C-C-B楽曲レビュー㊸「浮気なジル」
日本全国逃れられないような暑さで、
勘弁してくれという今日この頃。
東北は雨が心配ですが、
被害に遭われた方はお見舞い申し上げます。
もう昔のような夏は戻ってこないのかな。
夕涼みの時間が好きでしたが、
今では夕方でも暑くて外に出られない。。
さて、今日のレビューは「浮気なジル」いってみましょう〜。
(「ジル」って変換しようとすると「汁」って出るのやめてほしい)
ブレイク後初のアルバム「すてきなビート」に収録されています。
「Romanticが止まらない」の大ヒットにより、
世間に注目されるようになったC-C-B。
ブレイク後初のアルバムも勢いがありますね。
この頃の曲は、4人体制になった以降の曲と比べると時代を感じますね〜。
特に「浮気なジル」はクセが少なく大衆向け、
80年代男性アイドルの王道的な曲です。
シングル化もアリな曲だったと思いますね。
作詞は松本隆氏、作曲は筒美京平氏と、
初期の頃のC-C-Bの楽曲を担っていた黄金コンビの曲だけあり、
記憶に刻まれる歌詞とサウンドですね。
「浮気なジル」は何十年とブランクのあるファンでも
歌えるんじゃないかな?
それでもってめっちゃ80年代な感じがするんですよね。
編曲は船山基紀氏・C-C-Bでこれまた初期の頃のお馴染みな感じですが、
アレンジが80年代初頭のジャニーズの曲みたいで。
マッチの曲とかにありそうな雰囲気ですよね。
イントロと出だしのドラムと、
歌い出し直前の「チャッチャッ」っていうキーボードの音とか。
Aメロの「ウゥ〜ウゥ〜」ってコーラスもマッチの曲っぽい。(笑)
マッチのバックバンドをやっていた田口さんのアイディアも
入ってたりするのかな?なんて思ったりしますが。
ボカールは笠くん、渡辺さん、関口さんと歌い回す方式ですね。
当時は何の疑問もなく聴いてたけど、
三人の違う声の人が一曲を歌うのって
結構珍しいんだって事に後々気づきました。
トップバッターは笠くんですね。
この頃一番注目されていてC-C-Bの顔になっていたので、
これは頷けます。
テレビでもお馴染みの笠くんが、
伸びのある綺麗な声で聴く側の心を掴みます。
「ジル 赤いドレスが素敵さ」
冒頭のこの一言でこの曲の世界観がぶわっと広がりますね。
赤いドレスを素敵に着こなす女性、
華やかで魅惑的かつ一筋縄ではいかない手強さを感じます。
鮮烈な赤い色が眼に浮かぶ。
こういう色を使った情景作りの手法は松本隆さんの真骨頂ですね。
そしてその後「友達が見てて 振られたと騒ぐ」と
ちょっと拗ねたような渡辺さんの声。
さらに「ゆうべ親密にされたのも夢さ」と、
ジルとは深い仲になっている事をさりげなく告白するパートは、
やはり大人な関口さんが担当なのねと思ったり。
それぞれのキャラにあったパートが振り分けられていますね。
そしてまた笠くんが
「ジル 君は愛っていうのを
ジル かなり勘違いしてる」と
諭すようなポジションで歌っています。
私は曲同士を勝手にストーリーとして
紐づけてしまったりするのですが、
(よねちの歌を「涙はNO THANK YOU」から
「Blue Guitar」までを一連のストーリーの様に思ってしまったり)
「浮気なジル」と「ROSE&PAIN」と「もう、遅すぎて」に出てくる女の子は
同じ人っぽい気がしちゃうんですよね。
あれから40年近く、
ジルさんは愛を知ることができたでしょうかね?
1980年代頃から男女平等のムードが高まってきて、
男を手玉に取る女の子の歌なんてのも
増えてきた時代だったかもしれません。
ある意味歌詞も時代の先端を行っていたのかもね。
ココナッツボーイズ時代はライブのオープニングに合う曲が
あまりなかったとどこかのコメントで見ましたが、
「浮気なジル」はオープニングに適した曲で、
86年のEASTライブでもトップを飾り盛り上がりました。
イントロを聞くとEASTの会場で色とりどりの風船が
たくさん空に飛んでいく場面が目に浮かぶのですが、
それがパァーーっとこの後の彼らの飛躍を思い起こさせます。
個人的にはかなり懐かしい気持ちに引き戻されるこの曲、
よかったら聴いてみて下さい♪