くまいとその時心に誓ったのでした。

次にJフェスに足を運んだのはJAPAN JAM 2023。

私はロックバンドではなく、アイドルを観に、再びJフェスという「敵地」に赴いたのです…。

2024年5月15日のこと

相変わらずJフェスに敵意は持ちつつ、アンジュルムやモーニング娘。のおかげでもはやJフェスに行くことに抵抗はなくなっていました。
2024年夏の ROCK IN JAPANには大学の友人を「ハロプロ観ようぜ!」を合言葉に参加することを考えていました。

そんな5月。

アンジュルムとサカナクションが同日に出演するという天変地異が起きます。(蘇我なのは悔しかったっぽい)
わーお、オレのための日やん。絶対行くやん。やるしかないやん。やん…。

ですが、実は嬉しさよりも勝っている感情がありました。

私はアンジュルムとサカナクションを同日に観ることがめちゃくちゃ怖かったんです。

サカナクションを好きになったきっかけと私とサカナクションについて長々(それでもはしょりつつ)と前段で書きましたが、その後大好きになるアンジュルムは全く異なる出会いをしていました。そしてサカナクションとアンジュルムが私の中で同居することはそれまでありませんでした。

なぜならサカナクション休止期間に好きになったアーティストこそがアンジュルムだから。サカナクションが止まったあとそこにすっぽりアンジュルムがハマったのです。

2022年、山口一郎が病に臥し、コロナ禍でも精力的に活動していたサカナクションはついに動きを止めました。色んな感情を抱きました。正直、山口一郎がオーバーワークであることや制作の仕方が無茶であることはファンはとっくにわかっていました。

なんで誰も止めなかったんだろう、「アダプト」ってアルバムを制作したのに「アダプト」できてないじゃん、山口一郎をこうさせたのは私たちなのか、それでもやっぱりサカナクションにまた驚かされたい。

色んなことを考えていました。
社会人1年目、私は上京したてで気持ち的に不安定だったのもあるかもしれません。

そんななかひょんなことで私はアンジュルムと出会います。人生で初めてアイドルを好きになります。

アンジュルムと出会ったことで素直さと、青春と愛と、やっと私は対峙します。
フェスに行くようになります。遠征をするようになります。「夜」ではなく「太陽」の下を歩くようになります。年齢も性別も出身も違う方々との交流も少しずつ始まります。

「サカナクションを好きな私」と「アンジュルムを好きな私」は明らかに同じなのですが、明らかに違う人間に変わっていました。

だから、その2つが交わってしまうのは、1日の最後にどちらか一方を否定してしまうような予感がした。正直サカナクションの久しぶりのツアーが若干期待はずれだったのもある。
同日にアンジュルムとサカナクションを観たら自分の中で明確に優劣がついて、どちらかを…いや、サカナクションを好きだった自分に別れを告げてしまうような気がして、それをとても怖く感じていました。

2024年8月12日のこと

アンジュルムの装備を身にまとい、リュックにサカナクションのTシャツ、タオルを入れ、私は蘇我に来ました。

「ハロプロ観に行こうぜ!」をテーマにしていたため、大学時代の友人とまずはJuice=Juiceから。
友人は「推しジャンする『有澤』と書かれたTシャツを着たおじさん」が一番印象に残ったよう。
「ハロプロカルチャーショックだねぇ」なんて話す私はすっかり「そっち側の人間」になっていました。

友人が観たいバンドを観たり、ご飯なんぞ食べているとあっという間に16時。

まずはアンジュルムがまだまだ暑いPARK STAGEに現れました。

01. 愛すべきべき Human Life
02. メドレー (新・日本のすすめ!~マナーモード~46億年LOVE~有頂天LOVE~夢見る 15歳)
03. 私、ちょいとカワイイ裏番長
04. 夏将軍
05. 大器晩成

髪色を変えた橋迫鈴さんに阿鼻叫喚の客席をよそに、かみこが「遊ぼう!」宣言。名刺がわりの「べきべき」をかまし、MCで改名10周年に触れると「新・日本のすすめ!」のファンファーレが鳴り響きメドレーになだれ込み。「ちょいカワ」でロック感を担保しつつ、夏の定番「夏将軍」、アンセム「大器晩成」に繋ぐという磐石のセットリストを届けてくれました。

もうこのメドレーは凄かった。めっちゃくちゃだった。本当にぶっ倒れると思ったし、なにより楽しすぎた。
正直「まぁこんなもんかなぁ」みたいなセットリストは想像していて、いわゆる「バチバチ」の、「ハロプロ的戦闘力」を外部に見せつけるようなものになるかと思っていたから、このメドレーには参りましたと言うしかない。

「戦闘力」も大事だけど、やっぱり先鋭化の先には「頭打ち」と「大事故」しかないと正直私は思っていて、少なくともハロプロ全グループが「戦闘力」を前面に押し出し外部と対峙する必要はないと思っています。これはプロレスからの教訓です。刹那的ではあるんですけどね。
だから今回アンジュルムが選択したまずは演者が楽しんで、客が楽しんで、その空気感を外に出して「なんかあっち楽しそうだな」「一緒に騒いじゃおうかな」って思ってもらう、感じてもらうというやり方はすごく健全でハッピーだと感じました。30分弱という持ち時間の使い方としても今回のメドレーのようにエネルギーを濃縮させて爆発させるっていうのはすばらしい使い方で、こんな熱量は他のアーティストでは難しいんじゃないかなと思いました。
アンジュルム、最高のステージでした。

ほぼ武藤の「プロレスLOVE」ポーズ


本当にぶっ倒れそうになったのでアンジュルム後は回復につとめました。
私にはサカナクションが待ってる。
ここでくたばるわけにはいかない。
フォトスポットに行ったり、クーリッシュ飲んだりしました。クーリッシュ最高。ロッテ最高。

18時過ぎにはLOUTAS STAGE上手側に陣取り、待機。
太陽は落ちかけ、さながら「夜の東側」を感じる時間帯にサカナクションはやってきました。

01. Ame(B)
02. 陽炎
03. アイデンティティ
04. ルーキー
05. Aoi
06. プラトー
07. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 Remix 2024
08. ミュージック
09. 夜の踊り子
10. 新宝島

「サカナクション完全復活」と銘打ち開催されたアリーナツアー「turn」からロックフェスに向けて曲を厳選したセットリストだったと思います。ツアーでの演出や映像もかなり持ち込まれていました。

今回まわりの反応を見ていて「あ、そっか」と思ったのは「サカナクションを初めて観る人が多い」ということです。コロナ禍や活動休止を経て「サカナクション好きだし、聴いてるけどやっと初めて観る」という人が結構多かったと感じました。「うわーミュージックだ、やば!」みたいな。イントロでリアクションを取られてる方が多く、そう感じた次第です。
これはアンジュルムとはある意味 真逆の状況で、「サカナクション知ってるけど観たことない」人たちを満足させなければいけない状況にサカナクションはいるのです。ハードルは上がりきっています。これは大変なことです。

ただサカナクションも有名曲ばかりやって「楽しかったねー」で帰らせる人たちではありません。外部イベントでも絶対1曲は「いい違和感」を感じさせる曲を入れてきます。今回はミュージックへの繋ぎになった「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 Remix 2024」がそれにあたります。「ロックバンドなのにハウスミュージックでしかない時間がある」というのはサカナクションのアイデンティティとも言えるでしょう。そこを軸にいかに引き込むか、いかに満足させて帰すか、そんな狙いがサカナクションの外部イベントのセットリストからはいつも感じられます。初めて観た人もあのラップトップの時間こそ「なんかわかんないけどやっぱりサカナクションってすごいわ」を感じる時間だと思います。

ヘッドライナーの重みを感じるセットリスト、ライブだったと私は感じました。

少し気になったのは、山口一郎の若干の緊張を感じたこと。
正直、ツアーですら私は完走出来るか五分五分と思っていました。「揺り戻し」と言われるような、波が病気にはあるそうです。当日キャンセルでも仕方ないとツアーに私は参加してました。


それに加え夏はフェス行脚、ただでさえ過酷な暑さ、結構心配でした。

その皮切りがロッキン蘇我最終日のトリ、プレッシャーは確実にあったでしょう。歌詞も少し間違えてたし、表情も固くなったりした瞬間もあった。

終了後の山口一郎の投稿。

山口一郎へ「心配」という感情を持つことを悩んでいました。プロが決断してステージに立っているのだから。ここは私のアンジュルムへの目線とは明確に違います。アンジュルムは応援していますが、サカナクションは好きなだけで応援という言葉はなんとなく私にはしっくりきません。
常に「サカナクション」というバンドの表現を更新して欲しいしそれを見せて欲しいし、そこにお金を払っているという意識があるんです。

だから「心配」という感情はライブや作品の純度を薄めてしまう気がして、自分の中で消化しきれずにいました。

ただロッキンで明らかに緊張している、己と闘っていると見受けられる山口一郎を見て、これもドキュメントだろうと。これはこれで目撃する、目撃しつづける意味があるだろうと、そしてそこで目にしたものに対しての気持ちは作品やライブに対しての気持ちなんだから決して純度を薄めるものでは無いだろうと、なんとなく落とし所を見つけられました。

サカナクションのライブは色々考えちゃいますね。だし、やっぱりあの踊り狂える時間は唯一無二。上手く言葉にはできないけど大事な時間になったことは間違いありませんでした。

アンジュルムとサカナクションの邂逅の先

一日に自分の「2大軸アーティスト」を両方見るという経験を恐れていた私。8月12日のあと、私はどうなったのか。

結論から言えば、アンジュルムとサカナクションに優劣はつきませんでした。

だから、邂逅の前と後で別に何も変わらなかったとも言えるんですけど笑。
発見はたくさんありました。

アンジュルムは私にとって「昼」です。
メンバーの明るさ、ライブの明るさ、楽曲の明るさ、遠征先で歩き回るのも大概昼間です。
あと私はアンジュルムの楽曲にたくさんパワーを貰っていますが結構出勤時とか気合い入れなきゃいけない作業の前とか日中に聴くことが多いです。思い込みかもしれませんが「応援する、背中を押す曲」というのは結局仕事へな活力につながることが私は多いです。すると、日中働いている私にとって「応援ソング」は昼間に関わることになります。作業中脳内でもよくアンジュルムの曲を流します。 アンジュルムは「昼」です。

一方サカナクションはお察しの通り、私にとって「夜」です。もうこれは楽曲やバンドのイメージ、さらに大学時代の自分の記憶から踏まえても「夜」でしかないんです。今日の反省、明日の不安、今日か明日かも分からないことへの孤独感、そんなことを考えてしまう時はサカナクションを僕は聴いていたい。

だから、アンジュルムとサカナクション、どちらか一方がいま自分の生活の軸になっているのかな、と思っていたんですけど違かったんです。

アンジュルムもサカナクションも軸だったんです。

昼があるから夜があって、夜があるから昼があるのです。アンジュルムを知る前は夜に居すぎただけです。働けば、そりゃ昼に出ざるを得なくなるでしょう。そこでアンジュルムを私は必要としたんです。自分の中で「ハマっている」とかの尺度で測れる2組では、なかったんです。

確かに交わることのない2組なのは間違いないのですが、両方とも私に必要で、両方とも大好きなんです。それが今年のロッキンでやっとわかりました。

山口一郎は緊張してたけど
メンバーは久しぶりのフェスにワクワクしてそうだった

最後にサカナクションの好きな曲を3曲。

「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」
地方大学生の私にとって、サカナクションが歌う東京の景色は特別不思議な力を持っていました。おそらく彼ら彼女らも北海道出身だからこそだと思います。地方から見た東京の「ツボ」ってものがあるのかもしれません。
この曲は恵比寿リキッドルームにまつわる男女の歌。こんなことが実際あるのか、東京に住んでる今ですらわからないんですけど、「東京ってこんな感じなのかな…」って想像させてくれて、憧れさせてくれました。表参道26時とかmellowとかもね。
アンジュルムもこういうスカしたダンスナンバー欲しいなぁ…。

「さよならはエモーション」
この構成、熱量、緊張感、他にありません。
あんま説明できません。サカナクションのバンドとしての「束」感を一番感じる曲です。
中盤でライブのパートの接続になることもできるし、オーラスにもってくることもできるという点でも稀有な曲だなぁと思います。やろうと思えばサカナクションはかなりセットリストを変幻自在に組み立てることができます。
その楽曲のリリース当時は考えつかなかった意味が時を経て感じ取れるようになる瞬間、たまらないですよね。

「フレンドリー」
こんな私でもなにかを断罪したり、否定したりしそうになる時、一度この曲を思い浮かべることにしています。サカナクションのおかげである一時より優しくなれてるんじゃないかなぁと思います。多分。「アダプト」は「コロナ禍に『適応=アダプト』する」ことをテーマに制作されたアルバムです。サカナクションは「時代のドキュメント」を楽曲に落とし込むことを大事にしてます。病気を経た山口一郎の世界も是非聴いてみたい。ともかくいい曲です。
寂しい夜に是非聴いてみてください。

最近の曲ばかりになってしまいました、昔の曲も全然好きだからね〜。潮とかね〜。ナイトフィッシングイズグッドとかももちろんね〜。


さてさて長くなりました。
なんだったんでしょうね、この文章笑。
自分の振り返りにはとても良い機会でした。
サカナクションがいなきゃJフェスに行くことはなかったけど、そのまま「二度と行かない」となることもなくて、そしてアンジュルムがいなきゃ再びJフェスに行き、サカナクションとアンジュルムの共演という機会に出くわすこともなかったわけですから、巡り合わせとは不思議ですね〜〜。

来年もアンジュルムとサカナクションと己で生活を推進させていければと思います。早速サカナクションのツアーは落選してますけど。なにしてんねん…。とほほ。

まぁそんなこんなで読んでくださった方、ありがとうございました!
メリークリスマス&良いお年を!

本当の「完全復活」は新曲が出てからでしょうな〜

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