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死ぬのが少し怖くなくなったかも

私は昔から、ふとした時に「死」について一人で考えて考えて結局よくわからなくて勝手に疲れる。という時間が定期的にある。どうしてなのかはわからない。

特にトラウマ的経験があるからとかではないのだが、怖い。死ぬのが怖いとう気持ちが人よりある気がする。自分が死ぬのも怖いし、大切な人が死ぬのも怖い。死に直面するのが怖い。

心臓が止まったら死ぬんだ。燃やされて、骨だけになる。心臓が止まる時ってどんな感じなんだろう。呼吸できなくる瞬間ってどれだけ苦しいんだろう。死んだ後の人の話は聞けないから答えはわからない。

人はいつか必ず死ぬ。確かにみんな永遠に死ななければ人だらけになってそれはそれで大変なことだよなあ。寿命って不思議なシステムだよなあ、生き物によっても違うし。誰が決めたんだ。とか、色々考えてしまって。

この死に対して怯え続けるのをどうにか軽減したい。そう思って、最近とある本を読んだ。

東京大学の教授であり、生物学者の小林武彦さんという方の本。そもそも、なぜ生命は誕生したのかという話から、生物学の角度から「死」について「説明してくれている」本だ。こういうのこういうの。頭のいい人から死についての話を聞きたかった。という気持ちで読み始めた。

生命はなぜ誕生したのか

度重なる偶然が起こり、より効率的に増えるものが生き残り、死んだものが材料を提供する「正のスパイラル」によって生命が誕生した。

46億年前の地球は高温でドロドロだった。それが冷えてきて、核酸、タンパク質や脂質などの細胞の材料となる有機物が蓄積してきた。そして色々重なってたった1つの「細胞」ができた。分子が変化し、よりよく複製する分子が選択される「正のスパイラル」にうまくハマったというのだ。

生命が地球に誕生する確率は、「25メートルプールにバラバラに分解した腕時計の部品を沈め、ぐるぐるかき混ぜていたら自然に腕時計が完成し、しかも動き出す確率に等しい」んですって。何その確率!?という感じですが、そのくらい低い確率だけどゼロではなかった。それくらいやばい奇跡らしい。

地球の美しさとは「変化」だ

ばっと咲いてすぐに散る。満開の桜の花は「新鮮」の極みであり、生命の力強さに溢れています。桜以外でも同じことが言えると思いますが、ヒトは本能的に新しく生まれたものや変化にまず惹かれるのです。 地球はまさにこの新鮮さに満ちています。全てが常に生まれ変わり、入れ替わっています。このことを「ターンオーバー( turn over/生まれ変わり)」と言うことにしましょう。ターンオーバーこそが奇跡の星地球の最大の魅力です。 そしてその生まれ変わりを支えているのは、新しく生まれることとともに、綺麗に散ることです。この「散る =死ぬ」ということが、新しい生命を育み地球の美しさを支えているのです。

なるほど。変化が美しいのかあ。美意識高いかよ地球。美しさのために死ぬで納得できるほどわたしはロマンチストではないが…。
つまり、自分たちが存在できたのは、恐竜様たちや、他ご先祖様たちが死んでくれたおかげ。絶滅した種がいたからである。
生物を作り上げた進化は、実は〈絶滅 =死〉によってもたらされたと。
死の重要さが少しずつわかってきたかも。

恐竜ってほんとにいたんだよなあ

利他的に死ぬ

死」は絶対的な悪の存在ではなく、全生物にとって必要なものです。生物はミラクルが重なってこの地球に誕生し、多様化し、絶滅を繰り返して選択され、進化を遂げてきました。その流れの中でこの世に偶然にして生まれてきた私たちは、その奇跡的な命を次の世代へと繫ぐために死ぬのです。命のたすきを次に委ねて「利他的に死ぬ」というわけです。

りた‐てき【利他的】:自分を犠牲にして他人の幸福・利益のために尽くすさま。

自分が死ぬことによって、また何万年、何百万年先に今では想像できないような新しい生物が誕生するかもしれない。地球は変化し、また美しくなっていくのか。

死の恐怖とは

ヒトにとって「死」の恐怖は、「共感」で繫がり、常に幸福感を与えていてくれたヒトとの絆を喪失する恐怖なのです。また、自分自身ではなく、共感で繫がったヒトが亡くなった場合も同じです。そしてその悲しみを癒やす、別の何かがその喪失感を埋めるまで、悲しみは続くのです。

その悲しみを癒やす別の何か、、ね。
ヒトは、数少ない自分の寿命をなんとなく知った上で生きる生き物。大体の生物はアクシデンタリーに死ぬことが多い。
感情を持つからこそ、他者との繋がりがあるからこそ、死がより怖い。しかし、感情を持つからこそ、他の生物では体験できないような一生にできるとも言える。

人は誰かに忘れられて初めて死ぬ

今回この記事を書きながら、ディズニー映画「リメンバーミー」のことを思った。大好きなディズニー作品だ。

ウンポ〜コロ〜コ〜♩

メキシコの「死者の日」をテーマにした作品。音楽好きな主人公の少年ミゲルが、死者の世界に迷い込んでしまう。元の世界に戻ろうとする冒険の中で、音楽、家族愛などを描いている。

音楽も世界観も本当に美しい。死者の国は、暗く恐ろしい場所ではなく、活気に満ち溢れたような場所として表現されていて、夢がある。

この作品では、人は誰かに忘れられて初めて本当の意味で死ぬ。2度目の死を経験する。誰かに、家族に覚えてもらっている間は、その人の心の中で生き続ける、、。本当の意味での死とは、家族とは。

なんて素敵な考え方でしょう。

生物学とファンタジー両方信じてみる

前半では小難しい「死」の話をしてましたが、正直頭でわかったけど、心でわかりきれなかったような気がする。前半の話と、リメンバーミーの考え方と、足して➗2したような死に対する考え方で生きていこうかなと思う。(まさかの笑)

リメンバーミー最近見てなかったからまた見よーっと^ ^

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