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カレー達と知る諸行無常
2021年に引き続き、カレーの学校のアドベントカレンダーに参加させて頂きます。去年のを読み返すと…カレーの話が殆どでてこなくて恥ずかしいですね。はい、今年もそんな感じです。
-2019年の冬。あたしは酔っ払っていた。
「NUMBER GIRLが再結成する」
その一報を見た夜。歓喜の渦に巻き込まれたあたしは、つい飲み過ぎてしまった。そして終電に乗ると案の定、お得意の乗り過ごしをキめてしまう。曇ったメガネ越しに、もう薄目しか開かない目で居場所を確認すると「千葉」と書いてあった。やっちまった。当然、帰る術などない。あたしは、寝床を探し、薄い眠りのまま朝を迎える。
次の日はとても晴れていた。「再結成」もどうやら夢じゃなかったらしい。せっかく千葉に来たのだから…と、自分を慰め、カレーを食べることにした。
ふらつきながらベンガルタイガーへ向かった。美しい芸術のようなカレー。美味い!乗り過ごしてよかった!なんて、ちょっとバカなことを考えてしまった。
(乗り過ごしていいことなんて、ない。)
カレーで満たされたあたしは、がらがらの横須賀線に乗って帰る。「OMOIDE IN MY HEAD」を再生し、歌詞を開く。デジャヴのような感覚に取り憑かれ、17歳の俺がいた。俺は俺を取り戻すのをじっと待ってる。
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-2019年の夏。なんとなく 夏だった!!
「NUMBER GIRLをRISING SUNで見る」
明日、遂にNUMBER GIRLを見れる。 17才の頃に叶わなかった夢を果たすべく、北海道に前乗りをしてジンギスカンを食べていると、信じられないニュースが飛び込んできた。
「台風接近による開催中止」
結果的に2日目は開催されたのだが、初日は完全に中止。会場でのキャンプも出来るわけが無く、ジンギスカンを頬張りながら急いでその日の宿を探した。宿を無事に見つけた後は、悔し酒を呑む。大丈夫、旅先では寝過ごすことはないんだ。
次の日はとても晴れていた。ライブ出来そうじゃんと思ったけど、「再結成」は幻となってしまった。せっかく北海道に来たのだから・・・と、自分を励まし、カレーを食べることにした。
地下鉄に乗って、Curry Savoyへ向かった。台風なんてお構いなし!お店には行列ができていた。一度は閉店したお店をファンが再開させたスープカレー。最高じゃないか。美味い!台風が来てよかった!とは、流石に思わなかったけど、この世は諸行無常。こんなこともあるのか、、と少し俯瞰している自分もいた。
なぜならあたしは諦めの悪い男。(三井寿)
明後日の日比谷野音のワンマンライブのチケットを持っているのだ!ライジングで叶わなかった夢は日比谷で!と思ったら、またも台風が行く手を阻む。東京行の便の出発遅れ、、余裕をもっていた時間がどんどん無くなっていく。祈るような想いで飛んだ飛行機は、間一髪ライブに間に合った‼︎
こうしてあたしは初めて、NUMBER GIRLを見た。
そのときの感覚は、夢のようであまり覚えていない。
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-2022年の夏。夕暮はもう到来。
コロナで2年間の中止を余儀なくされ、ようやく開催されたRISING SUN。そのラインナップの中に、NUMBER GIRLもいた。せっかく3年ぶりにRSRに来たのだから・・・と、自分を高揚し、カレーを食べることにした。
フードエリアを眺めると、本格インド料理「Taj Mahal」を見つけた。1982年創業の札幌の老舗インド料理店らしい。本格とはなんぞや、と思いながらメニューを眺め、インド料理屋ではまず見ないインドカレー焼きそばを食べた。そして再び思う、本格とはなんぞや。
夏の日、夕暮。北海道の大きな空が、赤く染まる。気持ち良い風とそれを切り裂くようなエレクトリックサウンド。メンバーはいつもにまして楽しそうな様子に見えた。そして、なんとなく予感していたことが、Vo.向井秀徳から告げられる。
「NUMBER GIRL 再び解散」
一回目の解散の場も札幌であり、RSRでのライブはバンドの目標だった。あまりにも潔い幕引きに涙もでない・・・なんてことはない。ボロボロと涙が溢れて来て、マスクがびしょ濡れになってしまった。最後に1回、横浜でライブをやるというアナウンスもあったが、これがあたしの中で明確な解散ライブだったし、そのつもりで見た。
17才の頃の夢も果たし、徳も使い切ったか・・・と思った帰り道。立ち寄った海鮮丼屋で回した福引で蟹が当たった。この世は諸行無常。こんなこともあるのか、、と少し吃驚している自分もいた。
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ー2022年の冬。無常の夜、その向こう。
蟹は当たったけど、解散ライブのチケットはなかなか当たらなかった。最終先行でようやく当てたチケットはぴあMMアリーナの最上階。今思うと、当たっただけでも幸運だったと思う。
前述した通り、自分の中では落とし前がついていたので、解散ライブは本当にやってくれてありがとうございます…的なテンションだった。ただただ何千の人が日本のオルタナティブロックに興奮する姿に、ただただ感動していた。素晴らしい光景だったし、金字塔と言ってもいいと思う。
「NUMBER GIRLのライブ行ったの?」
数日後、マカボイに行くとマスターにこう聞かれた。あたしはカレーを頬張りながら無常の日のことを少し話し、この3年半のことを思い出していた。思い返すと、カレーの学校11期に通ってたのが2019年冬。あれから3年半経った今もこうやって、カレーの学校のイベントに参加している。とてもありがたいことだと思う。
諸行無常。この世にあるものは常に変化し続け、永遠に続くものなどない。楽しくて幸せな時間もいつかは終わってしまう。バンドだって、お店だって、あたしだって、いつか終わってしまう。そう思うと、一瞬、一皿大事にしていかないと…と思う。でもこういった思考思想も、すぐに忘れちゃう。それもまた無常なのか。。
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マカボイのひよこ豆のカレー
ここに書いたのはほんの一部で、幸運にも10回もNUMBER GIRLを見ることができた。その記録を此処に印し、終了とする。南無。
2019/8/18 TOUR「NUMBER GIRL」日比谷野外大音楽堂
2019/9/22 京都音楽博覧会2019 in 梅小路公園
2019/12/30 COUNTDOWN JAPAN 2019
2020/12/14 逆噴射バンド 豊洲PIT
2020/12/15 逆噴射バンド 豊洲PIT
2021/7/18 逆噴射の夜 豊洲PIT
2022/4/30 ARABAKI ROCK FEST.22
2022/5/8 FAN CLUB 日比谷野外大音楽堂
2022/8/13 RISING SUN ROCK FESTIVAL 2022 in EZO
2022/12/11 NUMBER GIRL 無常の日