異次元で進んでいる自分へ

とある人のブログで「パラレルワールド」について書いてあった。僕はこの手のオカルト的な話が大好きである。「タイムトラベル」とか「未来人からのメッセージ」とか。

自分の45年の人生を振り返って、「もし」という分岐点がある。この時点でもしかしたら異次元にその「もし」を選択した人生があるのかもしれない。きっと今僕がそう思っているという事は異次元で人生が進んでいる自分もそう思っているのかもしれない。

今でも「もし」と思い続けている事は・・・とある「選択」だ。

それはとある女性との出会い。僕には学生時代から「彼女」という存在がなかなか出来なかった。不器用で、いつも同じような失恋をして、告白しても上手くいかない。全くダメ。例え付き合えたとしてもすぐにフラれてしまう。

新卒社会人になって「職場恋愛」に期待したわけはなく、むしろ遠ざけていた。経営者だった亡き祖父から教わったのは「職場では色恋沙汰はするな。」だった。これは「職場恋愛」がダメな事と言っている訳ではない。それで素敵な恋が成就して、結婚出来て幸せな人生を歩める事が出来ればそれはとても素敵な事。

個人的な価値観で職場恋愛は自分には不向きだと思っていた。そういう場で恋愛してしまうと自分に隙が出来て仕事どころじゃなくなる。そんな気がしたので、ただひたすら仕事に専念していた。

それでも・・・気になる女性はいた。でもいつもの自分だと絶対に上手くいくはずはない。だからそっと自分の中で気持ちを抑えて、我慢することにした。その時は・・・。

その女性は入社時から新規オープン予定の支店に配属予定でそれまでは僕が勤めている支店で働いていた。なので、いずれはお別れだ。なので、僕としてはハナから諦めていた。それでも職場の同期女性陣とは仲が良かった。その中で男友達みたいに話せる人がいた。僕の中では「気の合ういい同期」位。でもある時に複数で飲みに行った時に人生初「告白」をされた。予想外。でもなぜか僕はOKしてしまった。でも・・・今までのように接する事が出来ない。どこかで僕から避けてしまっていた。その気持ちは相手に伝わるもの。しばらくしてから彼女の方から「元の関係に戻ろう」と。でも出来っこない。ギクシャクした関係になってもう一緒に普通に話せる事が難しくなった。

そんな中、入社して半年も経たない内に僕に異動の話がでた。なんと気になる女性が配属予定の新支店。

実は嬉しかった（笑）。チャンス！！（笑）。おいおい、職場恋愛はしないんじゃなかったのか？

しかし、異動直前、僕は異常な高熱と血の混じった咳が出始めた。診察結果は「マイコプラズマ肺炎」。即入院指示。どうやら仕事を頑張りすぎたのだと思う。（本当か！？）

入院して1週間はうなされてベッドから起きるのがしんどかった。しかも入院した総合病院は自分が生まれた病院。何の因果だろう！？

徐々に体調が良くなってきた頃僕は、看護師さんに恋をしていた。（おいおいナイチンゲール症候群か！？）実は退院後、ちゃっかり一緒にご飯を食べにいったんだけれど、予想外に相手は複数で来て、男は僕1人。結局、フラれた。こんなものなんだ、僕は（笑）。

退院する日、実は例の僕が気になっていた同期女性社員がお見舞いに来てくれる予定だった。それを知ったのは退院して帰宅してその彼女に電話した事でわかった。残念！！

そして僕も遅れながらも新支店に異動。もう、いいや、職場恋愛でも。アタックしよう。看護師さんに恋をしたのは出来心。どうやら本気で彼女が欲しくて必死だったんでしょう。

新支店に移って、しばらくして、その彼女に2人で飲みに行く約束をしてOKをもらえた！これは脈ありか！？期待はウキウキ。

でも事件が起きた。キャンセルだ。どうやら都合が悪くなったらしい。ほらね、いつもこう。必ずオチはこれ。意気消沈していた頃、更にここでパラレルワールドが見えてきた。さぁ、どうする！？

実は新支店に異動して仲良くなった同じ部署の人が僕に紹介したい人がいると。そしてその女性がたまたま支店に遊びにきた。

その女性は凄くギャルっぽくて、今時風の女子。でかいブーツ履いて茶髪のチョイとミニのスカート。絶対僕とは合わなそうなコで予想外だったけれど、立ち話で意気投合。後日、同期とその同期の彼氏、僕、そのギャルと4人で飲みに行く事になった。

ここだ。ここがパラレルワールドの分岐点。飲み会では異常に盛り上がり楽しかった。即お互い連絡先の交換。後日、電話が掛かってきて（妙に積極的だな、おい）お台場でデート。まぁ、そのコはよく喋る喋る。うるせーしテンション高いし、笑い声でかいし、ちょっと引いていた。結局、付き合う事になった。（いいのか、それで？）

職場では僕に彼女が出来た事を昼休み、同期の仲間たちに話をした。ところが・・・例の彼女の表情が一変した。

もう察しがつくであろう。後で知ったのだがどうやらその子は僕の事が好きだったらしい。（直接聞いたわけじゃないので確信はないけれど）

もし・・・あの時、2人で飲みに行けたら、実は彼女に告白するつもりでいた。ところが、都合が悪いというキャンセルが遠回しにフラれたと勘違いしてしまった。

これは・・・誰が悪い訳でもない。（いや、お前がコロコロ気が変わるのがいけないのでは？）運命の悪戯。もし・・・あの時2人で飲みに行って僕から告白していたら、彼女はOKしていたくれていたかもしれない。そして・・・上手く行ったら、結婚していたかもしれない。そして家庭を築いていたかもしれない。

人生初の相思相愛だった・・・はず。でも今僕の人生の中では、その道はない。これでいいのだ。今そのコはどうしているんだろう・・・。実はたまに連絡を取っているけれど、恋人がいるのかどうかは聞いた事がない。聞けない。それでもまだこうやって連絡が取れるのは同期という関係だからかもしれない。新卒同期って、やっぱりいいよね。他にも連絡は取り続けている同期はいるしね。

因みに例のギャルを紹介してくれた同期とも今でも連絡は取り合っています。残念ながら当時のその子の彼氏とは諸事情により、音信不通になっています。色々あってね。

あ、そうだ。肝心のそのギャルはどうなったか？22年間、ずっと一緒にいる僕の奥さんです。ずっと一緒にいてくれて、ありがとう。