人は土から離れては生きられないのよ。〜リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ〜

日々の生活に疲れ果て、やはり自然と触れるべきだと考えて、急に思い立って出かけることにしました。車で1時間くらい行ったところに川遊びができるキャンプ場があるので、家族を連れて出かけました。仕事は有休です。
水着に着替えて川に入ると、なるほど川の水は流れているので温度変化が少なく、冷たく感じます。
足からじいんと広がる冷たさに、私は心がすすがれていく感覚を覚えました。

1歳の息子にも味わわせてやろうと、ちゃんと着替えさせて抱っこのまま入ってみると泣かれました。冷たいのが嫌いなのか、深さが怖かったのか。

川に浸かって、流れを感じながら私は目をつむってみました。
遠くでミンミンゼミが鳴いています。
川の音がコポコポと、どこかから聞こえます。

自然の音に耳を澄ましながら、私はある言葉を思い出しました。



「土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春をうたおう。」

これは、天空の城ラピュタに出てくるヒロイン、シータの言葉です。彼女の生まれ故郷ゴンドアに伝わる歌だと言っていました。そのあと土から離れては生きられないのよ、とも言っています。


人間もまた、自然の一部なんです。
川べりは直射日光にさらされているにもかかわらず涼しく感じます。コンクリートとアスファルトに囲まれた都会の熱風はここにはありません。人工物に囲まれた街では人は生きられないのだと感じました。

人はもっと楽に安全に、そして便利に暮らすために科学を進歩させましたが、科学技術が発達すればするほど住みにくくなるというのは、なんとも皮肉な気がします。

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