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西欧からみる「水」水から見る「西欧」
欧州ではアルプス山脈のあるスイスから北や東などは特に水に無関心だ。その要因としては汗をあまりかかない気候なのと昔から硬水の水が薬用としてしか飲む習慣がない事などもある。
西欧で水が安全に飲めるようになったのはたかだか100-150年前の事にすぎない。確かに、聖書にも「水を飲む」という言葉は出てこない。一方でワインを飲む表現は多々ある。
もともと欧州では生水が飲めず、ビールかワインを水の代わりに飲んで(呑んで)いた。西欧人が水を飲んだのは1600年代にコーヒーや紅茶が伝わって普及してからだ。これは水を沸かせば飲める事に(ようやく)気づいたことによる。
以下、欧州の駐在経験者の話でまとめた興味深いネタ。
欧州だと、朝から昼までにトイレに行く人がいない。午後も5時までほとんど動かない。そんなわけで、トイレは主に駐在している日本人専用の憩いの場?になってしまってる。この結果、日本人だけがトイレに集まるので、日本人だけで秘密会議してると陰口叩かれることすらある。
ドイツはカルシウム・マグネシウムが沢山含まれている硬水なので石鹸が泡立たない。やかんを沸かすとやかんの口に白い固形物がすぐにつく。そればかりか水滴がついたままのグラスが乾くと白い斑点が残る。
ウィスキーの水割りでも白い沈殿物ができる。このため、水割りはまずい、というより「水割り」がない。「水で割る」文化は欧州にはないので、「ウィスキーの水割り」は通訳泣かせになる。(無いものは訳せない。)
ロンドン駐在員は、日本からのアテンドもする。日本から社長が来て、「水割りクレ」と言われたので、ショーがなく自分で作った。
ついでに、この鉱物が沢山含まれた硬水を飲んだりして長年体に入れていると、涙腺が詰まるらしい。(尿道結石のあれが涙腺に詰まるわけだ)
このため、涙腺に溜まったカルシウムやマグネシウムを取り除く手術をスイスやドイツで行われる事がしばしばある。
欧州だと、「水道水で飲める」ことに価値をおいてない。「日本の安全な飲める水」という発想は、それ自体思い込みというか、かなりガラパゴスな発想でもある。